あらすじ
昭和17年…南太平洋では毎日のように激しい空海戦が行われていた。大空は血で染められ0戦は華々しい戦果をあげていた。生と死の境目の戦場で平和を願う少年パイロット東隼人(あずまはやと)は愛機・黒ワシ号で手柄をあげていた。そしてある日戦闘を終え基地に帰ると、軍の作戦司令で日本の厚木基地に帰れとの命令が下る…「敵機たくさん撃墜してるのになぜ!?」と、疑問を抱きながら日本に向かい厚木基地に着くと…各地の0戦隊の優秀なパイロット35名が集結していた! そしてこの35名を精鋭部隊にするべく鬼大尉こと宮本隊長により地獄のような特訓が始まるのであった…。隼人の0戦での活躍仲間との絆を描いた戦争ヒューマンドラマ作品!
「紫電改のタカ」をはじめ少年誌の創世記には太平洋戦争のいわゆる“撃墜王”ものが人気であり、本作『0戦はやと』もそのブームを築いた作品です。 嫌味で無能な上官、ニヒルな同基地のライバル、死神的存在の米軍エースパイロット(事情あり)このあたりはテンプレ、終盤は特攻も考慮に入れなければならないなど現実の日本軍同様に追い込まれていきます。 ライバル“一色”、米軍エース“キングサタン”の退場と終盤の物語の結末はかなり駆け足でまとめられています。 これは他の空戦ものと同様で世論の反戦の波に飲み込まれた形と言っていいでしょう。 主人公の死をもって物語は結末を迎えないため、まだ救いのある作品に感じることができるはずです。