あらすじ女の子になりたい男の子・二鳥修一と、男の子になりたい女の子・高槻よしの。文化祭での「ぼくは、おんなのこ」上演から数ヵ月。中学3年生になった修一は、体の変化に戸惑いを隠せない。その一方で、よしのは、進路指導を受けているうちに、担任の兼田先生が気になったりして……思春期を彷徨う少年と少女たちの不安定な心情を、鮮やかに、細やかに描く志村貴子の話題作、待望の第11巻!
ビーム連載当時に友達からすすめられて読み始めて、志村貴子先生のファンになったきっかけの作品です。 トランスジェンダーを扱った長編作のなかでも名作に入ると思う。 この可愛らしい表紙からはあまり想像できないほど、パートによっては読むのが辛くなるような部分もありました。それでも登場人物たちは年齢を重ねながら、色んな人と出会い、各々で視野を広げていくうちに「こっちが心配しなくてももう大丈夫だな」といった感じで手元から離れてくような感覚にもなりました。 ここからは細かい個人的な好みの話ですけど、主人公にとりんの姉・まほちゃんの彼氏の瀬谷くんがほんとイイです。まほちゃんが弟にはちょっときつく当たりがちで気が強いのに対し、瀬谷くんのイケメンなのに控えめで押しが弱い感じがたまらないんです。とにかく性格がいい。 もうひとりは千葉さん。千葉さんはたぶん放浪息子読者のなかでもかなり人気が高いキャラクターのはず。可愛くて強くてでも不器用で、そして可愛い。 もしこれから読むという方は瀬谷くんと千葉さんに注目してみてほしい。