あらすじ

純子が妊娠していることを聞かされた軍馬は、純子と入籍するため日本に帰ることに。そして、箱根の走り屋のメッカで、フォーミュラーカーで練習に励む。その頃、タモツはジーザスから呼び出されレースに出るべきではないと言われる。
F(エフ)(1)

「なんぴとたりともオレの前を走らせねぇ」が口癖の赤木軍馬は、天才的なドライビング・テクニックを持つ高校生。しかし、無免許のため、今日も改造エンジンを積んだトラクターで田んぼの畦道を爆走するのだが…!?自分を追い越す車の存在を許さぬ男・赤木軍馬。波乱と興奮のフォーミュラ・カーレースに生きる男の青春を描く巨編!!

F(エフ)(2)

運転免許の試験に向かった軍馬。アパートの大家やタモツたちは赤飯を用意して軍馬の帰りを待つが、夕方になっても軍馬は帰ってこない。4時半をまわった頃ようやく帰ってくるが、髪は乱れ疲れ切った様子に、皆は落ちたものだとなぐさめるが…!?

F(エフ)(3)

いよいよ軍馬のデビュー戦が開始された。しかし、1周目のバックストレートで、いきなり軍馬のマシンが浮き上がり、そのままガードレールに激突!軍馬は無傷だったものの、マシンは破損しレース続行不可能となってしまった。

F(エフ)(4)

残り1周となった軍馬のデビュー2戦目。軍馬はトップの聖の次につけるが、レース前に高飛車な言動でレーサーから総スカンをくらっていたため、周回遅れのマシンに意地悪をされ、なかなか前に行くことができない。

F(エフ)(5)

筑波FJ1600選手権Bクラス第5戦。レース3戦目となる軍馬は、今までになく「マシンに乗れている」。邪心を振り払い、高い集中力で軍馬はレースに挑めているのだ。しかし、そんな軍馬を見て安心したタモツは、「オラがいなくても大丈夫」とつぶやくのだった。

F(エフ)(6)

聖が出場する全日本F3選手権第8戦を見学しに行った軍馬たち。聖はF3初挑戦にも関わらず、初めから4位と好位置をキープし、その後もどんどんと順位を上げる好走をみせる。F3の迫力を間近で感じた軍馬もまた、F3への思いを募らせる。

F(エフ)(7)

初のF3シリーズ選手権に向けて、鈴鹿サーキットに練習をしにきた軍馬たち。黒井や英二はマシンのポテンシャルを100パーセント引き出せとハッパをかけるが、軍馬はヘアピンやスプーンでスピンをしまくる。タモツがメカを担当する聖には絶対に負けられない英二は、「本気で走れ!」と怒り出すが…!?

F(エフ)(8)

F3シリーズ選手権第1戦も残りわずか1周。しかし、軍馬はいまだに聖を抜くことができない。そこで軍馬は、聖のマシンの後ろにピッタリと付き、聖の加速によって生まれる引力を利用して、一気に聖を抜き去る作戦をたてる。かくして作戦は見事成功するのだが…!?

F(エフ)(9)

黒井レーシングチーム事務室。五郎が撮った聖の鬼気迫る最後の写真に、軍馬たちは言葉を失う。聖の死後、軍馬はレース6連勝とぶっちぎりの速さを誇るが、本人はどこか上の空、目は死んだままだ。そんな軍馬を黒井とタモツは「いつ死んでもおかしくない状態」と心配するが…!?

F(エフ)(10)

マカオでコースを下見していた軍馬とタモツは事故を起こしてしまい、軍馬は全身骨折という大ケガをしてしまう。そして、軍馬の走るところを見たくて雄馬と父親・総一郎もマカオ入りしていた。しかし、軍馬のケガでチームはリタイヤすることになってしまい…!?

F(エフ)(11)

将馬に何もかも取り上げられてしまったユキは、軍馬に「結婚して」と迫る。しかし、純子のことを心底愛してしまった軍馬は返事ができない。そんな軍馬の心を察知したユキは「冗談よ、ちょっとからかってみただけ」とごまかすが…!?

F(エフ)(12)

ユキが赤木本社ビルから飛び降りて自殺した。将馬が病院の遺体安置室に駆けつけると、ユキの遺体の傍らに軍馬がひとりぽつんと座っていた。そして、ユキが軍馬のレースのために大金を使っていたことを知った将馬は、思いっきり軍馬に殴りかかる。

F(エフ)(13)

エレベーター内で将馬がユキを襲っている写真を藤野から渡された総一郎。選挙を前に、絶対にスキャンダルを出したくない総一郎は、将馬を叱りつける。しかし、これら一連の出来事を陰で操っているのは辰叔父であることを見抜いた総一郎は、渋々辰叔父を赤木グループ定例社長会に迎え入れることにする。

F(エフ)(14)

レコーディング終了後、元恋人でありプロデューサーのジョージと一夜を共にしたサコが帰ってきた。どこに泊まっていたのかとピーボーはしつこく追求するが、逆にサコに叱られてしまう。「大人の気持ちが分からない」と、ピーボーは純子に相談するが…!?

F(エフ)(15)

ファーストドライバーの地位をめぐって、軍馬とデヴィッドは、練習走行から闘志をむき出しにする。しかし、現在のファーストドライバーはデヴィッドなため、軍馬はチームの作戦に従えと怒られる。そんな折り、デヴィッドが純子をレイプしかける。

F(エフ)(16)

ヨーロッパF3000選手権第2戦を優勝で飾った軍馬は、ピーボーとサコのコンサート会場へ足を運ぶ。そこで軍馬たちが見たのは、げっそりとやせ細りステージ場で酒をあおる、変わり果てたサコの姿だった。驚き悲しむ軍馬たちは、サコを連れ戻す決心をする。

F(エフ)(17)

軍馬の負担にならないようにと、彼の前から姿を消したサコとピーボー。2人の住む家の周りを記者らしき男たちがうろつくようになる。一方、軍馬はサコたちの生活ぶりを気にしながらも、その気持ちを振り払うかのようにレースに没頭する毎日だった。

F(エフ)(18)

軍馬の足につけられたギブスが3か月ぶりにはずされる。しかし、彼の両足の筋肉はすっかりそげ落ち、まるで棒のようになってしまっていた。軍馬はまだ満足に歩くこともできない体をひきずってサコに会いに行くが、彼女の変わり果てた姿にショックを受ける。

F(エフ)(19)

辰叔父の陰謀によって殺されかけた笠井は、一命をとりとめたものの記憶をなくしてしまっていたそして、総一郎は辰叔父の陰謀によって代表取締役の退任を余儀なくされる。失望を隠せない彼だったが、選挙に残りの情熱を必死に注ごうとする。

F(エフ)(20)

久しぶりに軍馬の前に現われたピーボーは、すかっり変わってしまっていた。彼はレース中の軍馬の目に太陽の光を反射させて彼を潰そうとする。客席の中にピーボーを見つけた純子は、彼の部屋に話をしにいくが…!?

F(エフ)(21)

軍馬の部屋を訪ねてきたのは、父親の総一郎と側近の笠井だった。突然のことにとまどう軍馬は父親の真意がわからない。総一郎は、社会的に失脚した自分が本当にダメになってしまう前に軍馬に会っておきたかったのだ。彼は軍馬に「ワシを乗せて本気で運転してみろ」と挑発する。

F(エフ)(22)

音也は雄馬たちチームのスタッフの「ペースを落とせ」という忠告を無視して走り続ける。そして彼の頭の中は妄想にとりつかれてゆく。そのとき軍馬がふいにペースをあげた。しかし、音也はもはや自分の実力の限界を超えていた。

F(エフ)(23)

オールマンの反対を押し切り、予選に出走した軍馬。そして、予選一日目、二日目とともにコースレコードを出し、ポールポジションを獲得した。しかし、レースではリタイアしてしまう。一方その頃、父親である総一郎が失踪していた。

F(エフ)(24)

軍馬とタモツの長年の夢だったF1マシンがピットロードを走る。タイムもそこそこ出て、上出来だと思っていたら、軍馬から「タモッ!てめェにゃガッカリしたぜッ!!」というきびしい一言が。そして、雄馬を裏切った音也は…!?

F(エフ)(25)

ひさしぶりに日本へ戻った軍馬は、急遽、鈴鹿の日本GPでF1デビューすることが決まった。しかし、それを聞いた純子は激しく取り乱す。純子は軍馬の子供を妊娠していたのだ。そんな純子が見守るなかレースははじまった。

F(エフ)(26)

純子が妊娠していることを聞かされた軍馬は、純子と入籍するため日本に帰ることに。そして、箱根の走り屋のメッカで、フォーミュラーカーで練習に励む。その頃、タモツはジーザスから呼び出されレースに出るべきではないと言われる。

F(エフ)(27)

ジーザスの発言を気にした軍馬はレースに出るか迷うが、純子の一言で吹っ切れる。しかし、そんな純子を音也のバイクが襲う。大ケガをした純子だったが、命と子供は守る。薬を飲んで自殺を図った音也だったが、再度純子の元を訪れ…!?

F(エフ)(28)

記憶が戻ったサコは、軍馬が出場するF1グランプリを見にモナコへ向かう。軍馬は日本人初のポールポジションを獲得し、命をかけたファイナルレースがはじまる。そして、純子は出産のため、軍馬のレースを見ずに分娩室へ。波乱と興奮のフォーミュラ・カーレースに生きる男の青春を描く巨編、完結!!