歴戦の冒険者パーティーに所属していたニックは、父のように慕っていたリーダーから追放を言い渡された。だらしない仲間たちのため、金勘定や知識面などで彼らを支えていたにもかかわらず、横領の濡れ衣を着せられて……。恋人にもフラれ、すっかり落ちぶれてしまったニックだったが、偶然にも酒場で相席になった元貴族令嬢、破門神官、女竜戦士と意気投合する。人間不信の冒険者たちが、最強のパーティーとして歩む冒険譚、ここに開幕!
2013年、江ノ島に邪神が上陸した。いまや鎌倉周辺は“異界”と呼ばれる特異地域と化している。誰もが狂気に陥る中、怪異専門の心理士だけが正気を保とうとする人々の救いだった。無免許にして謎の心理士、島野偃月(しまのえんげつ)は「怪異を欲しているのは人間の方である」という信条を元に、邪神が引き起こすおぞましい事件を人の愚かさを暴きながら解決していく。彼と邪神に魅入られた人々が織りなす本格怪異譚。
クラスメイトもろとも別世界に飛ばされた少年・勇太。そこは、人が内包する特殊な力「ル―ディア」で「魔導機」と呼ばれる人型機械を運用している異世界!だが彼のル―ディア値はたったの2で…!?
エルニア王国では王位継承争いが勃発、混乱状態が続いていた。そして、王立図書館に勤める“ぐーたら”宮廷魔術師・レオンにも文官として戦地に出征するよう辞令が下る。渋々赴任してみると、王位継承権を持つシスレイア王女がなぜか最前線で敵軍に包囲されていて……!? 王女を救う気のない上官に対し“無能”レオンが言い放つ―― 「私が少数の兵で王女を救出し、敵兵も一掃してご覧に入れよう」 レオンの武器こそ、その名も『異世界学』。“別世界”で用いられた様々な兵法・戦術の知識であった。そして『火牛の計』を用いて、王女救出へと挑む――!! “給料泥棒”とまで称された宮廷魔術師が王女と共に王国の改革に挑む本格戦記ファンタジー開幕!
こうした世界観で見ていると主人公たちは「落ちぶれた」というほどの痛手には見えない。それは主人公の「ニック」をはじめできたサバイバーズ全員「出来た」存在だからではないか。自分に伸びしろが無ければ冒険者パーティやそれなりに地位のある存在がしくじって吠え面を書けば「ざまぁ」と思うはず。素直にお互いの境遇を「不幸」として受け止めて他人事にしていない時点で彼らは何処へ行ってもやっていける性根であることを表している。世界を救う「ようです」というタイトルもこういった人間性は世界にとってメリットでしかないことを表している。
美麗な絵が付くとやはり読みやすいし、短くされているとはいえ冒険者たちのダメダメな表情が実に愛おしい。 ストーリーを言うと中堅どころの冒険者PTに所属していたニックだが、細々とした裏方仕事をウザがられて追放されて…といういわゆるなろうの「追放物」のテンプレっぽく、実際なろう版も存在するのだが この作品の実に面白い所は、そうして身を堕としたダメ人間描写が一々説得力と生命力にあふれまくっている所。 メンバーが落ち込んだ時に出会ってしまった趣味がアイドルオタク、キャバクラ好き、賭博好き、食い歩きなのだが、小説版ではここがまあ実に生き生きとしたダメな趣味に出会ったダメ人間を軽妙な筆致で描いていて、感心した物。 漫画版ではこの部分が、主人公ニックのアイドルオタクになる部分しか描かれていないが、実に残念。 とはいえ人間不信なりに仲間との絆を作っていく姿、その為のルール作りなどは所謂ぼっちの人には中々共感できそうな部分も有り、何だかんだ仕事と生活が充実して、現実から逃げるようにハマったダメな趣味が、健やかに自分の生きがいとなる健全な趣味になっていく様なども中々読ませてくれる。 戦闘部分は小説版ではそれ程しっかり読んでいなかったのだが、作画担当の絵が上手いのでここも楽しめる物になっていて、コレは漫画版ならではの利点と言える。 タイトルからするとこの後は大きなヤマにぶち当たるのだろうが、なろう版を読んでも世界を救うのはだいぶ先になりそうである。
こうした世界観で見ていると主人公たちは「落ちぶれた」というほどの痛手には見えない。それは主人公の「ニック」をはじめできたサバイバーズ全員「出来た」存在だからではないか。自分に伸びしろが無ければ冒険者パーティやそれなりに地位のある存在がしくじって吠え面を書けば「ざまぁ」と思うはず。素直にお互いの境遇を「不幸」として受け止めて他人事にしていない時点で彼らは何処へ行ってもやっていける性根であることを表している。世界を救う「ようです」というタイトルもこういった人間性は世界にとってメリットでしかないことを表している。