あらすじ大小中(だいしょうあたる)の替え玉・矢沢勘次が町長となり、ダム建設問題は中止に向けて動き出したが…かいの建設が進める埋蔵金発掘、時を同じくして出没し始めた人食い熊、山中で目撃された死んだはずの大小中、さらに町周辺で密かに起こる山の陥没…次々と襲う驚愕の事態に混乱深まるなにが町!加速する町の危機にはたして桃肢は――!?
タイトルからしてミスリード、ってことなんでしょうか? またこの表紙絵の意味深なこと。何やら低俗な想像をしてしまいますが、実はこの作品、錬りに練られたまっとうなサスペンスなんですね。発端はダム建設中止を掲げた町長候補の事故死。その隠ぺい工作の裏に隠された謎、そして遺された未亡人・桃肢にまとわりつく不穏な視線、やがて明らかになる田舎町の実態、というのがドラマの核になります。海外ドラマの「ツインピークス」や「LOST」を思い浮かべてくれればわかりやすいのではないでしょうか。クマも出てきますしね。じゃあこれらのドラマのように、けっこう頭を悩ますか?というとそんなことはなし。絵柄はまるっこく、キャラの動きがよくわかり読みやすい。そうだったのかという満足感と、続きが気になるという飢餓感のバランスも絶妙。さらに桃肢の危機一髪の寸止め具合がハンパじゃなく…。とにかく一読してみてください。ハラハラドキドキ、桃肢の貞操…ではなくて、ドラマの行方が気になって仕方がなくなるはずです。