「恋なんて分からなかった。でも今は恋を知りたい、あなたと――」発情して、セックスして、項を噛んで――。番になったのだと言う椿(つばき)から目をそらし、怜次(れいじ)は噛み傷をそっとなぞる。そんな気が晴れない様子を見せる怜次を元気づけようと、椿はデートに誘うことに。抱き寄せれば嬉しそうな表情を見せる怜次に、椿は不意に胸が高鳴っていくのを感じて――…。そんなある日、怜次にお見合い話が持ち上がる。「番になったから」と抵抗する椿だったが、怜次は思いもよらないことを言い出して…。見て見ぬふりをし続けてきた感情が溢れ出す。当たり前すぎて気づかなかった感情の正体は――。