時は寛政、江戸も半ばを過ぎた頃、「備前蜂」の紋を掲げた岡山藩熊田家藩主・治隆(はるたか)は、家臣と人足たち数百人を引き連れて、参勤の旅に出た。行列には、治隆を疎んじる幕府老中・松平定信(まつだいら・さだのぶ)の密偵も紛れ込む。江戸までの道のりは、その距離以上に長く、波乱で満ちていた。
岡山藩熊田家藩主・治隆率いる行列は、摂津国郡山の宿「椿の本陣」に到着。家臣らの間で囁かれる、治隆御落胤疑惑の真実とは!?そして、雅な公卿のわがままに翻弄され苦悩する、和泉の運命やいかに!!
岡山藩熊田(くまだ)家藩主・治隆(はるたか)率いる行列の本隊と、明朝までに合流することを命じられた新米家老の和泉(いずみ)。深夜の峠越え、思わぬ人物との出会い――そんな一夜の経験は、本人の気づかぬうちに、和泉を成長させていた。一方、幕府の密命により治隆の身辺を探る九作(きゅうさく)は、思わぬことをきっかけに、身元を怪しまれることになり!?
知ってるつもりの“参勤交代”――こんなドラマがあったとは!!岡山藩熊田(くまだ)家藩主・治隆(はるたか)率いる行列は、岡崎の宿場にて、“やっかい事”に遭遇した。その顛末は、幕府老中・松平定信(まつだいら・さだのぶ)の耳にまで届いてしまう。“熊田嫌い”で有名な定信は、このトラブルをどう裁く!?一方、この旅を最後に、藩主を隠退するつもりの治隆。その心中を、未だ察せぬ和泉(いずみ)であったが――。
「思い描いていたラストシーンで、道中を終えることができました!!」――(オノ・ナツメ)これがほんとの大団円。参勤ドラマ、ついに完結!!岡山藩熊田家藩主・治隆(はるたか)率いる行列は、相模国を進む。治隆が隠退するつもりだと知り、動揺を隠せない和泉(いずみ)。治隆の人柄を知るにつれ、己の仕事に疑問を持つ九作(きゅうさく)。そして治隆自身にも、江戸を目前にした箱根峠の下りで大事件が!?
『つらつらわらじ ~備前熊田家参勤絵巻~』特別編「新米家老・日木元八郎」反骨の大名・治隆とこども家老・元八郎。最後の参勤の旅に出る二年前、ある雪の日の心温まるエピソード。