あらすじ仁さんに命じられた一級技能試験を前に猛特訓中のミツは、疲労困憊から道端で行き倒れてしまう。偶然人の良い夫婦に拾われ、そのままソファーで熟睡したものの、起きたらもはや朝!お礼もそこそこに職場へ出ると、この日も仁さんの厳しい指導が…。そして仕事後、ちゃんとお礼をしようとミツが昨夜の夫婦を訪れると…。同じような場所で同じような仕事を同じような人と、日常の中で僕らは大きな目標を持ったり、小さな補修を繰り返す。その本当の大きさを知らずに…。少年・ミツの物語、第4集。
どこか懐かしさを感じさせるタイトルだなあと、読み始める前は思ったりもしました。読み始めて、岩岡先生の優しさと激しさを感じました。 柔らかなタッチで描かれる登場人物は、皆自分の職務に誇りを持ち、日々を懸命に生きています(それは劇中で影を下ろす人物でさえも)。 この作品は、全うに生きること、仕事というのは誰かと繋がっていること、社会にいる人間は決して一人ではないということを教えてくれます。 SFとしても、人間賛歌としても素晴らしい。未読の方は是非読んで欲しい作品の一つです。