あらすじ

キララの主役の座が揺らぐ!?キララの前にもう一人の伊右衛門・中条達彦が現れる。二人は、前代未聞の二人一役で主役の座を奪い合う。夢野は、様式美をみせる中条と、感情のままに暴走するキララを使い分け、リアルな伊右衛門を作りあげていく。岩を殺すシーンでは、中条伊右衛門からは憎悪といらだち、キララ伊右衛門からは愛情を撮る。
アクター 1巻

無名の大衆演劇の女形から、超大作映画『ジーザス・クライスト』の主役への大抜擢を受けたキララ。彼の常識破りの演技は、ヘタながらも心の芯をゆさぶり注目の的となっていく。一方、ニューヨークで修行をしたスターの中条達彦は、主役を下ろされ脇役にまわされる。中条は、プライドと実力にかけて、キララを認めることができない。アクターたちの熱き火花が散り、輝きがスクリーンを彩る!!

アクター 2巻

役の魂が役者に乗り移るのか!?キララの感情がキリストになっていく。キララの演技は、冷静な計算とテクニックで演ずる中条と正反対だった。ヘタながら、未知のエネルギーがキララをつき動かし、リアルな存在をつくりだしていく。ところが、ある時キララの様子がおかしいのに気付いたノベプロの冴子社長たち。キララが変わった原因は、恋…!?

アクター 3巻

ノベプロダクション祝賀会の壇上で、社長への愛を告白したキララ。業界は騒然となり、週刊誌は二人を祭り上げる。一方、ヒートアップする『ジーザス・クライスト』の撮影現場。キララと中条はお互いをライバル視しつつ高めあっていく。演技か、私怨か?キリストとユダの愛憎と、キララと中条の愛憎が交錯し、中条は演技中にキララの顔を斬りつけた!

アクター(4)

ついに完成した『ジーザス・クライスト』。シナリオでは2時間だった作品が、4時間35分を越える超大作となった。この長さでは、上映できない。角丸は実相寺に切れと迫り、試写を見ていた黒岩プロは、見込まれていた興行収入の50億で『ジーザス・クライスト』を買いたいと宣言!そして、そのスター性を確信した黒岩プロはキララ獲得に乗り出す。

アクター(5)

キララが、軍隊式で無骨な黒岩軍団に移籍した。しかも、ヤクザの情婦と噂のある女優、岡村由起とのスキャンダルを派手にリーク!怒った由起のバック・関東K会が乗り込んで来たが、キララは役者生命をかけた一世一代の芝居をしかけ、事無きを得た。一方、夢野万作は、キララと、清純派アイドル・菊地英子で、愛欲ドロドロの「四谷怪談」を撮ろうと…!?

アクター(6)

「四谷怪談」の撮影は清純派アイドル・英子にその中身を隠したまま開始された。素直で純情な英子に魔性のお梅、妖しく成熟した大女優・岩上志保に慈愛を持つお岩。女性への激情をトラウマとして持つキララに、極悪非道で女性に冷徹な伊右衛門。役者のプライドと愛憎が絡み合い、お互いに触発され、キララが、英子が、志保が、変わっていく!

アクター(7)

撮影が進むうち、英子のキララへの恋心は高まっていった。志保は自らキララとの濡れ場を申し出て、英子に見せつける。そして、ついに夢野はついにキララと英子の濡れ場シーンの台本を二人に手渡す。覚悟を決め、撮影に臨んだ英子だったが、セットの屋形船を約20社50人の取材陣のカメラが狙っていた!そして、最高の観客、志保も現れて…!?

アクター(8)

お梅になりきっていく英子だったが、妻のお岩を毒殺してまで、伊右衛門を奪い取る心境までは行きつかない。そんな英子の甘さを、恋敵でもある志保はするどくついてくる。イジメともとれる演技指導に、英子は必死でついていくが、貧欲な女の愛は表現できない。伊右衛門に抱かれるシーンで、恥じらいと戸惑いを捨てきれない英子だったが…!?

アクター(9)

伊右衛門とお岩が抱き合う。それを見つめるお梅。キララに恋する英子は、2人から目を離すことができない。志保のエネルギーが圧倒するか、英子の負けん気が耐えるか、この勝負は、どちらの『四谷怪談』か、を決定する女優対決でもあった。そして、キララの前にもう1人の伊右衛門・中条達彦が現れる。「二人一役」で、出来のいい方を使う事に…!?

アクター(10)

キララの主役の座が揺らぐ!?キララの前にもう一人の伊右衛門・中条達彦が現れる。二人は、前代未聞の二人一役で主役の座を奪い合う。夢野は、様式美をみせる中条と、感情のままに暴走するキララを使い分け、リアルな伊右衛門を作りあげていく。岩を殺すシーンでは、中条伊右衛門からは憎悪といらだち、キララ伊右衛門からは愛情を撮る。

アクター(11)

英子はお岩を殺すシーンが終了してから、伊右衛門の心の中に自分がいなくなっていると感じていた。お梅の初夜のシーン、英子が求められるのは、新妻の恥じらいと愛しさ、成熟しかけた女の美しさであった。キララに恋心を抱く英子だったが、初夜の相手役に指名したのは中条だった。夢野は英子が中条に惚れていないからこそ、いいと言うが…!?

アクター(12)

演技か、本気か、役者達の発する火花が熱く散り、映画のラストを飾る炎上シーンは壮絶な地獄絵をみせる。惚れた男を死んでも渡さぬ覚悟のお梅・英子。怨霊となって現れ、伊右衛門を取り込もうとするお岩・岩上。一人の男をめぐる女の激情は、3人もろとも地獄へ行こうとするキララ・伊右衛門によって、さらに紅蓮の恋の炎を燃え上がらせた。

アクター(13)

ついに公開となった映画「お梅の恋」は、X指定にもかかわらず大ヒットとなった。過去の興行成績を塗り替え、爆発的な動員を続け、女性達はキララに魅了された。ところが、肝心のキララが原因不明の心身症に陥ってしまう。その頃、海の向こうで、パメラ後藤が世界に通用する日本映画を撮ろうとしていた。主役はキララしかいないと見込んで…。

アクター(14)

ハリウッドの奇才、パメラ後藤が撮る「獣人キララ」は、キララを容赦なく精神的に追いつめていった。キララは、母親に対する殺意と愛情を、共演女優でもあるパメラに投影する。狂気を全身から発散させていくキララと、それをあおり続けるパメラ。2人の関係は演技の域を超えて、危険なものになっていく。役者・キララの本質に鋭く迫る、感動の完結編!!