あらすじ女の子になりたい男の子・二鳥修一と、男の子になりたい女の子・高槻よしの。よしのの男装に触発された修一は、女装で登校してみたものの、周囲は大騒ぎに。一時は登校拒否になってしまうが、現在はなんとか保健室登校中。でも、髪の毛を伸ばした修一は、ますます女の子っぽくなっていき…。夏から秋へと、文化祭の準備が進む中、思春期を彷徨う少年と少女たちの不安定な心情を、鮮やかに、細やかに描く待望の第10巻!!
ビーム連載当時に友達からすすめられて読み始めて、志村貴子先生のファンになったきっかけの作品です。 トランスジェンダーを扱った長編作のなかでも名作に入ると思う。 この可愛らしい表紙からはあまり想像できないほど、パートによっては読むのが辛くなるような部分もありました。それでも登場人物たちは年齢を重ねながら、色んな人と出会い、各々で視野を広げていくうちに「こっちが心配しなくてももう大丈夫だな」といった感じで手元から離れてくような感覚にもなりました。 ここからは細かい個人的な好みの話ですけど、主人公にとりんの姉・まほちゃんの彼氏の瀬谷くんがほんとイイです。まほちゃんが弟にはちょっときつく当たりがちで気が強いのに対し、瀬谷くんのイケメンなのに控えめで押しが弱い感じがたまらないんです。とにかく性格がいい。 もうひとりは千葉さん。千葉さんはたぶん放浪息子読者のなかでもかなり人気が高いキャラクターのはず。可愛くて強くてでも不器用で、そして可愛い。 もしこれから読むという方は瀬谷くんと千葉さんに注目してみてほしい。