あらすじ

自殺志願の女子高生・杉野奈美が、ある日、同級生から耳にした「護り屋」の噂。彼女はイタズラ心から「護り屋」を嘘の依頼で呼び出し、知人の男たちに襲わせるが、あっさりと雁人に一蹴されてしまう。そのとき雁人に手首の切り傷を見られた彼女は、自殺未遂を繰り返して関心をひこうとする女に見られたのではと苛立ち、今度こそ死んでやると山奥に出かける。
闇のイージス 1巻

「イージスの楯」、それはギリシャ神話の女神・アテナが持っていた楯のことだ。勇者ペルセウスが退治した魔女・メドゥーサの首が埋め込まれていて、いかなる敵の攻撃も阻んだという最強の楯である。その楯の名で呼ばれている、闇の世界に生きる男・楯雁人。金さえ払えば犯罪者をも護衛するという、フリーランスのボディーガードだ。全ての攻撃を阻む鋼鉄の右手で、彼は今日も依頼者の命と心を護る!!

闇のイージス 2巻

真島忠男という男から仕事の依頼を受けた雁人。理由は明かさず、明朝8時までに倉境市まで自分を護衛し、送り届けろという。真島は、企業専門のテログループ「クラン」の爆弾制作を一手に引き受けていた、爆弾製造者だ。だが、最近両者の関係が悪化し、真島は殺しを愉しむという冷徹なヒットマン・蛇紋(シェウエン)から命を狙わているらしい。

闇のイージス 3巻

雁人のもとに、かつての同僚で現在は警察庁警務課首席監察官の甲斐がやって来た。彼が担当するのは、警察組織内の犯罪の捜査。最近、警視庁の押収品保管庫から、拳銃、重火器、薬物などが大量に消えているという。警察内部に「天使」と呼ばれる得体の知れない犯罪グループが存在し、押収品を横流ししているのだ。事件解決のため、極秘の特捜本部が設けられたのだが…。

闇のイージス 4巻

ある雨の日。雁人と甲斐は、今は廃墟となったかつての病院で出会っていた。そこで2人は「1年に1度の儀式」として、互いの頭に銃を向けあう。この儀式は、一体何を意味するものなのか…。同じ頃、雁人を狙うヒットマンが病院跡地へ向かっていた。彼らは「クラッカーズ」と呼ばれる、軍人上がりの3人組。プロの殺人集団を相手に、雁人は!?

闇のイージス 5巻

新宿副都心の高層ビルの中にひっそりとあるバー「鷹の巣」。裏社会への窓口でもあるこの店へ、御厨亨という少年が訪ねてきた。彼は店のバーテンダーである七瀬に、銃を売ってほしいと頼む。自分の姉を殺した犯人に復讐するためだ。3年前、竜崎哲夫という35歳の医師が、14人の女性を連続で殺すという事件があった。亨の姉はその時の被害者だという。

闇のイージス(6)

雁人はイタリアのシチリア島を訪れていた。「アイギス」と呼ばれる、コーザ・ノストラの伝説的なボディーガードを捜すためだ。雁人はどんな敵からも組織のドンたちを護りぬいた凄腕のアイギスに、復讐のための力を借りようとしたのだった。だが、あるレストランの店主で、コーザ・ノストラに詳しいルッソ・アルラッキによるとアイギスはもう何年も前に死んだという。

闇のイージス(7)

「竜門幇(ドラゴンゲート)」は、古くから日本に根を張る中国系暗殺組織。その結束力は黒社会でも随一とされる。その当主で、殺し屋でもある劉伊健(リウ・イーキン)が、再び雁人の前に現れた。かつて「ネメシス事件」の時に雁人と対決した彼だが、今回は野々宮亜紀という女性を護ってほしいと仕事を依頼しに来たのだ。伊健は彼女に好意を寄せていて…。

闇のイージス(8)

警察内部に存在するカルト犯罪組織「天使」が再び動き出した!天使のメンバーと目され、内偵対象にあった警官5人が相次いで「天使狩り」に遭い、殺害されたのだ。やがて、この事件に「ビースト」と呼ばれる謎の男が関与していることが判明した。甲斐率いる本庁の公安「魔女狩り部隊」が、そして来島ちひろを助手に迎えた雁人が、事件を追って動き出す。

闇のイージス(9)

人気連載を終えたばかりの少女漫画家・飛鳥ひとみ。彼女はファンサイトとは異なる、自分の公式ホームページがあることを担当者から教えられた。だが、彼女自身はそんなホームページを作った覚えは全くない。けれども、実際にアクセスしてみると、飛鳥ひとみ公式ホームページ「WelcometoAsukaHouse」は確かに存在していて…。

闇のイージス(10)

間宮里佳子という大富豪の女性から、娘を3日間護衛してほしいという依頼を受けた雁人。彼女のもとに「令嬢に死を与える使者を送る」という脅迫状が届いたのだ。だが、里佳子のいう娘とは人形のことだった。その人形は骨董美術品としての価値が高いものだったが、雁人は妙な違和感を覚える。その夜、間宮の屋敷に齢七十を超えてなお現役の殺し屋・野村がやって来て…。

闇のイージス(11)

ボウリング場の跡地で、外国人の犯罪組織のメンバーが大量に殺された。そして、その現場をたまたま目撃してしまった高校生・原口香保が、何者かに狙われることに。香保の証言によると、現場には「背中に傾いた十字架のような傷を持った男」がいたという。陽子は香保を護るため、雁人に護衛を依頼。自身も「背中に十字の傷を持つ男」とは因縁がある雁人は、この依頼を引き受ける。

闇のイージス(12)

ある組織の依頼で、アナ・リドルを誘拐した国際指名手配中のテロリスト「蝶=バタフライ」。そこに娘の面影を見た彼女は、組織にアナを渡さず、雪の降りしきる山小屋に立てこもった。雁人はアナを救い出すため単身山小屋に向かうが、組織もまたそこに迫っていた。「蝶」はアナを雁人に託し、自らをおとりにするべく山を下りるのだった。

闇のイージス(13)

「天使」に導かれて、精神障害から覚醒した暗殺のプロ・野坂亜紀。殺人鬼と化してしまった亜紀と、樹海の中で対峙した雁人。だが、雁人に斬りかかる亜紀の脳裏には、雁人の助手でもある姉・ちひろとの思い出が蘇っていた。雁人はそんな亜紀の内面の変化に気が付き、その行動を見守ることにするのだった…。

闇のイージス(14)

雁人が妻子を失った病院跡地に弔いの花束をささげている最中、謎の人物から「音響銃」という特殊武器で襲われた!義手を奪われ、古いフェリーの船中で目覚めた雁人が船内を探索していると、スピーカーから憎き「蝶」を彷彿させる口笛が聞こえてきた。「蝶」の影が近づき、ついに雁人の中で復讐鬼が覚醒するのか!?

闇のイージス(15)

今回の依頼人は、極左ゲリラ組織のリーダー・水原真紀。約束場所の新宿御苑で待つ雁人の前に、マスコミを連れた首相がジョギングで通りかかる。何かを察知して付近のビルに上がった雁人が見たものは、ジョギングコースに向けられたライフルの照準…。国家の要人の命をいつでも狙えるというデモンストレーションを見せつけた後、ようやく水原が姿を現した。

闇のイージス(16)

海ほたるを完全占拠した「蝶」が、雁人の前に姿を現した!煮えたぎる復讐心に我を忘れた雁人は、正面から「蝶」に攻撃をかける。だが、その刹那、「蝶」の部下が放った対装甲車用の特殊ライフル弾が、雁人の鋼鉄製の義手を打ち砕いて…。自分の中で抑えていた復讐鬼の顔と、不殺の護り屋の顔。2つの思いに揺さぶられた末に、雁人が出した答えとは!?

闇のイージス(17)

自殺志願の女子高生・杉野奈美が、ある日、同級生から耳にした「護り屋」の噂。彼女はイタズラ心から「護り屋」を嘘の依頼で呼び出し、知人の男たちに襲わせるが、あっさりと雁人に一蹴されてしまう。そのとき雁人に手首の切り傷を見られた彼女は、自殺未遂を繰り返して関心をひこうとする女に見られたのではと苛立ち、今度こそ死んでやると山奥に出かける。

闇のイージス(18)

ある暴力団の潜入捜査中に、会長の娘・加奈と恋仲になった町村刑事。だが、彼女と駆け落ちしようとしたところ、若頭・一彦の妨害に遇い、彼を誤ってひき殺してしまった。それから5年後、町村はある約束を果たすため仮出所中に逃亡し、雁人に護衛を依頼する。逃亡までして守ろうとした町村の約束とは!?

闇のイージス(19)

遺産がらみで命を狙われているという女性、レイチェル・天宮・ハンターの護衛を引き受けた雁人。さっそく彼女の滞在するホテルに向かうが、部屋はすでに荒らされた状態。さらにレイチェルが黒ずくめの男達に拘束されるしまうが、実はこれらは全て彼女自身が仕掛けた芝居だった!レイチェルの正体は米国屈指の警備会社「HSE」のCEOで…。

闇のイージス(20)

新宿区内で、「蝶」に感化された連続殺人犯・樋口宏明による新たな殺人事件が発生した。瀕死の被害者からの証言で、樋口の次なる目的地を銀座と断定した警察は現地に急行する。そのころ銀座には、入院している雁人の見舞い帰りのアナとちひろがショッピングに来ていたが、そのアナが一瞬の隙を突かれて樋口に誘拐されてしまう。

闇のイージス(21)

過去13週それも決まって木曜日に、ロシア兵を狙撃したという経歴から「木曜日の悪魔」との異名を持つスナイパー、アスラン・カディロフが、日本に入国後消息を絶った。報告を受けた警視庁は厳戒体制をとるが、渋谷の繁華街でアスランによる大量狙撃事件が発生!たまたま現場に居合わせ、惨状を目の当たりにした雁人は、その凶行を止めようと行動にでる。

闇のイージス(22)

マリーカを誘拐したスワロフを中心とするロシアの元・特殊部隊員が、「1時間後に有明の国際展示場で待つ」と伝えてきた。その連絡を聞いたチェチェン共和国のスナイパー・カディロフは、阻止しようとする雁人を振り切り現場へと向かう。そして、雁人もまたカディロフを追い、戦場にならんとしている国際展示場へと向かう…。

闇のイージス(23)

1989年夏。当時、警視庁警備部第3機動隊の巡査だった20歳の雁人は、優秀な行動力を有する反面、上下関係が絶対の組織になじめず浮いた立場にいた。そんな中、彼は機動隊の合宿所を訪ねてきた多摩署交通課巡査・甲斐晴美と出会うが、その直後、彼女は雁人の眼前で覆面の男たちに拉致されてしまい!?

闇のイージス(24)

捜査中に行方を絶った甲斐を探すため、雁人はアメリカ・ネバダ州にある「マーキュリー重犯罪刑務所」に単身潜入した。凶悪犯罪者ばかりを集めた「伏魔殿」と呼ばれる刑務所内で、頼るべき仲間も義手もない中、捜査を進めねばならない雁人。「アメリカ最低最悪」と呼ばれるこの場所で、果たして雁人は甲斐の手掛かりをつかむことができるのか!?

闇のイージス(25)

公開処刑の一件で雁人の存在を脅威に感じたブラガ所長は、ムライの助言もあって雁人を懲罰房に入れる命令を出す。そこで雁人を待っていたのは、冷酷な担当看守・コワルスキーだった。事実上の死刑を意味すると言われる懲罰房で行われる、恐ろしい拷問。地獄の責め苦によってボロボロになった雁人が偶然見つけた、壁に残された甲斐のメッセージとは!?

闇のイージス(26)

ネバダ州の刑務所に潜入した雁人がいまだ戻らぬ中、ちひろは「雁人を護れるもう1人の護り屋になりたい!」との決意を固め、アナを説得して、ある依頼を引き受ける。それは証券取引法違反の容疑がかかり、追っ手から逃れるため逃亡中の大手IT企業の若社長・畑野正彦の護衛だった…。鋼鉄のハードボイルドアクション、衝撃の完結巻!!