「町田洋さんが新作マンガを描かれている」 その事実だけで世界の彩度が上がるような、祝福を覚えるような心持ちになります。 Kindle限定で突如発売された、この新作『ごみをひろう』は「ごみひろいを描く連作シリーズ」ということだそうです。 1P目からいきなり想像上の妻(なぜか星の見えるソファの上で歯ブラシを持っている)と会話を始める辺りの幻想感がとても町田洋さんらしいのですが、読み進めると思った以上に実務的な内容でした。 恐らく、皆さんも疑問に感じたことがあるのではないかと思います。汚れやゴミが付いてしまっていたり、飲み残しがあったりする缶やビンやペットボトルは、どこまでを資源ゴミとして出してどこからを燃えないゴミとすればいいのか。ふせん、シールの台紙、ねぎのテープはそれぞれ何ゴミに分別すべきなのか。 想像上の妻のように気にしない人はまったく気にしないであろうもの。しかし、気になる人はとことん気になるであろう事柄。 自治体によっても違いがあるのでこれが絶対という訳ではないですが、一度調べて子供とこうした境界線上にあるものをクイズ形式で検討し合ってみたら、良い学びの機会になりそうだなと思いました。 人が活動する場所では必ずゴミは生じ、美しい景色は何もせずには保てず誰かがごみを拾ったり掃除をしたりして綺麗になっている。それは当たり前にやられていても決して当たり前のことでなく、価値ある尊い営為であるということを静かに語りかけていってくれます。こうした人によってはまったく気にも留めない世界の片隅に向けられる眼差し、そこから情緒豊かに掬い語る様は、町田洋さんの素敵なところです。
趣味?でゴミ拾いをする男。彼は清掃事務所の担当者に、ビンや缶の状態によってどのように分別ルールが決まっているのか尋ねる。わからないことはとにかくなんでも聞く。担当者は何でも答えてくれる。家に帰って想像上の妻に報告し、呆れられる。 地域によってルールは違うけどちょっと勉強になるなと思う一方、想像上の妻が言うようにそんなことはいちいち覚えてられないのが実際のところですね。
再生と消滅。 住んでいない家は、壊れていく。 人の記憶が建造物を作る。 人生を描いているのかなぁ。 儚さ、浮遊感、その中の力強さを感じた作品。 出てくる動物がかわいい(笑)
タイトルはジブリの新作映画を観たばかりなのでもじりたかっただけです。笑 待望の単行本が発売されて楽しく読んだのですが、読後感が今までの作品とは違うなと思いました。それこそ砂が手から溢れていくような感覚になりました。面白い・面白くないでは計れないような作品ですよね。自分では感想を言葉に出来ないので、他の方がどう思ったのか知りたいです。この作品を読んで何を感じましたか?
ペンキ塗り替えの仕方を細かく表現しているページところはdiy初心者にも参考になりそう。新たな仕事はお屋敷のペンキ塗り。友人に「あの小説家の屋敷で仕事すんの!?」と驚かれる。有名なお屋敷の様子。ただ仕事を淡々とする主人公と驚いている友人の様子を見るとどのような展開になるのか気になります。
1冊のベストセラーを発表してから表舞台どころか家の外にすら出られなくなってしまった老小説家がいた。彼の秘書から依頼を受けた美大生の男の子が庭にある小屋のペンキ塗りをすることになった。人を避けていたはずの老小説家だったがなぜか男の子とは自然に交流することが出来たのだった。それにはある理由があったという話。 船場センタービルの漫画が発表された時にあまりにも嬉しかったので「これは読むべきタイミングが来たら読もう」と寝かせていたのですが、日食ステレオサウンドを読んだら「これとあれは繋がってるんじゃないか?」という気がしてそちらも読んでみました。調べてみたら日食ステレオサウンドが5年も早く描かれていたので全然関係なかったんですけど、それぞれの主人公が吐露したセリフはちょっと繋がってるかもしれない。
今年で『惑星9の休日』が発売されて10周年と思うと少し遠い目になりますが、ともあれ町田洋さんの久方ぶりの単行本『砂の都』が発売、しかもそれに伴ってこの短編「日食ステレオサウンド」も電子化されて電子限定で刊行となっては祭です。町田洋さんに課金できる嬉しさときたら……。 町田洋さんの作品の素晴らしさについては、かつて『夜とコンクリート』のクチコミでも長々と述べましたが、本作も多分に漏れず。 どこか寂寥感を伴った夏の日のような、愛しい静けさはこの「日食ステレオサウンド」にも存在します。特殊な設定を伴いながらも、人間の普遍的な感情を軽やかに鮮やかに描く筆致の優しさと鋭さ。久しぶりに再会しても、数日ぶりに会うような親しみと安心感。やっぱり町田洋さんの描くマンガ、大好きだなぁと感じます。 1日の終わりに読めば良い夢を見られそうな、じんわりとした後味が胸に広がる短編です。 願わくば、どれだけゆっくりとしたペースでも良いので今後も作品を描いていって欲しいです。
ゆるい絵とストーリーに引き込まれて集中して読んでいました。 広告漫画をの依頼がきて断るつもりで鬱漫画を描きたいと言ったら「それでお願いします」と返信がきてしまって漫画を描くことに。 途中少ししんどくなりましたが、人の温かさとかが描かれていてよかったです。船場センタービルに行った事があるのですごく風景も想像出来ました。
打ち切りではなく休載中だと信じてまってる作品です! 漫画の中の時間の流れ方がゆっくりで、読むと脳と体がスィーっとします。今こそ全人類に読んでほしい一作(雑誌のバックナンバーを買わないと読めないけど)。 とりあえず試し読みだけでもしてみてください〜 http://www.moae.jp/comic/sunanomiyako
鬱経験者じゃなくても一回でも大変な時期、心境にあったものには胸にくるものがあります。 たまにこんなフラットに描かれた名作に出会うんですね… 文学のようでエッセイのようで実録漫画で宣伝?漫画 話題になってたから読んだだけですがもう一読した感想はこれですよ 「良いなぁ…この漫画」
「町田洋さんが新作マンガを描かれている」 その事実だけで世界の彩度が上がるような、祝福を覚えるような心持ちになります。 Kindle限定で突如発売された、この新作『ごみをひろう』は「ごみひろいを描く連作シリーズ」ということだそうです。 1P目からいきなり想像上の妻(なぜか星の見えるソファの上で歯ブラシを持っている)と会話を始める辺りの幻想感がとても町田洋さんらしいのですが、読み進めると思った以上に実務的な内容でした。 恐らく、皆さんも疑問に感じたことがあるのではないかと思います。汚れやゴミが付いてしまっていたり、飲み残しがあったりする缶やビンやペットボトルは、どこまでを資源ゴミとして出してどこからを燃えないゴミとすればいいのか。ふせん、シールの台紙、ねぎのテープはそれぞれ何ゴミに分別すべきなのか。 想像上の妻のように気にしない人はまったく気にしないであろうもの。しかし、気になる人はとことん気になるであろう事柄。 自治体によっても違いがあるのでこれが絶対という訳ではないですが、一度調べて子供とこうした境界線上にあるものをクイズ形式で検討し合ってみたら、良い学びの機会になりそうだなと思いました。 人が活動する場所では必ずゴミは生じ、美しい景色は何もせずには保てず誰かがごみを拾ったり掃除をしたりして綺麗になっている。それは当たり前にやられていても決して当たり前のことでなく、価値ある尊い営為であるということを静かに語りかけていってくれます。こうした人によってはまったく気にも留めない世界の片隅に向けられる眼差し、そこから情緒豊かに掬い語る様は、町田洋さんの素敵なところです。