あらすじ別々の高校に通う高峯と咲倉はゆっくりと関係を深めていく。そんなふたりを見つめる廣瀬は複雑な心境だった。同じバレー部を辞めた高峯への「疑問」と「未練」。高峯の隣にいる咲倉への「羨望」と「嫉妬」。わだかまりを抱え続けていた廣瀬だが――。友情でも恋愛でもない、特別な関係性を育む少女達の青い春、変化の第2巻。
『春とみどり』の深海紺さんによる、新たな女性同士の関係性を描いた作品です。 一目見て深海紺さんだと解る雰囲気と絵柄で、繊細に静やかに紡がれていく感情の糸と糸が今回もとても良いです。 本作は、女子高生ふたりが読書を通して仲を深めていくという内容なのですが、本がキーアイテムとなっている部分も非常に好みです。本をあまり知らない人にお薦めするのは、難しくも楽しい作業だよねと本の虫の咲倉を見ながら感情移入を深めました。 女子高生らしい交友関係の中での諸々も程よく描かれていて、そちらの方に同調したり反発したりする人もいることでしょう。 何しろ、メインのふたりの関係性とその推移が、急行ではなく各駅停車のようにひとつひとつ進んで行くこの感じが良いです。停車駅のホームの屋根にでもなってふたりを風雨から守りながら見守っていたい。そんな風にすら思わせてくれます。 女の子同士の関係性の物語が好きな方は押さえておくべき作品です。