あらすじかつての恋人リップ、部隊で出会ったノーヴァ、地下組織(レジスタンス)のリー、グレイと交わったものは皆死んでいく…。戦いの日々のなかで、グレイは下半身を破壊され動けなくなった機械人(ハーフ)・ロバートと出会い、市(シティ)を支配するTOYと呼ばれる市中央官制脳の人類滅亡へのプログラムを聞かされ、レジスタンスのナゴシとシティのせん滅を誓うのだが…!?滅亡のプログラミング「TOY」にひとり立ち向かう死神・グレイ――!
正直、いまさらSFとしての新しさはあまりないです。殺し合いを生む階級システム、謎に満ちた平和都市、意志をもつコンピュータなどなど、すでに現在のエンタメ産業においてしゃぶりつくされた設定のストーリー。うーん、B級ハリウッド映画みたい。でもね、私は好きなんです。なぜかといえば、俺の描く漫画が一番カッコいいんだ!という主張があるから、なのかなあ…。やたら描き込まれた効果線であったり、メカの細かなフォルムであったり、超人的な主人公の描き方であったりと、言葉にするとたいしたことのないですが、ストーリーや絵柄の上手下手でないところで心に響く何かがあるのは確か。巻末のあとがきで著者本人が語っているように、この作品は著者がもっとも脂の乗り切った時期に描かれた作品、ということなので、その時期の作品は得てしてこうなるのでしょう。どこが良いのかイマイチわかりにくくなってしまいましたが、そこはタイトルと同じグレイのまま…、でご勘弁ください。