引きこもりの息子、パパ活をしている娘、不倫中の旦那。「この家族は失敗だ」。そう思っている主婦・則子には将来の夢も希望もなく、ただ日常が過ぎていくだけ。しかし、ふとした衝動で旦那の上司を殺してしまったことで運命が大きく動いていく。「家族全員が幸せに暮らすためには死体を隠すしかない」。崩壊していた家族が死体隠蔽工作に協力することで不思議な絆が生まれていく。
援助交際を再開した鞠子。史晴も心を閉ざしはじめた。宏和は愛人宅へ。再び離散していく家族の姿に殺人を犯した則子は追い詰められていく。警察の捜査には進展がないが、ベテラン刑事は河東家に疑惑の目をむける。しかし元村部長が暴行を受けている現場を子供が目撃していて、事態は思わぬ展開に…。
自分と関係のない有力な容疑者が現れたことで心に余裕ができた則子は、史晴の誕生日を祝おうとする。それに反発する鞠子。史晴は誕生日に「ある計画」を実行しようとしていた。父親が行方不明になったため困窮する元村家。息子・新は追い詰められていく。一方、鬼刑事・松根は河東家への捜査を継続していた…。
元村部長の失踪はTVで大々的に報道され、世間に広く知られることになる。元村の息子・新は経済的に追い詰められ、その悩みを和宏に相談する。加害者と被害者家族が接近していく不思議な関係に。一方、則子は刑事・松根の厳しい捜査から逃れるも罪の重さを実感していく。
定年を控え事件解決に執念を燃やす松根だったが、あと一歩のところで則子に逃げられる。則子は家族と一緒にいたいと願いながらも罪の意識にさいなまれていた。そして事件は意外な結末に!?
6年間引きこもっている上に月に20万以上の請求を負わせる息子。 高校を中退しそうになっているパパ活をしている娘。 そんな子供たちを放棄して不倫に専心する夫。 よそからは「子供が2人いて順風満帆の家庭を営んでいる主婦」と思われていながらも、内情は完全に破綻した「失敗家族」となっていて、半ば諦念しており限界に近づいていた妻が主人公の作品です。 ある日、夫が連れ帰ってきた上司の傍若無人な振る舞いに遂にブチ切れてしまい発作的に殴ったら死んでしまって、それまでバラバラだった家族が「殺人を隠蔽する」という目的で結束していくクライムサスペンスです。 普段、いがみ合っていたり無関心同士であったりしても、そこに共通の外敵となる存在が現れると結束して対処に向かうのは非常に人間的だなと思いました。 『マイホームヒーロー』はまだ明確に自分の家族が下手すると殺されるかもしれない危機が迫っていましたし相手はプロの手合いでしたが、本作は日常の延長線上にある言ってしまえば「嫌な言動をされただけ」で一般人を殺してしまっているところが差異化されているところです。 推理小説に造詣が深いでもなく、特殊な環境で鍛えられた経験もないごくありふれた家族が、自らが犯した犯罪をどう露見させずにやり過ごしていけるのか。 それまでバラバラだった家族が殺人を機に結束する部分もあれば、それを機に決定的に壊れてしまうものもあり、そこの収集もどうなっていくのか気になります。
6年間引きこもっている上に月に20万以上の請求を負わせる息子。 高校を中退しそうになっているパパ活をしている娘。 そんな子供たちを放棄して不倫に専心する夫。 よそからは「子供が2人いて順風満帆の家庭を営んでいる主婦」と思われていながらも、内情は完全に破綻した「失敗家族」となっていて、半ば諦念しており限界に近づいていた妻が主人公の作品です。 ある日、夫が連れ帰ってきた上司の傍若無人な振る舞いに遂にブチ切れてしまい発作的に殴ったら死んでしまって、それまでバラバラだった家族が「殺人を隠蔽する」という目的で結束していくクライムサスペンスです。 普段、いがみ合っていたり無関心同士であったりしても、そこに共通の外敵となる存在が現れると結束して対処に向かうのは非常に人間的だなと思いました。 『マイホームヒーロー』はまだ明確に自分の家族が下手すると殺されるかもしれない危機が迫っていましたし相手はプロの手合いでしたが、本作は日常の延長線上にある言ってしまえば「嫌な言動をされただけ」で一般人を殺してしまっているところが差異化されているところです。 推理小説に造詣が深いでもなく、特殊な環境で鍛えられた経験もないごくありふれた家族が、自らが犯した犯罪をどう露見させずにやり過ごしていけるのか。 それまでバラバラだった家族が殺人を機に結束する部分もあれば、それを機に決定的に壊れてしまうものもあり、そこの収集もどうなっていくのか気になります。