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「魔法で人を幸せにできる魔女になりたい」と願い田舎から出てきた少女・アリー=エイベルが出会ったのは、「人は魔法に頼らなくても幸せになれる」と普通の花を売る変わった魔女のヨシノ=ヨーク。魔女見習いとしてヨシノの花屋で働くことになったアリーは、魔法で叶えるはずだった誰かの“幸せ”をその手で叶えていくことになり――!? 浜弓場双が描く花と魔法のヒロインファンタジー、開幕!
「魔法で人を幸せにできる魔女になりたい」と願い田舎から出てきた少女・アリー=エイベルが出会ったのは、「人は魔法に頼らなくても幸せになれる」と普通の花を売る変わった魔女のヨシノ=ヨーク。魔女見習いとしてヨシノの花屋で働くことになったアリーは、魔法で叶えるはずだった誰かの“幸せ”をその手で叶えていくことになり――!? 浜弓場双が描く花と魔法のヒロインファンタジー、開幕!
『ハナヤマタ』や『おちこぼれフルーツタルト』の浜弓場双さん最新作ということで、まず間違いないでしょうと思いながら読み始めて、期待通りに面白かった作品です。 15歳になった少女アリー=エイベルが、魔女になる夢を叶えるため大都市であるキャリッジ街の魔法学校グランモールにやってきたものの魔法は時代遅れでただの花嫁学校になってしまっており、街外れの丘の上に住む「花の魔女」ヨシノ=ヨークに弟子入り志願するところから物語が花開いていきます。 第1話「サクラ」 第2話「ミモザ 」 第3話「カルミア」 第4,5話「バラ」 と、世界設定はファンタジーですが登場する花や花言葉は現実を踏襲しています。ヨシノという名前もサクラから。吉野山が故郷の身としては嬉しくなってしまいます。 元々の高い画力が映えるキャラクターはもちろん、ファンタジー世界の彩りという点では非常に大事である背景も精緻に描写されており読んでいる間はこの世界に浸れます。私は、こういう描き込みが細かいファンタジーが大好物です。 特に、サブタイトルにもなっている花が描かれる各話のクライマックス部分の作画は気合いが入っていて思わず嘆息してしまいます。気が早いですが、たくさんの実在の花を扱っているのでアニメでフルカラーになって動きもついたら非常に映えそうです。 見習いシスターのオリビア=オークスやジョルダン家当主でホテルオーナーのジャネット=ジョルダンなど、魅力的なサブキャラクターも続々と登場しながら展開するストーリーの良さも美点です。 『ハナヤマタ』などのころから秀でていた、心の琴線に触れながら読むと元気をもらえるハートフルな内容は本作でも健在です。そこに、花や花言葉という要素が重なって非常に良い読み味となっています。 各要素のレベルの高さは流石という他ありません。長く続いていくことを祈りたい、素敵な作品です。