あらすじ女の子になりたい男の子・二鳥修一と、男の子になりたい女の子・高槻よしの。行く先は分かれたものの、無事、高校に進学した一同。修一は女装姿で喫茶店のアルバイトを始め、千葉さおりは二宮文弥とつきあうことに。その一方、やりたいことが見つからずに、悩むよしの。そんなある日、小学校の同級生の友人に女装を気づかれ、質問責めにあう修一が出会ったのは、幼い少女を連れた、女装姿の“大人の男性”でした……。思春期を彷徨う少年と少女たちを鮮やかに描く志村貴子の話題作、心揺れる第13巻!
ビーム連載当時に友達からすすめられて読み始めて、志村貴子先生のファンになったきっかけの作品です。 トランスジェンダーを扱った長編作のなかでも名作に入ると思う。 この可愛らしい表紙からはあまり想像できないほど、パートによっては読むのが辛くなるような部分もありました。それでも登場人物たちは年齢を重ねながら、色んな人と出会い、各々で視野を広げていくうちに「こっちが心配しなくてももう大丈夫だな」といった感じで手元から離れてくような感覚にもなりました。 ここからは細かい個人的な好みの話ですけど、主人公にとりんの姉・まほちゃんの彼氏の瀬谷くんがほんとイイです。まほちゃんが弟にはちょっときつく当たりがちで気が強いのに対し、瀬谷くんのイケメンなのに控えめで押しが弱い感じがたまらないんです。とにかく性格がいい。 もうひとりは千葉さん。千葉さんはたぶん放浪息子読者のなかでもかなり人気が高いキャラクターのはず。可愛くて強くてでも不器用で、そして可愛い。 もしこれから読むという方は瀬谷くんと千葉さんに注目してみてほしい。