あらすじ

仁さんに命じられた一級技能試験を前に猛特訓中のミツは、疲労困憊から道端で行き倒れてしまう。偶然人の良い夫婦に拾われ、そのままソファーで熟睡したものの、起きたらもはや朝!お礼もそこそこに職場へ出ると、この日も仁さんの厳しい指導が…。そして仕事後、ちゃんとお礼をしようとミツが昨夜の夫婦を訪れると…。同じような場所で同じような仕事を同じような人と、日常の中で僕らは大きな目標を持ったり、小さな補修を繰り返す。その本当の大きさを知らずに…。少年・ミツの物語、第4集。
土星マンション 1巻

中学卒業を迎えた少年・ミツは、地球の35,000メートル上空で周囲をめぐる、上層・中層・下層からなる巨大な建造物・リングシステムで産まれ育った。卒業と同時に亡き父と同じ職業「リングシステムの窓を拭く仕事」に就いたミツは、父の死に対する疑念を抱きながら、超ベテランのパートナー・仁とコンビを組むことに…。

土星マンション 2巻

真の代理で、とある家の窓拭きをすることになったミツと仁さん。その家に住む依頼主は、人前に姿を見せず、パソコン画面を使ってコミュニケーションをとろうとする不思議な人物だった。ある日、ミツは依頼主から思わぬお茶の招待をうけ、仕事後に訪れるが、インターホンに出た老婦人から「呼んだ覚えはない」と言わてしまい…。地上35,000メートルの成長譚、第2集。

土星マンション(3)

上層の依頼主から招待を受け、仕事後に訪れたミツ。だが、彼を待っていたカノコという若い女性依頼主は、いきなりここで一緒に暮らさないか、と持ち掛けてきた。あまりに唐突な話に驚いたミツは思わずその場から逃げるが、翌日もカノコから家に呼ばれ…。再び逃げ出そうとするミツだったが、そんな彼を見たカノコの口から意外な言葉が…。夢には上層も下層もない。でも僕らの世界には、上層と下層がある。下層に住み、上層の窓を拭く僕は、一体何を夢見ているんだろう?地上と父への想いを抱く少年・ミツの物語、第3集。

土星マンション(4)

仁さんに命じられた一級技能試験を前に猛特訓中のミツは、疲労困憊から道端で行き倒れてしまう。偶然人の良い夫婦に拾われ、そのままソファーで熟睡したものの、起きたらもはや朝!お礼もそこそこに職場へ出ると、この日も仁さんの厳しい指導が…。そして仕事後、ちゃんとお礼をしようとミツが昨夜の夫婦を訪れると…。同じような場所で同じような仕事を同じような人と、日常の中で僕らは大きな目標を持ったり、小さな補修を繰り返す。その本当の大きさを知らずに…。少年・ミツの物語、第4集。

土星マンション(5)

市場へ買い出しに来ていた春子さんと偶然会ったミツは、いっしょに「おいしいたまご」を探すことに。たまご好きなタマチにありかを教えてもらおうと家へ出向くと、そこには玉緒さんというタマチのおばあちゃんが!すぐに打ち解けた面々は、自然と亡くなったミツの父と玉緒の主人の話題になり…。仁さんの欠勤から思わぬ形で現場責任者となったミツ。初めてのことに奮い立つも、そのことを快く思わない同僚が少なからず存在して…?少年・ミツの物語、第5集。

土星マンション(6)

地上へ――願いは、眼下の景色へと広がる。ニシマルという研究者に突き動かされ、ソウタの想いを込めた計画は、ついに始動する。地上への下降機、搭乗者にはミツ。それは遠い夢のようなものだった。一方、そのソウタとタマチが務める工場では、小さな危険が数多くあった。点検業務に携わるタマチは所長に訴えかけるのだが、逆に点検データを改ざんされる憂き目に遇う。絶望すら感じるタマチに、祖母はいつでも優しい眼差しを向けている。その想いに後押しされ、タマチは自分の道を、今一度振り返り、そして…?

土星マンション(7)

下層の発電所で起きた火災――それに乗じて動き出した“計画”は、最後、どこへたどり着くのか。地球を眺めて育つ少年・ミツの物語――完結。