甲化人間 (読切)ハヤシロウ読切3件のクチコミ「お前も学校出たら甲化するんだぞ」──脳を機械の器に移し替え、第二の人生を謳歌する“甲化”。周りがどんどん甲化していく一方、女子高生のマコトはどうしてもその状況を受け入れられずにいた。作品を読む
くらし武田スーパー読切5件のクチコミ【ヤングマガジン2020年1月期月間新人賞 佳作&TOP賞受賞作】社会からドロップアウトし、「人並み」なこともできない主人公の小島。それでも人生は終わることなく続いていく。あの時までは――。作品を読む
脱サラして6年目の古書店・十月堂の店主が主人公。店の写真撮りに来ただけの客にイラッとし、趣味の合う読書家のお客さんと交流し、そして人知れず不良在庫を古紙回収に捨てる。 ある日買取の仕事が来て家に向かうと、そこは生前読書家だった80代の男性が住んでいた家だった。 グラシン紙で保護された小説、ラノベ、絶版となった漫画、ホビー・フィギュア。 年齢を感じさせない選書、大切に保管された本、個人の蔵書印。 2つの書庫だけでなく居間までが本に埋もれた部屋をみて「ゾクッ」とした店主は、約束の時間までにと査定を済ましていく。 古書店主というのは、蔵書を通じて持ち主の人柄に触れ続け、その愛おしい空間が壊される最後の瞬間を看取る人間なんだと、否が応でも感じさせられた読切でした。今までがそんなこと全く考えたこともありませんでしたが、本が好きであればあるほど辛い仕事ですね…。 タイトルを読まずに読んでも「この作品のタイトルはこれしかない」と思えるほど、テーマを克明に描いた素晴らしいお話でした。 アフリカ文学の『やし酒飲み』、読んでみようと思います。 https://www.iwanami.co.jp/book/b248495.html