あらすじ

学生の光子(みつこ)と花火大会に行った山田朝顔(やまだ・あさがお)は、そこにいた少女・あゆが母親から虐待されているのを発見する。両親に捨てられて施設で育った光子は、虐待する母親は死ねばいいと冷たく言い放つ。朝顔はそんな光子に対して、虐待だけを見て母親を否定するべきではないと一喝する。そして、あゆと話をした朝顔は、母親の哀しい過去を知り……!?
監察医朝顔(1)
山田朝顔は興雲大学医学部法医学教室助教授にして、警察からの嘱託で司法解剖を行う監察医を兼務している。刑事をしている父・万平からの連絡が入り、朝顔は河原で上がった溺死体を司法解剖する。その結果、遺体の胃の中から15mmくらいの小さな発泡ウレタンが見つかった。自殺、他殺、事故……さまざまな可能性があるなか、外傷はなく着衣の乱れもないことから、警察は遺体を自殺とみなす。しかし朝顔は、被害者の胃のなかから見つかった発砲ウレタンと、遺体にすがりついた男の態度を不審に思う。誰もが迎える死の瞬間(とき)。その最期のメッセージに込められた真実とは?遺体と向き合う壮絶な現場で奮闘する一人の女性監察医が今、花開く――!!
監察医朝顔(2)
夜釣に来ていたところを、アイスピックで首を刺されて死んだと思われる遺体が見つかった。どこにも凶器が見つからず、そのうえ遺体に残された刺創(刺し傷)痕からは凶器の特定を行うことができない。アイスピックとも、キリとも異なっていたのだ。朝顔は凶器について調べ始めるが……。死者の魂は眠らない!!遺体が語る真実とは!?そして生と死の間にあるものとは何か?女性監察医・山田朝顔が解き明かす!感動の法医学ミステリー第2弾!!
監察医朝顔(3)
無言の遺体などない、そこに朝顔がいる限り!!死者のメッセージを聞き、その声を伝える監察医・山田朝顔が、今日も生と死の間に立ち事件の謎を解く!!朝顔の初恋エピソードが明かされる「理想の夫婦」、鴨井に紐を括り縊死(いし)した遺体に納得できない伊東純平のために司法解剖を行う「解剖不要」「晴れない心」、インターネットを使った自殺幇助(ほうじょ)を取り上げた「死の商人」など10編を収録。鮮烈の法医学ミステリー第3弾!
監察医朝顔(4)
ドッヂボールの練習中に倒れ、そのまま帰らぬ人となった12歳の少女をめぐり、遺された親の心情を描いた「誕生日のケーキ」「最後の願い」、初恋の人・浅井三郎からガンだったときの告知を頼まれる「医師の勘」「検査結果」、ピアノ線で絞殺された被害者から思わぬ人間関係が発覚する「ジョーカー」など10編を収録。さまざまな人間の生死と向きあう監察医・山田朝顔の魂の軌跡。死と対峙する仕事から見えてくる生のかたちとは?鮮烈なる法医学ミステリー第4弾!!
監察医朝顔(5)
死者と向かいあう仕事。それは人間の全体、その人生に対峙することである。消し忘れた七輪が原因で一酸化炭素中毒に陥り、亡くなった黒江恭平の遺体が興雲大学に運ばれてきた。奇妙なのは同じ部屋で寝ていたもう一人の男・藤山と、黒江の飼っていた猫が助かったことだ。一方、その頃、朝顔の元を法医学に興味はないものの、司法解剖を見学させてほしいという学生・安岡光子が訪ねていた。司法解剖をめぐって人間の尊厳を描いた「課題の返答」、美人検事・石田希子(いしだきこ)との出会いを描いた「刑事訴訟法」など10編を収録。監察医・山田朝顔が直面する事件の数々……魂を震わせる、圧倒的な法医学ヒューマン・ミステリー第5弾!
監察医朝顔(6)
公園のベンチで死亡していた老人の司法解剖をした山田朝顔(やまだ・あさがお)。死因は心筋梗塞で事件性はなかったが、不明だった老人の身元が胃に残されたカエルの肉片によって判明に結びつく。しかし、身元確認に来た老人の娘は、父がカエル料理を食べるとは思えないと、その行動に疑問を持っていた。そこで朝顔は、老人に交際していた女性がいたのでは?と考えて……!?
監察医朝顔(7)
コインロッカーで発見された赤ん坊の死体を司法解剖した山田朝顔(やまだ・あさがお)。そこで、赤ん坊は死産ではなく、生まれてすぐ母親に殺されたことが判明する。死んだ赤ん坊のために犯人を懸命に探そうとする伊東(いとう)に対して、「赤ちゃんポスト」の話をした朝顔は、その是非をめぐり意見が対立するのだが……!?
監察医朝顔(8)
マンションの部屋で急死した若者・伊勢(いせ)を司法解剖した山田朝顔(やまだ・あさがお)。死因はアナフィラキシーショックだとわかり、彼が食べていた鯖寿司が原因だと思われたが、伊勢と対立していた斎藤(さいとう)がマンション屋上でミツバチを飼育していたと知った朝顔は、伊勢の頭からミツバチの針を見つけ出す。これは斎藤による殺人なのか?そして、斎藤の元へ向かった朝顔は……!?
監察医朝顔(9)
親友の加護香織(かご・かおり)が、自分の初恋の人であり幼なじみの浅井三郎(あさい・さぶろう)に告白したと知った山田朝顔(やまだ・あさがお)。その後、朝顔は三郎に呼び出されて、彼の気持ちを聞くが何も言えず、香織と付き合う事にした三郎にさよならを告げる。そして、複雑な思いを抱える朝顔のもとに、トウモロコシ畑で発見された刺殺体が運び込まれて……!?
監察医朝顔(10)
「チョコレートスキップ」と唱えて眠ると、その晩、夢に出てくる異性は自分の結ばれるべき伴侶だという。そこで、幼なじみの浅井三郎(あさい・さぶろう)と刑事の桑原(くわばら)が出てくる夢を見た山田朝顔(やまだ・あさがお)は、思わず動揺してしまう。一方、朝顔の教え子・高橋(たかはし)は、久しぶりに見た夢によって名古屋へヒッチハイクを……!?
監察医朝顔(11)
刑事・桑原(くわばら)の妻である君子(きみこ)が、暴力団員の犬井(いぬい)によって惨殺された。彼女の友人であった山田朝顔(やまだ・あさがお)が、その遺体の解剖を依頼されるのだが、父親の万平(まんぺい)は朝顔には無理だと判断する。しかし、その解剖の担当になった茶子(ちゃこ)先生に自分の気持ちを話して、君子の解剖を許された朝顔は、いざメスを入れようとすると手の震えが止まらなくなって……!?
監察医朝顔(12)
車に轢かれそうになった老女・八重子(やえこ)と遭遇した山田朝顔(やまだ・あさがお)は、八重子がその時に言った「アタシの体は自分だけのものじゃない」という言葉が気になっていく。そして、茶子(ちゃこ)先生に会いに来た八重子の娘・はるみから、母親の様子がおかしいと相談された朝顔は、八重子はもしかしたら白菊会ではないかと考えて……!?
監察医朝顔(13)
受験勉強に励む小学生・愁太は、旅行へ行く両親を快く送り出して、激しい腹痛を我慢しながら独りで留守番をすることに。一方、山田朝顔(やまだ・あさがお)とその父・万平(まんぺい)は、妻を亡くした刑事・桑原(くわばら)を元気づけようと酒盛りを始める。そんな時、急死した愁太の解剖依頼が入った朝顔は、桑原とともに大学へ行くと、息子の死は自分のせいだと思いこんだ父親が姿を消してしまい……!?
監察医朝顔(14)
学生の光子(みつこ)と花火大会に行った山田朝顔(やまだ・あさがお)は、そこにいた少女・あゆが母親から虐待されているのを発見する。両親に捨てられて施設で育った光子は、虐待する母親は死ねばいいと冷たく言い放つ。朝顔はそんな光子に対して、虐待だけを見て母親を否定するべきではないと一喝する。そして、あゆと話をした朝顔は、母親の哀しい過去を知り……!?
監察医朝顔(15)
仁王像のある山門の屋根裏で発見されたミイラ化した男性・島津(しまつ)の変死体。その解剖をした山田朝顔(やまだ・あさがお)だったが、遺体が乾燥・萎縮していることで死因が不詳で、自殺なのか病死なのかもわからずにいた。そこで、島津の財布から居酒屋のレシートを見つけた万平(まんぺい)は、その店で島津と一緒に飲んでいた友人から話を聞く。そして、万平は島津の死は天罰だと言い出して……!?
監察医朝顔(16)
幼なじみの三郎(さぶろう)と友人の香織(かおり)が結婚することになり、彼らを祝福しながらも気持ちが揺れ動く山田朝顔(やまだ・あさがお)。その翌日、公園のベンチで発見された身元不明の遺体を解剖依頼された朝顔は、喧嘩かモノ盗りなどで頭部を鈍器で殴られたのではないかという報告を聞くが、遺体の足にメスラー骨折を見つけて……!?
監察医朝顔(17)
高橋(たかはし)の友人は、肋骨を骨折して入院している高齢の患者・菅井田(すがいだ)が骨折の原因をごまかしたり、菅井田の同居している息子が見舞いで豪華な果物カゴを持ってきたことなどから、高齢者虐待を疑って山田朝顔(やまだ・あさがお)に相談する。そこで朝顔は、菅井田と直接話して骨折の本当の原因を聞き出そうとするが……!?
監察医朝顔(18)
松江へ講演会に行った山田朝顔(やまだ・あさがお)は、琴が浜で「人が殺されるのは悲しいから…」と話す不思議な女性と遭遇した夢を見る。その翌日、東京に戻って身元不明の遺体を解剖することになった朝顔は、不思議な女性の言葉が気になり、屋上から飛び降りて自殺したと思われるその遺体に他殺の可能性を見出そうとするのだが……!?
監察医朝顔(19)
メッタ刺しで惨殺された身元不明の遺体を解剖した山田朝顔(やまだ・あさがお)は、その遺体の傷跡から二つの凶器が使われた事にたどりつく。一つはナイフのような刃物、もう一つは傘の先のようなものだと推定した朝顔は、傘の先では致命傷にはならないのにそれによる傷跡が多いのを気にする。そしてその遺体が過去に幼女を強姦殺害した芦野(あしの)だと判明したのだが…。
監察医朝顔(20)
「私はあなたが好きです」――。ついに桑原へ気持ちを告白した山田朝顔(やまだ・あさがお)。その後、携帯電話が鳴って検視の仕事が入ってしまった朝顔に、桑原は現場には行かないが近くまで車で送ると申し出る。その申し出は、現場の警察官に二人で行くのを見られるのがイヤなのだと受け止めた朝顔は、それが桑原の返事だということにして……!?
監察医朝顔(21)
朝顔の監察医としての原点の地・神戸で、桑原と「家族」になることを万平に誓った朝顔。万平の気遣いにより、二人きりで神戸の夜を過ごした翌日、ゆっくり観光をする間もなく仕事の依頼が。布団がかかった状態で発見された遺体は、上半身と下半身で腐敗の状態が違っていて……!?つじつまの合わない状況下、朝顔たちは真実を突き止めることができるのか!?
監察医朝顔(22)
新居ではなく桑原の家で新婚生活を始めた二人。それは、これからの幸せのために桑原の前妻・君子を意識するという、朝顔の大きな決断だった。それでも毎日手作りのお弁当を用意する新婚気分の朝顔の元に、嫌な話を聞いて嫌な気持ちになってほしいと、不審な男が声をかけてきて……。男の真意は!?
監察医朝顔(23)
桑原の前妻・君子が殺されてから2年。捜査の状況を聞かせてもらうために会う約束をしていた、当時の上司・大門が署で倒れたと連絡があった。病院にかけつけた桑原と朝顔は、大門がドナーカードを持っていると聞かされる。大門の死により、命について再度考えさせられた二人だったが、捜査の状況を聞いた万平に、君子を殺害した犬井に朝顔が狙われる可能性を指摘され……。
監察医朝顔(24)
新婚の幸せをかみしめている朝顔の元に運ばれてきたのは、まだ産まれて間もない乳児。心ない親に虐待を受けて殺されてしまったのだった。さらに、新聞には別の虐待の事件記事が……。増え続ける児童虐待に朝顔たちは心を痛めていて……。
監察医朝顔(25)
朝顔に近づいてきた謎の男。それは桑原の前妻・君子を殺した犬井という男だった!!銃を突きつけられ、二人の住むマンションへ連れていくよう脅された朝顔だったが、桑原は友人宅へ出かけていて……。絶体絶命の朝顔の運命は……!?
監察医朝顔(26)
桑原と殺人犯・犬井の事件直後、自分に新しい命が宿っていることに気付いた朝顔。喜びの報告をしようと家に帰ったものの、父・万平の反応は思わしくない。冷静になって考えろと諭され落ち込む朝顔だったが、話を聞いた茶子先生に産婦人科へと連れて行かれて……!?
監察医朝顔(27)
日々大きくなる新しい命に支えられ、朝顔は仕事を続けていた。ある日運ばれてきたのは、畑の道で頭を打ちつけられて発見された男の子。その原因を皆で探るも、男の子のことを思う朝顔は、ふざけた発言をする丸屋に腹を立てていた。そんな中、子供を殺したのは自分かもしれないと、父親が連絡してきて……!?
監察医朝顔(28)
出産を間近に控えた朝顔は、子供を産むことに不安を感じながらも、それ以上の喜びを感じ日々を過ごしていた。事件のことで態度のおかしい部下を励まそうと飲みに出かけた万平も、ひとり娘の出産に思うところがある様子。そこへ、朝顔から産まれそうだと連絡が入って……!?みんなの優しさに包まれて、ついに朝顔もママに!!
監察医朝顔(29)
無事、娘・つぐみを出産した朝顔。疲れていても我が子の笑顔で元気100%!!家に戻り新しい生活を始めるも、つぐみに上手くおっぱいをあげることができずにいた。病院に通うもなかなか成果が現れない様子に、朝顔は不安を隠しきれずにいて……。
監察医朝顔(30)
娘・つぐみも幼稚園へ通う年に。毎日元気に通うつぐみと、変わらずご遺体と向き合っている朝顔は、充実した日々を過ごしていた。しかし、ある夜突然万平が体調不良を訴え救急車で病院へ!!脳卒中の可能性が高いと考えた朝顔はすぐに病院へと急ぐが――!?法医学ヒューマンミステリー、感動のフィナーレ!!
お嬢しませう!

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何でオレが超、超、大金持ちオヤジの娘婿探しに付き合わされる羽目に!? しかし、大事なバァさんきっての願いとありゃあ、断るわけにはいかないぜ! 波乱万丈・荒唐無稽のスペクタクル活劇!! 表題他、短編作品2本収録。
ヂャンギリぽんぽん

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時は明治。文明開化の足音高く、見るもの聞くものみな珍しい、新しさにあふれていた時代。陸蒸気、瓦斯等、あいすくりん……明開新聞の若き記者、原之進と友樹は新風俗の取材にかけまわる。二人の活躍をとおして変わりゆく時代をノスタルジックに描く、明治木村座公演“開花ブンヤ物語”、ここに開幕!
銭形平次 捕物控

銭形平次 捕物控

大人気!ミステリー時代劇を完全劇画化!!銭形平次 捕物控 漫画時代劇で好評連載中の「銭形平次 捕物控」の第1~7話までを収録。神田明神下の長屋に住む岡っ引・平次親分が江戸の町で起こる難事件に挑む! 第一話 金色の処女第二話 七人の花嫁第三話 振袖源太第四話 たぬき囃子第五話 八五郎の恋人第六話 十手の道第七話 平次女難
試し読み
ワケあって、真鶴で民泊はじめました

ワケあって、真鶴で民泊はじめました

ワケあって会社を辞め、35歳で民泊をはじめた国松小唄(くにまつ・こうた)が主人公。物語の舞台となるのは、人口約7,000人の神奈川県真鶴町だ。自然あふれる“何もない”町に、“何かある”お客さんがやって来る。国松と宿泊客との何気ないやりとりから、毎回ちょっとした奇跡が起きる。『監察医 朝顔』『前科者』などの話題作を手掛ける原作者・香川まさひとが、今を生きる人に贈る“読むセラピー”。ちょっとビターなリアルライフストーリーを、今作でデビューとなる漫画家・あいにゃーが描く。「この漫画で小さな旅を味わって下さい。細道を迷って、でも最後には穏やかな海が見えます」(香川まさひと)
過去になんかできない!!!

過去になんかできない!!!

戦争を生きた人間の苦悩を紡ぐ本格漫画。昭和最大の痛みと言えば、なんといっても第二次大戦であろう。南方で極限を味わった男たち、731部隊、憲兵に指をもがれてしまった脚本家。自分の病気と闘い戦争に行けなかった男の苦しみ。そして、ヒロシマ・ナガサキ… 等々7つの究極のドラマを掲載します。終戦記念日にぜひ読んでいただき作品です。
逃亡花

逃亡花

愛する夫と共につつましいながらも幸せな日々を送っていた若妻・咲子。だがある日、夫が何者かに殺される!この日から咲子は運命の奔流に巻き込まれることとなった…!!ゴールデン・コンビが熱描する、衝撃のサスペンス・ロマン!!
島根の弁護士

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新米弁護士・水穂の依頼人は、本心をひた隠す常習窃盗犯―小泉八雲に憧れて、島根県松江市に着任した新人弁護士・山崎水穂。初仕事の相手は、67歳で前科17犯、穏やかな笑顔の持ち主・大塚孝輔だった。情状酌量の道を探る水穂だが、頑なに隠された、その本心は見通せない。彼を常習窃盗犯に駆り立てた原因は…!?熱き情熱を傾ける水穂の挑戦が、今始まる!!
ごくつま刑事

ごくつま刑事

とある繁華街にかまえる高級クラブの看板ママ、京極さくらは、美人で巨乳で気風がよいと評判の人気者。でも、彼女には秘密があった。極道の妻で、おまけに隠密捜査を行う“刑事”──!!正義と任侠つらぬくため、今日もさくらは走る……!!
すばらしきかな人生-まさみ-

すばらしきかな人生-まさみ-

顔のない人の群れが歩いていく。自分の顔をはっきり持った女性に猛烈に会いたい。「まさみ」は日本のどこにでもいるごく普通のありふれた女。しかし「まさみ」は自分の顔をはっきりと持った女。この物語は現代日本に生きる女たちの生き様を綴った読み切り連載形式のヒューマンドラマである。第1集には、ハンセン病にかかっていた女性の、周囲の偏見に屈せず生きる様を描いた「侍とお人形」。3.11で愛息を失った女性の苦悩を取り上げた「お前の海」、不治の病を抱える少女とNPO法人のボランティアとのやりとりの中で命の重さを考える「小さな旅」ほか9編を収録。
ましろ日

ましろ日

「加瀬ひかり(27)。安芸信用金庫・広島支店、営業。」「田所順平(16)。高校2年。部活、合唱部。」「若山正太郎(16)。中卒。職業、病院清掃。」同じ町に住む3人は、いまだお互いを知らない。だが、彼らには共通点がある。そして、やがて彼らは出合うだろう。ひとつの言葉の下に、ひとつのつながりの下に、そして、ひとつの覚悟の下に――。現代の広島を舞台に、苦難を抱える人々の絶望と奮闘、希望を描く 骨太ヒューマンドラマが、いま始まる。