あらすじ

野田はかつて猟と恋のライバルとして張り合っていた彩子を、拳銃強盗の流れ弾から庇えずに失った思い出があった。安全な場所に移せたのに、猟が彩子を放り出して危険の中に身を投じる人間だと、見せしめのように考えていたからだ。もう金も名誉も手に入れた野田は、過去の清算を猟に求め、桃を口説き落として猟から奪おうと画策していた…。
刑事コブラ(1)

西北池袋署刑事課強行犯係のはみだし刑事・古武良猟。事件によっては相当入れ込むタイプだと知られている。不良だった頃に補導したことのある佐恵子が殺された。猟の一言で、本気で更生し保母になろうとしていたのに…。許せねぇ!怒った猟は佐恵子の女友達と佐恵子の男だった時田の協力を得て、七沖会が海に浮かべたクルーザーで少女達に売春させていたことを突き止めた。単身殴り込んだ猟は…。本格刑事アクションの快作!

刑事コブラ(2)

ヤクザ同士の抗争を止めようと奔走する猟。大都連合の稲村を、恐喝容疑で引っ張った。次の狙いは、抗争相手の砕弩会若頭・泉。しかし煙たがった上司から、捜査を外されてしまう。抗争を止められるのは、関西砕弩会会長・凪田しかいなかった。猟の親しいバーのママ・良子が、凪田の娘だと判る。良子は十年前に凪田を逃がすために死んだ西条との間に、子供をもうけていた。複雑な親子関係がからむ…。

刑事コブラ(3)

重傷で入院した猟を、なお襲う刺客。やはり猟の命を狙っている赤木が、稲村の仕業だと教えた。猟は刑事から暴力団に鞍替えした藤谷を調査する。藤谷の上司だった署長が死んでいるのだが、右肩の肉にアスファルトの塊が入っていた。柔道の達人だった藤谷の、体落としを喰ったからではないのか?その藤谷は、小柿組長を追い出し、自分が組長になろうとしていた。

刑事コブラ(4)

代議士の柴田から2億円の献金を頼まれた、西郷産業の社長・西郷。博打好きな西郷は使える抵当は全て銀行に使っており、2億もの金を用立てる力は無かった。頼母子講で一番くじを引き当てるしか手段は無かったのだが、そこへ猟が賭博の嫌疑で事情聴取に来る。また西郷が開いた賭場の件で、何者かが2億円の恐喝を西郷に仕掛けてきた。

刑事コブラ(5)

刺されて負傷し、縛られたままの姿で脱出した桃。通りがかりの車に救われ、警察に通報がいく。一方猟も、何とか手錠をはずし反撃に出た。バケツ一杯分の血を流した身で、強請屋の宇治木をぶっ倒した猟は、縛られていた西郷の救出を果たす。

刑事コブラ(6)

猟たちが賭博現場に手入れをした時、押入れの中に取り残されている子供がいた。高月涼・5歳である。とりあえず保護し、警視庁の仮眠室で寝かせた猟は、子供を心配しない親はいない筈だと父親の高月行男を捜す。行男の所属している飛字田会も知らん顔で、博打の借金を背負っている行男にも、引き取りに行く気は無かった。

刑事コブラ(7)

陣流徒一会の組員3人が、アジア系外国人らしき武術の達人に惨殺された。抗争相手の新敢闘会の仕業かと思われたのだが、今度は新敢闘会の組員が、同じように惨殺される事件が起こる。犯人の狙いは何か?また陰で糸を引いているのは…?

刑事コブラ(8)

野田はかつて猟と恋のライバルとして張り合っていた彩子を、拳銃強盗の流れ弾から庇えずに失った思い出があった。安全な場所に移せたのに、猟が彩子を放り出して危険の中に身を投じる人間だと、見せしめのように考えていたからだ。もう金も名誉も手に入れた野田は、過去の清算を猟に求め、桃を口説き落として猟から奪おうと画策していた…。