この物語は、とあるクール、いや、クーレストな高校生・坂本の学園生活を綴ったものである――。入学早々、クラスの、いや学校中の注目を集める一人の生徒がいた。その名は坂本(さかもと)。彼にかかれば、ただの反復横跳びは、秘技「レペティションサイドステップ」へと変貌し、上級生からの「パシリ」は、「おもてなし」へとクラスチェンジする。そんな彼のクールな一挙手一投足から、目が離せない。漫画誌ハルタで熱い注目を浴びる人気連載がついに単行本化!端整な絵柄で本物の笑いを生み出す新鋭・佐野菜見のデビュー作。肩パッドを巡る熱いほとばしりを描く読切「肩幅ひろし」を特別収録!
「『坂本ですが?』知ってる?」と聞かれ、コミック表紙に見覚えがあったので「知ってる」と答えました。 読んでみたら、まったく知りませんでした。申し訳ありません。 未読でも印象に残る坂本くん。 美麗な絵柄でギャグ漫画、しかも一話ものとは思いませんでした。 あらゆることをスマートにこなしていく。 度を超えた真っ当な行いに、ワルすら結果的に味方についてしまう。 いわば主人公強強系のお話なのですが、坂本くんをそんな小さな枠に納めたくありません。 女の子は黄色い声援を発し、ワルすら魅了する。 あらすじにあるとおり、たしかに「クールでなくクーレスト」な存在です。 中二病を発症していたときに読めば、坂本くんの言動に憧れを抱いて真似をしていたでしょう。 言葉で聞くより、読んだほうが確実に伝わる何かがある漫画です。