あらすじ

邯鄲の城に入った革離たちだったが、邑民たちの反感は簡単にはぬぐい去れなかった。革離を殺そうとした兵士に戦いを挑む娘。一触即発の危険な場面で、革離は娘を殴り、作業に戻るように叱責する。一方、国境では秦軍がその数を増やしつつあった。
墨攻 1巻

時は二千数百年前、韓・魏・趙・齊・燕・秦・楚の七国が争う戦国時代の中国――。趙の大軍が、燕の小城、梁城を落とそうと、国境の易水川岸に軍を構えていた。梁城では、城を守るため城邑防衛のエキスパート集団、墨家から墨者を呼んだ。しかし、やって来たのは、革離(かくり)という名の男、唯一人だった……!

墨攻 2巻

城内に火を放たれた梁城の邑民たちは、それでも壁を守ることに専念していた。趙軍の巷淹中将軍は邑民たちを城壁を釘付けにしておきつつ、大凧に乗せて革離暗殺のための兵士を送り込んだ。

墨攻 3巻

趙軍の穴攻から二日後、一人の刺客・李光が梁城の城壁を上っていた。なんとか城内に潜り込んだ李光だが、革離と誤って邑民の一人を殺してしまう。梁魁は趙の刺客が潜り込んでいることを見抜き、革離は次ぎの日の朝、邑民を広場に集合させ、刺客を見つけ出すことに成功する。

墨攻(4)

城主の息子・梁適と、いつも革離とともに行動していた蔡丘。革離がいなくなった今、梁適は自分が指揮をとると宣言するが、邑民たちは蔡丘の言葉を革離の言葉として聞いているのだった。そこへ、趙軍の兵士が忍び込んでいることが報告される。

墨攻(5)

田襄子の命に背いた裏切り者でありながら、墨者の里へ向かう革離。途中何人もに命を狙われ、そのものたちはみな「虫」と言い残して事切れる。革離は薛併の仕業とにらむものの、墨者の里へとその歩を進めるのだった。

墨攻(6)

治水工事を手伝っていた村で飛蝗に襲われた革離。その飛蝗を見たいとやってきた不審な兵士たちは革離のことを知る墨者だった。墨者が背負っていた籠から飛び出した大量の蜂が革離を襲う。村人の雲荊は革離を助けようとするが、墨者たちは何故か去っていってしまう。

墨攻(7)

秦王襲撃の朝、拷問でズタズタにされた蘭鋳を残して出発する革離たち。韓の民たちが外出を禁止され厳戒令がしかれる中、秦王は韓に向かっていた。革離たちはおとりを用意し、秦軍の動きを封じたうえで、秦王の行列が通るのを待った。そこへ、激しい蹄音を響かせながら行列がやってきた。革離たちは石油の入った竹筒を投げ、火を放つのだった。

墨攻(8)

秦の国力を確かめるべく都、咸陽へやってきた革離たちだが、その発展ぶりを見て邯鄲の守りを固めねばならないことを痛感する。そこで、木箱で飛蝗の卵を育てている司路に出会う。幼なじみの司路が虫部隊に関わっていると知った革離は怒りと失望を覚える。その横を、秦軍の第一陣が趙へ向けて出発していった。

墨攻(9)

邯鄲の城に入った革離たちだったが、邑民たちの反感は簡単にはぬぐい去れなかった。革離を殺そうとした兵士に戦いを挑む娘。一触即発の危険な場面で、革離は娘を殴り、作業に戻るように叱責する。一方、国境では秦軍がその数を増やしつつあった。

墨攻(10)

趙軍では長虎将軍の死によって、新たに三人の将軍が選ばれた。しかし、三人とも東壁の警備を渋り、革離に押しつけようとする。それも、兵を一人も回さず、邑民だけで守れというのだ。東側は高い壁に阻まれてほとんど日が差さず、そこには生活力のない病人や孤児が追いやられていた。

墨攻(11)

革離を捕獲することを条件に除隊を申し出た秦兵たちが、山で暮らしていた怪力の男、山かいを伴って邯鄲の城に忍び込んだ。山かいの強烈な一撃に倒れた革離。息をしていない革離を死なせたくない娘は人工呼吸を始める……。果て無き戦乱を乗り越え、革離たちが向かった新たな大地とは……!?驚愕の最終巻!