あらすじ

岩下さとり(25)。憧れの銀太郎さんに近づくべく、和文化を日々勉強中! 帰省したさとりは、長年にわたる岩下家の嫁姑戦争の根底に、着物があることに気づいて…!? ほかにも金沢の伝統工芸のこと、友達の結婚式に振袖を着るか問題、そして、和の中に見つけたエスニック…!? 読んで納得、着物のナゼナニがつまった第5巻!
銀太郎さんお頼み申す 1巻

岩下さとりはバイト先のコーヒーショップに現れた謎の着物美人をひと目見た瞬間、夢中に そんな時、着物美人から頼まれごとをされ、憧れの着物を着させてもらうことになった! 着物の美しさと、日本の伝統的な文化の奥深さに、心を打たれて――?

銀太郎さんお頼み申す 2巻

すっかり着物に夢中になったさとり。知れば知るほど難しく…そして面白い!! ある日さとりは、和文化の師匠と仰ぐ元芸妓の着物美女・銀太郎さんの秘められた過去を知って…!? 和文化に興味がある人も、そうでない人も、読めば笑って泣けてちょっと賢くなる! 東村アキコが描く等身大の趣味道まんが、第2巻!

銀太郎さんお頼み申す 3巻

和文化の沼にハマり、日々勉強中のさとり。友達のモコちゃんと一緒に、師匠と仰ぐ元芸妓の銀太郎さんに連れられ、唐津へ。そこで、とんでもない事件に巻き込まれてしまい…!? ミステリアスな着物美女のルーツに迫るドキドキの第3巻!

銀太郎さんお頼み申す 4巻

唐津で、銀太郎さんに連れられてあちこち回り、和文化の奥深さを再認識したさとり。宿泊するのは新進気鋭の陶芸家・船津仁の工房。そこは、銀太郎さんが昔、最愛の人と暮らしていたところだという。そのひとは、仁の叔父にあたり、将来を嘱望された陶芸家だった――謎めいた美女のかなしい過去にふれる第4巻!

銀太郎さんお頼み申す 5巻

岩下さとり(25)。憧れの銀太郎さんに近づくべく、和文化を日々勉強中! 帰省したさとりは、長年にわたる岩下家の嫁姑戦争の根底に、着物があることに気づいて…!? ほかにも金沢の伝統工芸のこと、友達の結婚式に振袖を着るか問題、そして、和の中に見つけたエスニック…!? 読んで納得、着物のナゼナニがつまった第5巻!

銀太郎さんお頼み申す 6巻

江戸時代どころか、昭和だって歴史。そんな岩下さとり(25)は、憧れの着物美女・銀太郎さんに弟子入りして着物の勉強中! いいにおいのこと、浴衣のしきたり、洋服と着物に共通する柄――怒涛の気づきに覚醒が止まらない!? 和文化玄人軍団に新顔登場、激動(!?)の第6巻!

銀太郎さんお頼み申す

未知の文化に飛び込む勇気

銀太郎さんお頼み申す 東村アキコ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

この作品で印象深いのは「言葉の通じなさ」だ。 カフェ店員の主人公女性が、お客の着物美女を師匠と仰ぎ着物文化に入ってゆく物語だが、この主人公、徹底的に素人。文化が違う。 師匠が発した言葉が誤変換されて主人公に届くやりとりが面白いのだが、そこにあるのは完全な文化の断絶。懸命に喰らいつく主人公だが、一つの用語を理解するまでがもどかしい。 私は着物文化に憧れて、いくつかの着物マンガ(『恋せよキモノ乙女』『またのお越しを』など)を読むのだが、知識が足りずについてゆけないことがある。詳しく解説がついているにも関わらずだ。 『銀太郎さんお頼み申す』は、主人公のゆっくりな理解速度が素人の私を置き去りにしない。そして彼女に教える師匠や周囲の女性たちが(時々呆れながらも)きちんと教えてくれるのが良い。失敗のフォローも優しい。 主人公はどうして助けてもらえるのか。それは彼女が本気で喰らいついているから……それくらいしか今のところ思い当たらないが、案外そういうことが大事なのかもしれない。 恐らく私が未だに着物物文化を理解できないのは、そこに入ってゆかないから。一方本作の主人公は無知だが、自分の求めるものはこれと決めて飛び込み、上手くいかなくても諦めず、少しずつでも成長を喜ぶ。そんな姿勢が文化を楽しむための、いちばんの「センス」だとしたら……そう思うと、不器用な彼女を羨ましくさえ思った。