あらすじ対岸の光を目指して偽物の海を泳いでいたタキガワが辿り着いたのは、自身が女子高生「キリコ」として生きる世界だった――。ツキコによってキリコとしての人生を完璧に作り上げられた偽物空間で単独調査を続けるタキガワだったが、やがてツネフサやハラダすらも女子高生として生きる姿を目の当たりにして徐々に混乱をきたし始めて……。はたしてこの世界は、一人の少女が創り上げた妄想なのか、それともタキガワ中尉が生きる現実なのか、その真実とは――!? 最凶で最高の女子高生SF戦記、堂々完結!!
「女子攻兵」に乗り込むパイロットは段々と自我が女子高生のそれに侵食されてくる(俗っぽく言うとSAN値が削られる…みたいな)設定があるので、幻覚やフラッシュバックなど、元々サイケデリックな表現が特徴の作品ではあるのだが、それでも7巻はちょっとすごい。 終盤、作中を貫く狂気の根源に迫る、エヴァンゲリオンで言うところのネルフ最深部みたいなところにいよいよ乗り込む展開がアツいのだが、7巻に入った途端一気にようすが変わる。 セカイ系ということばが浸透して随分経つような気もするが、やっぱり本作みたいに舞台装置そのものを揺らしながら描くような作品ってすごいと思ってしまった。