モブ子の恋

可愛すぎる非リア地味カップルの恋愛

モブ子の恋 田村茜
六文銭
六文銭

恋愛漫画って、学園イチのモテ男とか、眼鏡とったら実は美人とかそういう感じになりがちで、自分にとってはファンタジーみたいなものなんですが、本作は違います。 モブみたいに背景のような女子と寡黙な眼鏡男子という、どこにでもいる地味同士の恋愛なんです。 ・・・いや、わかりますよ。 恋愛漫画に美男美女を用意するのは、そこに花があるからで、別にリアリティもいらないし、なんなら石油王とかCEOとかアイドルとか、ド派手なほうが良いとかいうのもわかります。 どこにでもいる地味カップルなんて、ドラマもクソもないだろうと。 でも違うんだ!ということを声を大にして言いたい。 この初々しい感じが、とにかく可愛いんです! 些細なことで悩んだり、一歩踏み出す勇気がなかったり、かと思えば急に大胆だったり・・・ 地味ゆえに経験がないからコントロールできず、全てに全力で一生懸命なんです。 これがもう、読んでいてドキドキして、つい感情移入してしまい、2人を応援したくなるんです。 というか、見守る感じに近いですね。もう、保護者かと。 久々に清いものを見させていただきました。 しかし、何気ない日々も美しくなってしまうんだから、恋愛ってすごいですね。

モブ子の恋

誰かの大切な秘密を知ってしまい陰から応援したくなるそんな感じ

モブ子の恋 田村茜
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

ここまでひそやかで奥ゆかしくて優しく見守っていたくなる恋は久しぶりだ。 大学生になって同じスーパーでバイトを続けて1年。 モブ子は控えめで大人しく同僚の誰からも連絡先を聞けてなかったりする。 そんな中、自然と目で追ってしまうのは同い年で困ったときにそれとなく助けてくれる入江くん。 まだ恋と自覚できないような淡い想いを抱いて、バイトに精を出す。 たまらない。 コミュ障と片付けてしまいたくないような、他人を思いやれるがゆえに控えめになってしまう様も見ていてもどかしくて仕方ない。 が、それがいいのだ。 入江くんもまた、そんなモブ子を暖かい目で見つめ、気遣っている。 なんとも前時代的とも言えるこの言葉にしない距離感。 お互いに踏み込まない。 踏み込まないが、その平行線はとても暖かいのだ。 それとなくいる。 それとなく見ている。 意識し合ってるのにお互いそれには感知できず。 ああ、もどかしい! でも、僕は見守ることしかできないのです。 完全なる蚊帳の外。 僕自身、イケイケな恋はしてこなかったので、モブ子と入江くんに感情移入しつつも、どうにか背中プッシュしてくれと新人ちゃんにも感情移入できるいう楽しい読み方ができている。 今後どうなっていくのか楽しみ。