あらすじ最高級ピアノ〈エメリッヒ〉を購入するために、環と蛭田はドイツへと飛ぶ。そこには最高の技術者たちと、蛭田を心から愛する人々が。そして蛭田の知られざる一面も…。一流とは何かの意味を問う、鮮烈なる第10巻!
ピアノ調律師が主人公。偏屈で職人気質(とよぶには些か人格破綻気味ですが)だが調律の腕は超一流。顧客や同業者と毎回トラブルを起こしながらもなんやかんやで解決していく。 いわゆるよくある「お仕事モノ」の一つの理想形ですね。業界の苦労話や社会人あるあるに終始せず、調律やピアノ演奏、音響の奥深さを教えてくれます。人情話も交えつつ、それに頼らず調律そのものの面白さが作品の面白さに直結しているのが素晴らしいです。 同じ職業系・技能系でも「王様の仕立て屋」「二月の勝者」「イチケイのカラス」「ハコヅメ」などにあって「戦うグラフィック。」「VSアゲイン」「はじめアルゴリズム」「響」などには無い魅力ですね。後者は後者で別の魅力で面白いんですけど 作中登場する国内最大手メーカー「アマギ」のモデルは当然ヤマハということなんでしょうが、こんなに悪役に描かれてしまって大丈夫なんでしょうか…w