引きこもりの息子、パパ活をしている娘、不倫中の旦那。「この家族は失敗だ」。そう思っている主婦・則子には将来の夢も希望もなく、ただ日常が過ぎていくだけ。しかし、ふとした衝動で旦那の上司を殺してしまったことで運命が大きく動いていく。「家族全員が幸せに暮らすためには死体を隠すしかない」。崩壊していた家族が死体隠蔽工作に協力することで不思議な絆が生まれていく。
否応なしに突きつけられるその事実、その未来ーー。若手実力派の才能の萌芽きらめく超初期作!(Kiss2020年3月号)
パートで働く母親と二人暮らしの辻史絵莉、29歳。幼い頃から女手ひとつで育ててくれた母親が垂れ流す愚痴と、会社の同僚たちが花を咲かせる噂話から唯一解放されるのは昼休みの1時間だけ。そのほんの短い時間に、史絵里は誰にも知られぬ小さな秘密を隠していた――。
超・育成型新人賞 Kiss WAVE 第6回 TOP賞受賞作品!!
「ハツキス 2017年9号」に掲載された読み切り作品!※雑誌掲載当時のままの内容です。
添田和哉は大学を卒業し、この春から社会人。就職先で出会った大和田さやかにひと目ぼれする。長年付き合った彼女との倦怠ムードに嫌気がさしていた添田は――。泣けて、笑えて、切なさに胸が詰まる、交わらない想いを描く恋愛群像劇!
新築戸建てに越してきた橙子たち瀧澤家。一家は6人家族だったが、不慮の事故で義父母を亡くし4人家族になっていた。バランスの崩れた家庭で夫の不倫を黙認しつつ酒に逃げていた橙子だったが、自分に好意を寄せる青年・ナガイの言葉により心機一転、夫の愛人とナガイ、そして二人の子供との共同生活を始めることに。すべては子供たちのため――そう覚悟した橙子だったが…!? 『溶けないし混ざらない』の小宮みほ子が新連載で挑む新しい家族像!!
史絵莉ちゃんの闇、母親から離れられない苦しさも、母親も子供から離れられなくて本当は苦しい胸の内もまだ経験してないけど、分かる気がする。 心の空虚感を自分自身で埋められた時に、親から本当の意味で自立をして、自分の人生を始めることが出来るのか。なんて事を思った。 決して、母親が嫌いになった訳じゃないんだよね。 史絵莉ちゃんも大輝くんも、自分の人生から、逃げずに向き合って偉いなと最後は、心打たれました。
6年間引きこもっている上に月に20万以上の請求を負わせる息子。 高校を中退しそうになっているパパ活をしている娘。 そんな子供たちを放棄して不倫に専心する夫。 よそからは「子供が2人いて順風満帆の家庭を営んでいる主婦」と思われていながらも、内情は完全に破綻した「失敗家族」となっていて、半ば諦念しており限界に近づいていた妻が主人公の作品です。 ある日、夫が連れ帰ってきた上司の傍若無人な振る舞いに遂にブチ切れてしまい発作的に殴ったら死んでしまって、それまでバラバラだった家族が「殺人を隠蔽する」という目的で結束していくクライムサスペンスです。 普段、いがみ合っていたり無関心同士であったりしても、そこに共通の外敵となる存在が現れると結束して対処に向かうのは非常に人間的だなと思いました。 『マイホームヒーロー』はまだ明確に自分の家族が下手すると殺されるかもしれない危機が迫っていましたし相手はプロの手合いでしたが、本作は日常の延長線上にある言ってしまえば「嫌な言動をされただけ」で一般人を殺してしまっているところが差異化されているところです。 推理小説に造詣が深いでもなく、特殊な環境で鍛えられた経験もないごくありふれた家族が、自らが犯した犯罪をどう露見させずにやり過ごしていけるのか。 それまでバラバラだった家族が殺人を機に結束する部分もあれば、それを機に決定的に壊れてしまうものもあり、そこの収集もどうなっていくのか気になります。
不思議な関係で成り立つ家族生活の話。 子供の一言がきっかけで旦那の愛人、妻の近くにふとしたことで現れたナガイ君と2人の子供、計6人で住むことになり、言葉悪いかもだけど、読めば読むほど何故かしっくり、家族として馴染んでいる感覚に陥ってる自分がいる。 妻、橙子の器の広さなのかナガイくんに心惹かれてるから旦那、愛人なんてどうでもよくなっているからなのか、子供に救われてるのか、本当のところはわからないけど側から見ると、何の変哲もない新築戸建て。 でも、あの家の中では色んなことが渦巻いている。想像するとゾッとして鳥肌が立ちます。 そして、一番正体不明のナガイくんが一番恐ろしい! 2巻までですが、まだ序盤な気がしてるのでナガイくん(家族皆秘密抱えてるのか?)の正体を楽しみにしたいと思う。
ザラザラした青年漫画っぽい絵がダウナーな雰囲気を出しててよかった。けど自分は女性の内面(特に苦悩)にフォーカスした作品がすごく苦手なので、読むのがメチャクチャしんどかったです。 逆に言えば1人の人間の心の動きを丁寧に描いているということなので、鳥飼茜とか好きな人は好きそう。 主人公の抱えている穴は、無神経な彼氏がどうこういうより、人間が生きていくうえで一生付き合い続けていかない虚しさなんじゃないかなと思います。 絶望的な真実として「100%自分を理解してくれる人間なんて、自分以外にこの世のどこにもいない」わけですから。 友人のように、子供を生んで愛情を注いだり愛されたりして、忙しくすることで一時的に忘れることはできるでしょうけれど…。 総括して、「主人公はスケールのデカい悩み抱えすぎなので、気軽に精神科にかかりなよ」という感想です。
史絵莉ちゃんの闇、母親から離れられない苦しさも、母親も子供から離れられなくて本当は苦しい胸の内もまだ経験してないけど、分かる気がする。 心の空虚感を自分自身で埋められた時に、親から本当の意味で自立をして、自分の人生を始めることが出来るのか。なんて事を思った。 決して、母親が嫌いになった訳じゃないんだよね。 史絵莉ちゃんも大輝くんも、自分の人生から、逃げずに向き合って偉いなと最後は、心打たれました。