あらすじ第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作! 買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白――― 優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。若き著者[二十代・新婚・自営業・パンクス]が描く、現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。
仕事を辞めて今はフリーランスで働く妻を手伝いながら生活している…という書き出しから始まりますが、作者さんはハードコアパンクバンドのギタリストでもあり、途中でアメリカにライブツアーに行ったりもするので、なかなか普通の人間が体験しないような非日常の場面も描かれています。なので「ガロみたいな貧乏話はゴメンだぜ!」と思っていたアナタはぜひ読んでみて下さい。 とはいえメインテーマは作者夫婦の話で、これからも何気ない幸せを共有できるようなつつがない生活を送りたいという気持ちが込められた作品なんだと思います。奥さんの気が強いところと、たまに作者が心の中で毒を吐いてるのが好きでした。新婚旅行のパリで記念撮影を依頼したカメラマンがやたらに映えを意識するのに毒づいてたのが最高だった。 ハードコアパンクバンドの名前が「MILK」なのはデビュー作と関係あるのだろうか?「牛乳配達DIARY」も読んでみようと思う。