あらすじ

季節は巡っても、この想いは変わらないと信じていたい。待ち続けてきた陸生と少しずつ変わろうとするシナ子。二人の関係が変化していく。一方、晴は雨宮からのアピールに戸惑いながら、陸生との距離をつかめずにいて…。
イエスタデイをうたって(1)

大学卒業後、コンビニでバイトをする魚住。そんな彼の前に、ある日カラスを連れた少女・ハルが現れた…。「49%後ろ向きで、51%前向きで…」へそ曲がりだけれども正直な彼らの心は、舞い落ちる桜のようにゆらゆら揺れて…。

イエスタデイをうたって(2)

季節は初夏。なのに、ハルはワケありの浮かぬ顔。そして、そんなハルの変化に対し、魚住は気付きつつも気付かないフリを…。誰もが無関心を装い、決して心も温めあわない。けれども、そこには凛とした居心地のいい空気が漂って…。

イエスタデイをうたって(3)

秋、フリーターの魚住に吹く世間の風も冷たい季節。学祭に燃える少年達に刺激をうけてか、魚住の心にも変化の兆しが現れた…。平凡な毎日に少しの不満を抱えて過ごす若者達。けれどその日々は、何か変化を求める一日の連続なのである…。

イエスタデイをうたって(4)

夏から秋。そして冬へと季節が移り変わるように、魚住・ハル・シナ子の間にも微妙な変化が訪れようとしていた。魚住とハル、それぞれが再会という形で、それが恋へと…!?いつもと同じ毎日、と思われた中に新たな転機がやってくる…!?

イエスタデイをうたって(5)

陸生と晴、そしてシナ子。親しい間柄ではあるけれど、それが恋なのか友情なのか、確かめたいと思えば思うほど真実は見えなくなっていく…。そんな彼らに新たな選択を迫るような事態が訪れる。進むのか、退くかの、それとも…。

イエスタデイをうたって(6)

写真スタジオで正社員として働くことになった陸生。忙しくなる仕事とともに、恋愛方面のアタマはいっぱいいっぱい…。一方、晴やシナ子の周りには、恋する男子たちが現れて、何やら波乱の予感が?

イエスタデイをうたって(7)

季節は巡っても、この想いは変わらないと信じていたい。待ち続けてきた陸生と少しずつ変わろうとするシナ子。二人の関係が変化していく。一方、晴は雨宮からのアピールに戸惑いながら、陸生との距離をつかめずにいて…。

イエスタデイをうたって(8)

陸生がシナ子と付き合っていることを知った晴は、祝福したい気持ちと、陸生への想いの狭間に揺れる。そんな彼女との距離を近づけていく雨宮。そしてシナ子と陸生の関係を未だ知らない浪は、美大でモデルと知り合って…。

イエスタデイをうたって(9)

自分を好きでいてくれる雨宮に、うまく応えられない晴。陸生への想いにその心は揺れる。一方のシナ子は、陸生とつき合っていることを浪に知られてしまう。浪に怒りをぶつけられ、壊れてしまった関係の重さに気づくシナ子は…。

イエスタデイをうたって(10)

浪との関係が変化していくことに、動揺を隠せないシナ子。晴も陸生への想いと、雨宮からの気持ちに上手く折り合いをつけられずにいた。そんな中、みもりの言葉が晴の胸につき刺さる。すれ違うそれぞれの想いの行方は…。

イエスタデイをうたって(11)

誰にも行先を告げずにいなくなり、未だ戻らない晴の存在が大きくなる陸生。シナ子も浪がイタリアに行くことを知り、心は揺れる…。遠回りして辿り着いたそれぞれの選択とは…。長きに渡る若者達の恋ここに、完結―――。

イエスタデイをうたって

全てのキャラが独り言で会話するラブコメディ

イエスタデイをうたって 冬目景
TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫

デッサン風で統一された絵柄や 情感たっぷりのようでどこか乾いた 雰囲気作りは見事としか 言いようがありません。 ここまで自分の世界観を貫いて作品を 描いている漫画家も 珍しいのではないでしょうか? 連載後期になると羽海野チカや浅野にいお などの後輩漫画家の影響をダイレクトに 受けながらも自分の世界に咀嚼してから 出している辺りも素晴らしいと思います。 そして、なんといっても鬱々とした 若者の描写ですね。 ほとんど全てのキャラが若い自分では どうしようもできない問題を抱えていて、 それを消化できないまま他人と接するので、会話が一方通行を通り越してほぼ独り言に なっています。 しかし、そこが素晴らしい! 普通は会話として成立するようにセリフを 整理するのですが、あえてそれをやらない ことで青い時期を過ごすキャラたちを 描写しています。 そこに共感できてしまう人は この作品にとことんハマってしまう と思います。 あと、この作品を批判するコメントで よく見るのが「恋愛模様が進展しない」 というものです。 しかし、そんなことは当たり前です! どのキャラも自分のことで精一杯で 他人に構っている暇なんてないんですから。 それでも、好きな人と付き合いたいという 欲望は抑えられない。 そんな時期の若者を見事に描き切った 傑作だと思います。