主人公は桂小五郎。せつなさと力強さとコミカルさが同居したストーリー。何故、桂小五郎が維新の三傑の一人に値したのか、その意味が感じられる作品!
黒船へ行動を起こした吉田松陰(よしだ・しょういん)と土方歳三(ひじかた・としぞう)。しかし、それは失敗に終わり、松陰たちは牢獄に送られる。松陰のことで落ち込む桂小五郎(かつら・こごろう)を、力づけようとした千葉さな子(ちば・さなこ)だったが、桂から一喝されて喧嘩をしてしまう。そして、坂本龍馬(さかもと・りょうま)から慰められたさな子は、龍馬を愛するようになり……!?
土佐藩主催の撃剣大会に勝ち上がった桂小五郎(かつら・こごろう)と沖田総司(おきた・そうじ)、そして坂本龍馬(さかもと・りょうま)。千葉さな子(ちば・さなこ)のために本気で戦う桂は、この大会で優勝して侍になることを夢見る沖田を叩きのめして勝ち進む。そして決勝戦での桂と坂本の対決は、熾烈を極めた激闘となり……!?
姉小路(あねのこうじ)を殺した白頭巾の剣士を探す桂小五郎(かつら・こごろう)は、男達にからまれていた娘・松(まつ)を助ける。そして桂は、手料理で尽くす松を可愛く思うようになるが、松の正体が人気芸者・幾松(いくまつ)であると知って冷たくしてしまう。桂が女嫌いになった理由を知るために、松は沖田総司(おきた・そうじ)に会って……!?
愛する松(まつ)と結ばれた桂小五郎(かつら・こごろう)。しかし、無謀すぎる生野の変が起こり、長州藩の情勢は激化の一途をたどっていた。そして、直目付の職を断った桂は、京都で倒幕を目指す。一方、新撰組隊士を斬殺していく白頭巾の剣士が、沖田総司(おきた・そうじ)へと襲いかかる。沖田は白頭巾の正体を知って……!?
坂本龍馬(さかもと・りょうま)を愛するあまり、狂気に堕ちて白頭巾となった千葉さな子(ちば・さなこ)。さな子を愛せず、何もできずにいた龍馬は、偶然に沖田総司(おきた・そうじ)と出会う。そして、侍がなくなると宣言する龍馬に対して、刃を向ける沖田だったが……!?一方、さな子の謀略は桂小五郎(かつら・こごろう)を巻き込んで……!?
京都に火を放って人々を混乱におとしいれ、御所から帝をさらうという狂気の計画を立てた白頭巾の千葉さな子(ちば・さなこ)。桂小五郎(かつら・こごろう)からその計画を聞かされた松(まつ)は、沖田総司(おきた・そうじ)にさな子を斬ることを頼もうとする。そして松は、白頭巾の腹心となった吉田(よしだ)の所に行って……!?
千葉さな子(ちば・さなこ)の暴走を止めて、京都を炎上から救った桂小五郎(かつら・こごろう)と松(まつ)。しかし、池田屋事件によって桂は「逃げの小五郎」と呼ばれるようになり、長州藩は禁門の変で最悪の状況に陥ってしまう。そんな中、桂は無力感にとらわれていくが……!?桂と坂本龍馬(さかもと・りょうま)、幕末の動乱に翻弄される二人の運命とは!?激動のクライマックスを迎える完結巻!
つかこうへい氏(2010年7月永眠)に影響を受けた人はさぞやたくさんいることでしょう。この漫画の原案であるマキノノゾミもその一人。私、この漫画以前に舞台の「HAPPY MAN」を観劇したことがありまして、そのぶっ飛びっぷりに、「ああ、つかだな」と思ったものです。役者が男闘組の「DAYBREAK」を歌いながら客席からでてくるんだもんなあ(前田耕陽主役だし)。それはともかく、その舞台を下地にして石渡治が生みだしたのがこの漫画。幕末の英雄・桂小五郎を主人公に、激しくかつコミカルに動乱期を描いていくのですが、まあ史実否定派の私でもここまで脚色していいものかと言えるほどの改変っぷり。吉田松陰は女性、それに恋する土方歳三、髭の生えた竜馬にドエロな千葉さな子。極めつけは京都守護職・松平容保で裏の顔は劇作家のつかこうべいときたもんだ。明らかなでたらめで、大好きですこれ。でも決しておちゃらけではなく、そんな彼らが、誰もがハッピーに生きられる世を作るために奔走する異説幕末譚。最後が切ないですが、こんなアナザー・ストーリーもあっていいんじゃないでしょうか。
つかこうへい氏(2010年7月永眠)に影響を受けた人はさぞやたくさんいることでしょう。この漫画の原案であるマキノノゾミもその一人。私、この漫画以前に舞台の「HAPPY MAN」を観劇したことがありまして、そのぶっ飛びっぷりに、「ああ、つかだな」と思ったものです。役者が男闘組の「DAYBREAK」を歌いながら客席からでてくるんだもんなあ(前田耕陽主役だし)。それはともかく、その舞台を下地にして石渡治が生みだしたのがこの漫画。幕末の英雄・桂小五郎を主人公に、激しくかつコミカルに動乱期を描いていくのですが、まあ史実否定派の私でもここまで脚色していいものかと言えるほどの改変っぷり。吉田松陰は女性、それに恋する土方歳三、髭の生えた竜馬にドエロな千葉さな子。極めつけは京都守護職・松平容保で裏の顔は劇作家のつかこうべいときたもんだ。明らかなでたらめで、大好きですこれ。でも決しておちゃらけではなく、そんな彼らが、誰もがハッピーに生きられる世を作るために奔走する異説幕末譚。最後が切ないですが、こんなアナザー・ストーリーもあっていいんじゃないでしょうか。