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妻が男児を出産した当日、相馬組組長・相馬銀次郎は殺し屋によって暗殺された。老博徒・毘沙門源造は、銀治郎の遺児である富士男を連れ、寒村に住み移った。小学生になった富士男は、有名な悪童として村人や教師から疎まれていた……。さまざまな人との出会い、葛藤。知る人ぞ知る名作と言われる、重厚な読み応えのある長編です。梶原一騎の、作家としての深い魅力を味わえます。
中学生に成長した富士男は、担任教師の津川桂子に恋心を抱く。ある日富士男は津川に思いを打ち明けてしまうが恥ずかしさのあまり苦しむ。しかし津川にも苦しみが待っていた。富士男の父親の死に、津川の父親が深く関わっているという事実を知ってしまったのだ。富士男をばかりをえこひいきする津川の行動に戸惑う富士男。その行動の裏に隠された事とは……？ 一方、二人に嫉妬した少女の軽はずみな行為が、重大な事態への引き金を引く。拳銃強奪、暴力団への殴りこみ、そして富士男を変える出会い。激動の少年期を描く第二巻です。
