あらすじ

柳生新陰流三世となった兵庫助は加藤清正の随身の懇望を受け、肥後の国・隈本へと向かった。途中、海賊の襲撃を退け、隈本に到着した兵庫助は、清正からの侍大将の地位と実高三千石という破格の待遇を受ける。新参者の兵庫助をよく思わない家臣達の陰言の中、兵庫助は一揆征伐の命を受け、出陣する。柳生の庄を発ち、新たなる地へ!!戦場においては槍一筋、刀一腰さえあれば何もいらぬ。ただ先へ先へと心掛けるのが功名を勝ち取る何よりの薬…。
柳生兵庫助 1巻

柳生新陰流史上、最強の男――開祖・石舟斎の孫で、幼少の頃よりの厳しい稽古と類い希なる天賦の才で、将来を嘱望されていた柳生の麒麟児・兵介(後の兵庫助)。厳しい剣の道を歩み始めた兵助が十二歳のとき、京都に道場を構える願流の遣い手・根岸矢柄が柳生新陰流に挑戦状を叩きつけてきた。その挑戦を受けるべく、京へ上った兵助たち一行だが、そこには、凄絶なる死闘が待ち構えていた。はるかなる技の高みを目指し、果てしない求道の道を歩む――それが柳生の家に生まれし者の運命!!

柳生兵庫助 2巻

剣の真奥を求道し続ける小兵法の道を歩む祖父・石舟斎と、権謀術策に生きる大兵法の道を歩む叔父・宗矩。その生き方の違いを、幼き兵助は理解できずにいた。そんな状況の中、青年へと成長した兵助のもとに、兄・久三郎の死の報が舞い込む。しかし、その死はあまりにもあっけないものであった。その哀しき現実に、剣の道に生きる意味を失い、呆然とした日々を送る兵助の前に一人の女性が現れた…。

柳生兵庫助 3巻

柳生新陰流三世となった兵庫助は加藤清正の随身の懇望を受け、肥後の国・隈本へと向かった。途中、海賊の襲撃を退け、隈本に到着した兵庫助は、清正からの侍大将の地位と実高三千石という破格の待遇を受ける。新参者の兵庫助をよく思わない家臣達の陰言の中、兵庫助は一揆征伐の命を受け、出陣する。柳生の庄を発ち、新たなる地へ!!戦場においては槍一筋、刀一腰さえあれば何もいらぬ。ただ先へ先へと心掛けるのが功名を勝ち取る何よりの薬…。

柳生兵庫助 4巻

様々な人々との出会いが、兵庫助の剣技を新たな高みへと導く――。己の未熟さを痛感した兵庫助は、侍大将の地位を返上し、加藤家を去った。伊賀忍者の木猿と千代を連れ、廻国修行の旅に出た兵庫助は、小倉へと赴き、祖父・石舟斎の兄弟子にあたる疋田豊五郎のもとを訪れる。そこで、兵庫助を待っていたものは新陰流三世となって初めての敗北であった。真の先を取る仕掛けに誤りはなかった。なのに何故負けたのか…何が悪くて打ち込まれたのか…。

柳生兵庫助 5巻

富田流小太刀の技を知るために加賀に入った兵庫助。しかし、加賀藩の重臣たちの中には兵庫助を幕府の間者と疑うも者が多数いた。その中心人物で、老職に就く長十郎左衛門はついに配下の忍び・軒猿に兵庫助暗殺の指令を下す。身の危険を感じ、加賀よりの脱出を試みる兵庫助一行を、軒猿達の執拗な追跡が迫る。迫り来る軒猿の恐怖――山を棲家とし、山を知り尽くした恐るべき暗殺集団・軒猿が兵庫助の命を狙う!!

柳生兵庫助 6巻

修験者・棒庵のもとで薙刀の修練を積んでいた兵庫助に、柳生領で凶事が起こったとの報せが届く。柳生館へ急ぎ舞い戻った兵庫助は、祖父・石舟斎から事件には柳生家が非情な手を使って攻め滅ぼした戒重家の者が絡んでいると聞かされる。兵庫助は自家によって滅亡してしまった戒重家の人々を思い、同情し、涙するが、因果の連鎖を断ち切るべく決意し、刀を抜く。柳生家に攻め滅ぼされた戒重家の遺児が、恨みを晴らさんと兵庫助の前に立ちはだかる!!

柳生兵庫助 7巻

徳川家康の九男・義直の兵法指南役となった兵庫助は尾張名古屋の地で充足の日々を過ごす。愛妻・千代との今生の別れ、武蔵との再会・対決、様々な事柄をこの地で経た兵庫助は、さらなる高みを目指し、京・妙心寺に赴いて最後の修練に身を投ずる!!静寂極まれる空の境地に達せし時、生ありて生なし。それは心身を痛めて研鑽してきた者のみがわかる極限の世界だった――。柳生新陰流の祖「柳生石舟斎」を描破した特別読切も収録。至高の剣豪巨編、ここに完結す!!