あらすじ

リカとの関係を清算しないまま、さとみへの思いが募るカンチ。そんなカンチに三上は、「いま好きな女につき進めばいい」と助言する。カンチの帰りをアパートで待つさとみは、帰宅したカンチに自身の思いを告げる。そして、カンチとさとみは結ばれ、愛を育み始める。そんなとき、会社を辞め、アメリカに行っていたリカが日本に帰ってくる。
東京ラブストーリー 1巻

想像とは違う東京の生活に失望を覚えていたカンチは、高校の同級生である三上と会う。そこで2人の女と出会い、いいムードに。カンチは一方の女をホテルに連れてはいるが、女は泥酔していて手がつけられない。先に出ようとフロントに行くと、同僚の赤名リカに偶然出くわす…。東京では誰もがラブストーリーの主人公になれる。恋愛の達人・柴門ふみが、男女4人の姿を通して描く都会の恋のカタチ!!

東京ラブストーリー(2)

カンチはリカとついに男女の関係になってしまう。しかし、リカのアッケラカンとした様子にカンチはとまどいを隠せない。そんなカンチの元に、同棲を始めた三上と関口から連名で転居通知が届く。そして、感情のおもむくままに行動するリカをカンチは非難する。分かり合えない苛立たしさに、リカはアパートを飛び出す。

東京ラブストーリー(3)

長崎に誘われたレストランで、長崎の婚約者を紹介された三上。帰宅した三上に嫌悪感を抱いたさとみは、買い物と偽って家を出る。そして、1か月の間というもの、三上の家を飛び出たままのさとみ。カンチの仲裁で、彼女は三上と話し合いを持つことに。彼への愛は尽きないものの、さとみは三上に別れを告げる。

東京ラブストーリー(4)

リカとの関係を清算しないまま、さとみへの思いが募るカンチ。そんなカンチに三上は、「いま好きな女につき進めばいい」と助言する。カンチの帰りをアパートで待つさとみは、帰宅したカンチに自身の思いを告げる。そして、カンチとさとみは結ばれ、愛を育み始める。そんなとき、会社を辞め、アメリカに行っていたリカが日本に帰ってくる。

東京ラブストーリー

バブル後期の日本の恋愛観や仕事観そして人生観

東京ラブストーリー 柴門ふみ
hysysk
hysysk

ドラマが1991年だから自分は当時小学校4年生くらいか。当然原作を読んでる訳はなく、ドラマを観る習慣もなかったのだけど、あの当時としては衝撃的なセリフ「セックスしよ!」をクラスのお調子者がふざけて真似していたり、物真似やパロディや懐かしのドラマを振り返る的な番組で見かけたりして、断片的な知識だけはあった。 するとなんとこの4月から現代版としてリメイクしたドラマが始まるとのこと!これって今の10代からしたらおじいちゃんとかおばあちゃんの世代(30年前の20代)の話でもおかしくない訳だよね? https://www.fujitv.co.jp/tokyolovestory/ 柴門ふみが「スタバもユニクロも無かった時代」って言ってるのがうけた(ださくて質が低いとされてたけどユニクロはあったよ!)。 ぜひリメイクドラマと91年版ドラマと原作を比較して楽しみたいのだけど、始まる前の期待としては、赤名リカは今の時代にすごく合ったキャラクターとして描き直せるんじゃないかな、ということ。あとがきによれば「作品の成功はリカが受け入れられるかどうかにかかっていた」とのことで、当時としては賭けだったようだけど、今ならむしろ普通の感覚として受け入れられるような気がしている。帰国子女の外資系バリキャリみたいな人も増えたはずだし。 くっついたり離れたりすれ違ったりまた戻ったり辛気くせえ〜と思うのと、ところどころ現代(2020年)の感覚と合わずに「うわっ」となるところはある。けれどもあの時代にしては新しい(自分の親はほぼ柴門ふみと同世代だけどこんなにリベラルじゃない)考え方や生き方を肯定しているし、新旧の価値観のぶつかり合いに、まさに今リアリティを持って考えたい問題が見えてくる。この作品が生まれた時代(恋愛至上主義的な価値観)含めて乗り越えられるべき名作だと思う。