怪奇探偵総集編(1)
推理小説作家の芦辺拓、有栖川有栖の両名が『このミステリーがスゴい!!2013年版』(宝島社)で紹介し、絶賛している幻の傑作探偵マンガ。実験部に所属する女子中学生の名探偵、写楽炎(シャラクホムラ)が、助手の空手くん(山崎陽介)とコンビを組んで毎回怪奇な事件を見事に解決していく。発端は怪奇な事件ではあるが、謎が解ければ実は整合性のとれた事件ばかり。トリックの解明も見事で、本格探偵マンガとしても出色の出来。この巻ではシリーズ第1作の「一つ目ピエロ」、第2作「血吸い村」、第3作「踊る亡者」を収録する。江戸川乱歩の少年探偵シリーズが好きならば、気に入っていただけるだろう。作者の根本尚は秋田書店の『ミステリー・ボニータ』でも「恐怖博士の研究室」を連載中。●「一つ目ピエロ」(100ページ)。数学の春日井先生が一つ目ピエロに殺された。春日井先生の残したダイイングメッセージと密室消失の謎を写楽炎は解くことができるか。そして驚愕の結末は。写楽炎、最初の事件。●「血吸い村」(104ページ)。隠れキリシタンの村で吸血鬼を名乗る怪人が次々と殺人を犯す。そして写楽炎の目の前で展開される拷問部屋での殺人。炎はアリバイを崩せるか。ダイイングメッセージの謎とは。●「踊る亡者」(36ページ)。自殺の名所の断崖に現れたエビス面の男。男はためらう自殺未遂者を叩き落とした。正体を突き止めた炎も海へ落とされる。そこで炎が見た恐るべき光景とは。
怪奇探偵総集編(2)
怪奇探偵総集編(3)
推理小説作家の芦辺拓、有栖川有栖の両名が『このミステリーがスゴい!!2013年版』(宝島社)で紹介し、絶賛している幻の傑作探偵マンガシリーズの第3弾。この巻では第7作「蛇人間」、第8作「歪んだ顔」、第9作「骸絵」を収録する。特にこの巻は名作揃い。●「蛇人間」全身、鱗におおわれ、裂けた口からは毒牙が伸びている蛇人間が現われるところから事件が起きる。蛇が取り憑いた一族、それを「蛇筋」や「蛇持ち」と呼ぶ。蛇神を祀る才川家は不動産屋に土地を売却しようとしていたのだ。怪奇趣味に溢れ、「ミステリ作家を切歯扼腕させた快トリック」(岸辺)、「こういうミステリって、実は新本格以降も作例が少ない」(有栖川)の名作。●「歪んだ顔」部室にいた写楽炎と空手くんの前に歪んだ顔の男が現われる。歪んだ顔の男の狙いは殺人犯に対する復讐だと思われていた。意外な犯人と皮肉な結末に余韻が残る。●「骸絵」20年前、画家の生血多賢が逮捕された。墓地から少女の死体を盗み出し、腐って白骨化するまでの姿を描き続けたからだ。20年後、骸絵師と名乗る人物が現われ、生血多賢の描いた骸絵を奪いに来ると予告してくる。その阻止を依頼された写楽炎が骸絵消失のトリックを解明していく。

怪奇探偵シリーズ

かいきたんていしりーず
著者:根本尚
最新刊:
2014/10/24
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