〈闇の国々〉――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。787年、ゴーラム・モルティザ・カーンと名乗る男が宝石商を営むエルザ・オートリックの元を訪れた。男の身に着けていた装身具に興味を抱いたエルザは数日間だけその装身具を預かることになったが、時を同じくして、ブリュゼルの町に異変が起こり始める。ある家ではまったく同じ重さの石が突然次々と現れ、またある家では、砂粒が一定の割合で蓄積していく。事態の調査のため、当局は一人の女性を現地に派遣した。彼女の名はメリー・フォン・ラッテン。かつて「傾いた少女」としてその名を知られた人物だった……。(この作品は『闇の国々IV』に収録されています。重複購入にご注意ください)