労働系女子マンガ論! 第8回 『東京ラブストーリー』柴門ふみ 〜「カンチ、セックスしよ!」の向こう側にあるもの (後編) | タバブックスタバブックスこうして、二人の関係は新たな局面に突入します。当然のことながら、リカの仕事/東京との向き合い方にも変化が生じます。公領域では「東京で働く」ために引き続きカンチが必要だったでしょうし、私領域では「東京で生きていく」ためにカンチが必要になってゆく……カンチというフィルターを通してしか、リカは東京と関われなくなっていきます。
労働系女子マンガ論! 第7回 『東京ラブストーリー』柴門ふみ 〜「カンチ、セックスしよ!」の向こう側にあるもの(前編) | タバブックスタバブックス『東京ラブストーリー』と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、なんといっても「カンチ、セックスしよう!」というセリフですよね。ドラマの内容は知らなくても、このセリフだけは知っているという人も多いのではないでしょうか。 カンチこと永尾完治(織田裕二)と赤名リカ(鈴木保奈美)の恋愛を描いたドラマ『東京ラブストーリー』は、フジテレビ「月9」枠のいわゆる「トレンディドラマ」として、1991年1月から3月まで放映されていました。このドラマ観たさにさっさと帰宅する女性が続出したので、月曜の夜は「東京の街からOLが消える」と言われたりもしました。最近のテレビドラマではTBS『半沢直樹』が大ヒットして、日曜の夜はみんなテレビに釘付けだったようですが、こちらは幅広い世代をターゲットにして最高視聴率42.2%。対する『東京ラブストーリー』は若い女性をターゲットにして最高視聴率32.3%……こうしてくらべてみると、『東京ラブストーリー』がいかに凄いドラマだったかが分かると思います。
あらすじ想像とは違う東京の生活に失望を覚えていたカンチは、高校の同級生である三上と会う。そこで2人の女と出会い、いいムードに。カンチは一方の女をホテルに連れてはいるが、女は泥酔していて手がつけられない。先に出ようとフロントに行くと、同僚の赤名リカに偶然出くわす…。東京では誰もがラブストーリーの主人公になれる。恋愛の達人・柴門ふみが、男女4人の姿を通して描く都会の恋のカタチ!!続きを読む