あらすじ

「特別養子縁組」を繋ぐ場所で多くの女性たちを見守り、見つめてきた透子は、心の奥底に閉じ込めていた1つの記憶に辿り着く。それは、「実の父親の死」―― 透子にとってはケダモノでしかなかった父は、何故、どうして死んだのか? 甦る記憶に、あの女(実母)の影が…… そして、実在の実母が透子に迫る……!!
彩愛のひと 1巻

『親なるもの断崖』曽根富美子最新作登場! 現代を生きる、性に傷つくすべての女性に捧ぐ。実親からの壮絶な性虐待を受け、大人になった女性・透子。利用価値がなくなり捨てられた彼女は、ついに限界を超え、街を彷徨い歩く…何かを求めて…… 「特別養子縁組」という生まれ来る子どものための制度を活かす支援団体を舞台に、様々な事情を抱える女性、家族への問いを抱える大人を描いてゆく。女性とは、親とは、子どもとは…… 現代社会に今も存在する“虐待”や“性的搾取”に正面から挑む!

彩愛のひと(2)

自身がコインロッカーベイビーであったことを、大切に育ててくれた両親への感謝とともに、ようやくのみ込んだ沢拓。自身の心の傷と向き合うように、望まない妊娠をした女性のための福祉施設で働くが、そこで、元恋人・透子と再会!! 透子は、実親からの壮絶な性虐待の傷跡を抱えながら、その身に新たな命を抱えていた…!! そこは、レイプ、性虐待、不倫……様々な事情を抱えた妊婦が次々と避難する場所だった!!

彩愛のひと(3)

「特別養子縁組」を繋ぐ場所で多くの女性たちを見守り、見つめてきた透子は、心の奥底に閉じ込めていた1つの記憶に辿り着く。それは、「実の父親の死」―― 透子にとってはケダモノでしかなかった父は、何故、どうして死んだのか? 甦る記憶に、あの女(実母)の影が…… そして、実在の実母が透子に迫る……!!

彩愛のひと(4)

「壮絶な性的虐待」「父親の死」「夫の略奪」―― 想像を絶する虐待と非激の元凶たる実母。その実母の存在に翻弄される透子だが、自身の身に宿る“小さな命”は、透子に変化を起こす…… 我が子を愛すること、我が子を守ること―― 自分が得られなかったすべてを、その命に托しながら、いよいよ、透子自身の「特別養子縁組」が始まる!!