戦争の悲惨さと友との友情を描いた感動巨編51P‼(ビッグコミックオリジナル2019年18号)
昭和46年夏、新宿――。今にも崩れ落ちそうなおんぼろアパートの2階の部屋で、一心不乱に漫画の原稿を描いている一人の若い男がいた。すべて描き終えた男は、原稿を手に、そして希望を胸に部屋を出ていく。向かう先はもちろん、今をときめく漫画雑誌『劇画トップ』の編集部だ。持ち込みである。しかし原稿を一読した編集者は、全く駄目、出直してこい、の一言だった…。夜の公園で悲嘆に暮れる男は、なけなしの小銭で屋台の酒を求めるが、飲んだあとに支払いが足りないことに気づく。店主と揉めそうになったとき、横にいた美少女が突然酒を奢ると言い出して……この出会いが、奇跡的ドラマの始まりだった! 心が退廃し蝕まれていく現代日本において、あえて「海賊」たらんとした、若き男女の本流のような青春!
昭和に起こった数々の凶悪事件、その中でも一際異質な事件を作者自身が関係者に直接取材し、さらに警察資料から犯人の足取りや逃走経路を自らの足で追体験した完全ノンフィクション・ドキュメンタリー・コミック! 彼らは何故罪を犯し、そして被害者たちの命を奪ったのか――。取材を通して語られる凶悪事件の犯人達の人間性とは…? そしてヒトはいったいどこまで堕ちることができるのか……。『連続強姦殺人事件・大久保清編』、『吉展ちゃん誘拐事件』、『帝銀事件』など、衝撃の事件を全6巻でコミック化!
凶悪殺人鬼の血が流れる男・神納達也が悪の限りを尽くす!!──ある夜、豪邸に脱獄囚が侵入。大学教授・神納康久の妻を襲って逃走した。やがて生まれた子供・達也は脱獄囚の子でありながら神納家の一人息子として育てられる。そして少年に成長した達也は表向きは礼儀正しい子として振舞っていたが胸の奥では殺人鬼のDNAを覚醒させていたのだった。完全犯罪で親を殺し、女性を嬲り、それでも何ら罪悪感をおぼえない悪魔が神を冒涜しつくす衝撃の長編傑作!!
年の暮れ、場末の酒場の男の視線の先には、毎年恒例の歌謡界の音楽賞の発表会を映すテレビ。ちょうど今年のグランプリが岬あゆかに決まったところだった。岬あゆか…それはこの男、瀬尾俊太郎が3年前までマネージャーを務め全身全霊を込めて育てていた歌手だった――。3年前のある事件を契機に、マネージャーとしての立場も何もかもを失った瀬尾は、いまではごみ溜をうろつくハイエナのような暮らしにおちぶれていた。だが、この時にはまだ、自分に新たなる闘いの日々が訪れることなど瀬尾には知る由もなかった…。ドロップアウトした元敏腕マネージャー、落ち目の元人気作曲家、そして芸能界に命を懸けた少女の決死の成り上がり計画の行方は!? 芸能界の暗黒面を活写した傑作長編ドラマ!
暗黒街にその名を知られた『影男』。ナチスの開発した奇跡の拳銃は、音を小さくするのではなく全く無音で銃弾を発射できる、無音拳銃。その所有をめぐって政治家の錦城との暗闘…そして無音拳銃による総理大臣の暗殺と、望むと望まないに拘らず、権力や金欲闘争に巻き込まれていく影男。国宝級の仏像、ダイヤを争い、殺し合う悪人たち。影男自身は金も権力も興味はないが、無力な庶民が悪人どもの争いに巻き込まれて無残な目に遭うことを許せない。また影男に想いを寄せる女たちには、自分に関わると不幸になると、自ら身を引いていくのが常である。虚無と絶望、癒し難い男の孤独を描いて、一時代を画したハードボイルド劇画の傑作。ここに復活!「無音拳銃」以下「暗い怒り」「暗殺魔団」「狼の葬列」を収録。
『昭和十九年一月・マリアナ基地より飛立ったB29は二十七日夜より三回にわたって帝都に侵入、焼夷弾を投下』政府は戦局悪化により、一般疎開を東京・名古屋など23地区を指定し疎開命令が出された。これにより学童の縁故疎開がおこなわれた。当時、小学三年生の藤本は兄と共に愛知の祖母のところへ縁故疎開する事になり、田舎での生活が始まって現地の学校へと登校するが、子供達は疎開者がなにかを理解できないまま、自分たちの輪の中に入れようとはしてくれなかった。そんな苦しい日々の中、藤本の将来に関わることとなる人物が現れる……。等々、ヒューマンドラマが描かれた短編集!
なんの変哲もない田舎町にすぎなかった浦上市に突如異変が起こったのは数年前のことだ。それはこの町の中央に位置する碧南湖のほとりから温泉が噴出したことに始まる。温泉観光地として急激に発展したこの街……どの都市でもそうであるように、この街にも発展とともに暴力団が続々と流れ込んできた。旅館建設のために乗り込んできた組、歓楽街を仕切ろうと目論む組、そして以前からこの街で賭博を主業としていた組……この大して広くもない街に性格を異にするヤクザが同居していては平穏無事な日々が続くはずはなかった。そして……!?
俺の名は猪神昌也、新宿のジャズ喫茶ダウンビートの専属楽団のシンガーだ。……そんな俺が今、ライフルを手に死地に立たされている。なぜ……なぜ俺はこんなことに!? ジャズ喫茶で大音量の音楽に酔いそのエクスタシーに耐えきれないもののように体を動かし絶叫する観客たちを前に、絶唱するのが俺だった……その中に、微動だにしないで俺を凝視している白いコートをまとった一人の女がいた。それが美香と俺との出逢いだった……。男の身に降り掛かった奇妙で身悶えするような宿命のドラマ!
通称「銀の猫」と呼ばれる女殺し屋・水城理沙。幼少の頃父親に捨てられ孤児院で育ち、生まれて初めて愛した男の誘いで内閣調査室のスパイ組織・イエローに所属。それが偽りの愛だったと知ったショックから男を殺し組織を脱退したという異色の経歴を持つ。その抜群の美貌と妖艶な身体を武器に、依頼された殺しを遂行してゆく彼女のバイオレンス・アクション!ある日会社経営者の男からバーのママを始末してほしいとの依頼を受けた理沙だったが、あろうことか依頼者の男に銃を向けた。その真相とは…!?
なにもかも失ってしまった。あと、この俺が失うことのできるものはただひとつ。命しかない…。俺の名は矢吹恭二。元兵庫県警捜査四課の刑事くずれだ。真面目な刑事であった……少なくとも自分では警察機構の忠実で勤勉な刑事だと思っていた。そんな俺が、暴力団の罠にかかり、嘱望されていた将来は、あの日あの瞬間をかぎりに、音を立てて崩壊してしまう。そして、今の俺は、昨日までの同僚から取り調べを受けているのだ……。アウトロー・ピカレスク漫画の第一人者である鬼才・佐藤まさあきが描く、暴力的かつ反道徳的でどこか儚い世界をたっぷりと味わえる作品!
大海原を疾走する豪華なクルーザー。船上には若い男女が3組、それぞれの豪奢な時間を楽しんでいた。突然の急ブレーキで大きく揺らぐ船体、女が驚いて操縦する男に詰め寄ると、彼の視線の先にあったのは、ゴムボートで一人漂流しているように見える男性の姿だった。こんな外洋に一人で何故…? しかし放ってはおけないので救助すると、男は突如牙を向き、隠し持っていた袋から散弾銃を取り出して…(『海原に獣が吠える』より)劇画の巨匠・佐藤まさあきが描く、暴力と不条理の嵐、めくるめく官能と欲望の渦!
謎の組織「破壊党(デストロイヤー)」は日本を近代国家にふさわしい国に作り替えるべく、時代錯誤な文化財や建造物を一年以内に破壊すると宣言。その言葉が本当であることを示すように有名な寺院や神社が次々と爆破されていった。宮城刑務所に収監されていた死刑囚・川辺竜二は、悪党だけをターゲットとにした元殺し屋。竜二は死刑を執行された直後に国家秘密保安局によって保護・蘇生され、殺人許可書を持つ秘密エージェント“Z”として生まれ変わる。その使命は「破壊党」の正体を暴き壊滅させることだった。
極貧の中で育った猪斐雅彦は、死を間際にした母の口から、日本屈指の巨大コンツェルン・東和グループを率いる東和鉄道が、元々は雅彦の父の会社であったことを明かされ、衝撃を受ける。現社長の矢島慶三が、卑劣な手段で株を買い占め、会社を乗っ取ってしまったというのだ。失意の父は自殺。母は雅彦と幼い妹を抱えて、苦難の人生を終えた。叔父の虐待により、妹まで失った雅彦は、一生を賭けて矢島への復讐を誓う。手始めにヤクザの麻薬取引現場を襲って、東和株買い占めの資金を手に入れ、矢島の娘・奈美を籠絡。相場師の須山容堂、元弁護士の根津などをブレーンに加え、着々と準備を進めていく…。
神の英知と悪魔の魂を併せ持つ神納達也は稀代の犯罪者の息子だった。己の出生の秘密を知った達也は欲望の赴くところ財力と奸計にものを言わせ美女たちを凌辱していった。その神納達也が悪徳と異端のヒーローとして今、ここに蘇る!鬼才・佐藤まさあきが心血を注いで描く殺しと淫虐のピカレスクロマン!特別書き下ろしを加えた決定版第一弾!