中学生の時に夢中で一気読みしたけど、大人になって改めて読むと気づかされることが多いです。 永遠の美少年だと思っていたオスカルも、アントワネットと同い年だから終盤は30代半ば。 人生の幸せも苦さも経験して、最後にアンドレとの愛にたどり着いたのだと思うと、二人の関係とその最期がより切なく感じました。 アントワネットの子供たちへの愛情や夫王との関係も、大人になって初めて実感を持って読めた気がします。
池田理代子さんと言えば『ベルサイユのばら』や『オルフェウスの窓』などが圧倒的に有名ですが、短編でも優れた作品がいくつもあります。 この『ウエディング・ドレス』も正にそのひとつ。 改めて今読み返すと、 「あんたのおにいさんも…30を2つすぎて独身なんてさ 変わってるわよ」 といった台詞には世の流れを痛切に感じずにはいられません。この時代に生まれていたらますます肩身の狭い思いをしただろう、と感じる独身貴族の方も少なくないのではないでしょうか。 一方で、主人公である30年以上も仕事に生きてきた女性の葛藤は今を生きる私たちにも強く響きます。彼女は周りの人々が次々に結婚をしていくことで、自分は仕事に生きているんだから良いんだと体裁を繕いながらも、実際には深く傷付いていきます。そのことを、無邪気な笑顔で幸せになることで無自覚に持たざる者に負わせる気持ちを「見えない刃による暴力」と的確に可視化していることが凄いです。30年以上一度だって男に「愛してる」と言われたこともない、と嘆く彼女の痛切な叫びは胸を抉ります。 しかし、当時は自分の周りの世界はまだ狭いものでしたが、今はSNS全盛の時代で、近くもない人の無邪気な幸福が無限に見えてしまう世界です。これは、自分から無限の刃に傷付けられにいくようなものかもしれないと考えると、そら恐ろしくなります。 なお、本作の主人公はある過ちを犯しながらも、最後に自分の支えになるのは自分がこれまで人生を賭して頑張ってきた仕事とその成果となります。これは非常に熱い部分であり、今仕事を必死で頑張っている人にとってエールになるかもしれません。 「女性の自立」を多様な作品で描いてきた池田理代子さんの、ある意味では真髄のような一作です。
名門女子校に通うことになった主人公はそれまで教わっていた優しくて素敵な塾の先生に「私のお兄さまになってください…」とお願いして文通を始めることになります。でも実は主人公が知らないだけで先生は母親の再婚相手の実子だから血の繋がりはないけど兄妹なんです。その事実と名門女子校内の選ばれし人間のみで構成されている社交グループ「ソロリティ」を巡る人間関係とが合わさって物語が展開していきます。もっと名門女子校のドロドロした話かと思ってましたが割りとメロドラマな話だったんですね。最後の方で「ソロリティ」が廃止されるのは池田理代子先生が学生運動をされていた影響を感じました。
※ネタバレを含むクチコミです。
池田理代子のマンガである。ナポレオンの台頭から、その死までを描く。時代考証が精密であり資料をよく読み込んでいる。史実にそくしているが、大家・池田理代子の圧倒的なストーリーテイリングでグイグイと漫画に引き込ませる。ナポレオンを主人公とするマンガの中では最高傑作であろう。歴史の勉強のためにも日本人には全員読んでいただきたい。
元伯爵家の令嬢として美しく育った妖子が、実は病院ですり替えられた他人の娘で、しかも死刑囚の娘だったとわかる!というショッキングな展開から始まります。古いタイプの少女漫画なら、出生の秘密を知っても健気に生きてゆく…という展開になりそうですが、妖子は違います。実の娘ではないと知ると、非情になり、妖子の殺害を企てる両親や、出生の秘密を知る脅迫者と戦っていきます。 旧華族社会のドロドロ感もあり、スリリングで刺激的なストーリーですが、両親の愛を求める妖子の孤独がせつなくて、いつの間にか感情移入してました。
男装して生きたユリウスと、ロシア革命を生きたクラウス、その周囲の人々の劇的な愛の物語で、その臨場感と高揚感、ロシア革命がどんなものであったかなど、半端なく感情移入してしまう物語です。歴史のうねりの中で一人ひとりが一生懸命生きていたことに強く感動しました。
ハマりにハマった漫画です。 歴史(特に西洋史)は苦手でしたが、この漫画のおかげで詳しくなりました。 フランスのバロア王朝からブルボン王朝への流れなど勉強になったと思っています。 歴史的背景もさることながら、何をおいても美しい絵。 池田理代子先生の絵は本当に美しく、思わず引き込まれます。 男装の麗人という設定と、美しく悲劇的な恋愛に感動しました。 そして贅を尽くしたベルサイユ宮殿の美しい背景画にも魅せられます。 一度は読んで欲しい、超大作だと思います。
アントワネットとフェルゼンの関係が好きでした。不倫ながらも死ぬまで愛しあった二人を応援してました。王妃ゆえに普通の女性として恋愛することが許されなかったアントワネット。処刑されてしまったが、生まれ変わったら今度は不倫じゃなく自由に恋してほしい。
中学生の時に夢中で一気読みしたけど、大人になって改めて読むと気づかされることが多いです。 永遠の美少年だと思っていたオスカルも、アントワネットと同い年だから終盤は30代半ば。 人生の幸せも苦さも経験して、最後にアンドレとの愛にたどり着いたのだと思うと、二人の関係とその最期がより切なく感じました。 アントワネットの子供たちへの愛情や夫王との関係も、大人になって初めて実感を持って読めた気がします。