あらすじ犯罪を犯し刑期を終えた元受刑者を地方都市へ移住させる政府の極秘プロジェクトの試行都市となった魚深(うおぶか)市。そんな中、魚深市では、奇祭「のろろ祭り」が始まろうとしていた。元受刑者たちも参加するその祭りを前に不穏な空気が流れ始め、何があっても誰も責任が取れない状況に、市長の不安は募る……。山上たつひこ氏が過去の「のろろ祭り」にまつわる物語を描いた書き下ろし小説「浜辺」も収録!
元受刑者11人の社会復帰の支援と地域復興を目的として、高齢化と人口減少が進んだ町が受け入れを決めましたが、このことを知っているのは市長と旧知の友人の計3人だけという極秘プロジェクトだったのです…! 1巻に収録されてる山上たつひこ先生といがらしみきお先生の対談で、山上先生のおっしゃった「元受刑者と市民の生理、皮膚感覚とのせめぎ合い」についての部分と、いがらし先生がより興味を持たれた「幸福のDNAと不幸のDNAの話」の両方が作品を読み解く上での大事なポイントになってると思いました。 元受刑者も中々の凶悪犯揃いなのですが、最後に教育委員長が起こした事件はびっくりしましたね。善良な人だと思ってたから尚更ドン引きしました。でも炎上したトラックが海に落ちたのを目撃したイジメられっ子が「生きてたらこんなすごいものが見られるんだ」と感動していたのには笑いました。