私的漫画世界|鶴田謙二|Spirit of Wonder
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鶴田謙二(1961年生)は静岡県浜松市の出身です。デビュー作品となる「広くてすてきな宇宙じゃないか」の舞台は地球温暖化による海面上昇で水没した浜松市となっています。鶴田は小さな頃から美術や漫画の才能が顕在化しており,小学生時代にはすでに長編漫画を描いていたという記事がeikipedia にあるります。
大学では写真を専攻していましたが,星野之宣の作品に感化され漫画家を目差すことになります。とはいうもののしばらくは同人誌で活動を続け,1986年に「週刊コミックモーニング」誌掲載の「広くてすてきな宇宙じゃないか」でデビューします。
この作品は1997年に復刊された「Spirit of Wonder」の第0話として収録されています。「Spirit of Wonder」は鶴田謙二の初期短編集というべきものであり,全12話から構成されています。なぜか,第1話ではなく第0話から始まっており,そこにも作者のある種のこだわりを見ることができます。
「Spirit of Wonder」の巻末には次のような初出一覧があり,デビューから10年間の執筆履歴が分かります。同時に最終話の最終ページには作者の意志なのか出版社の意志なのかは分かりませんが,「Spirit of Wonder 完」と記されています。