あらすじ

いよいよ戦局も差し迫ってきた昭和20年2月。いつ、敵潜水艦が現れるかも知れない東シナ海を渡る塚瀬と遥華。やがて、無事上海に着いたふたりが人力車で進んでいくと、現地の老人が同じ中国人の群衆にリンチされているのを目撃する。やめさせようと詰め寄る塚瀬。だが、そこに突然銃を携えた男が現れ、一瞬のうちに老人を射殺すると、そのまま何事もなかったように群衆の中に消えていってしまった。あまりのことに、ただ呆然とするふたりだったが…
YELLOW 1巻

いよいよ戦局も差し迫ってきた昭和20年2月。いつ、敵潜水艦が現れるかも知れない東シナ海を渡る塚瀬と遥華。やがて、無事上海に着いたふたりが人力車で進んでいくと、現地の老人が同じ中国人の群衆にリンチされているのを目撃する。やめさせようと詰め寄る塚瀬。だが、そこに突然銃を携えた男が現れ、一瞬のうちに老人を射殺すると、そのまま何事もなかったように群衆の中に消えていってしまった。あまりのことに、ただ呆然とするふたりだったが…

YELLOW(2)

夜の東シナ海を日本に向け航行する神海丸。だが、この船にあるはずの金塊は積まれていなかった!日本の敗戦を悟った如月が、やがて大陸で起こるであろう内戦を利用して中国の皇帝になるという野望を掲げ、杜月王の隠し金庫の中に秘かに運ばせていたのだ。それを知った縄井は、佐倉領事のもとに走り事実を告げるが、次の瞬間、如月が仕掛けた爆弾が炸裂して…!

YELLOW(3)

舞台は終戦後の東京へ…。縄張りをめぐって、伍藤組と中国系マフィアの間に起こった抗争が展開の中心となる。今は警視庁の刑事となった塚瀬が組長の伍藤に迫ると、彼は「俺達の仇は今の日本人には手が出せない相手だ」と告げる。なおも真実を追い続ける塚瀬だが、ついに中国系マフィアに捕まってしまう。そこで彼が会ったのは、なんと神海丸沈没と共に死んだと思っていた縄井だった…!

YELLOW(4)

幹部達の一掃に成功した黄(縄井)は、その事実を巧みに隠し、中国系住民の新たな指導者の地位に就いてしまう。幼い頃、親しくしていたはずの人々に家族を殺され、以来誰も信じなくなっていた縄井が、苓と遥華のふたりの女性によって心開かれる時は訪れるのか…?戦中戦後の荒波を、ただひたすらに生き抜いた人々の、はかなくも美しい様が描かれる最終巻。