さみしさ。 ごく普通のような、ノンフィクションな家庭の話。 読んでいたらわかる、お父さんの苦悩と寂しさ。 もっと不幸な人はいる!そんなの贅沢だ!と思うかもしれないけど、本作はそういう話じゃない。 ちなみに冒頭20Pぐらいで泣きそうになった。 「うおおおん」と泣く男の姿に、心奪われる。 生きとし生けるものは全て分け隔てなくいずれ死ぬ。 そのために生き、その間に葛藤があり、頑張って生きてきた証として誰かの思い出として残る。 それを実感することが出来た。
何回読んでも共感できないし、言い方悪いですが主人公が鬱陶しい。全体的にご都合主義。
新婚旅行の帰りの飛行機で夫を亡くした主人公・菜恵が、愛情たっぷりのお供えを作って食べるお話。 こんなのあらすじ読んだだけで泣きたくなる!悲しすぎ。やるせなさすぎ。 ほのぼの飯漫画を読みたい気分だったのに、逆にもう読むしかない!という気持ちになりました。 翔ちゃんの遺影に語りかけながら、思い出の料理を作る菜恵が健気で切なくていじらしい…。 思い出を話す菜恵の語り口がコミカルだからこそ、切なさがひき立つんですよね。明るく生きててえらいよ菜恵…。キャベ巻きご飯美味しそうだよ菜恵…。 あとがきによると未亡人×飯の漫画は新しいんじゃない?的な発想で生まれた作品のようですが、その新しい発想とやらで菜恵の夫は死んだんだよかわいそうだろ…思うくらいに菜恵は可愛いです。
※ネタバレを含むクチコミです。
昔はこの単行本で読んだけど今回は未収録作品「お散歩」が収録されている修正前デンジャラス・バージョンで読んだ。 単行本版との差はよくわからなかったが、とりあえず単行本にあった伝説の「松田マンガ道」が収録されていたのがよかった。 久しぶりに男気編集者Sの発言を読んだけどむちゃくちゃな発言だった。昔でもアウトだけど今だったら大炎上だろ...
親がおらず貧乏で高校進学もできない環境に置かれながらも懸命に生きる初子。 幼い頃に父親が借金を残して蒸発、母親も他界。兄とふたり暮らし。兄も、妹想いではあるが貧しさに心が荒んでいる。 初子にとっての心の支えは兄ともうひとり、クラスメイトで交際相手の三島くん。かつては彼と同じ高校に進学するつもりだったが、アルバイト先からも十分な給与をもらえず、進学を諦めるしかなくなる。 初子の周りにはどうしようもなく薄情な大人ばかり。 まともに仕事をしない担任や、弱った初子を介抱するついでに宗教に勧誘するおばさん。最終的には、蒸発した父親が浮浪者になって戻ってくる。 最後の最後までとにかく報われない初子だけど、ほんの一握りの希望を捨てずに健気に生きる初子の姿には色んな感情が混ざり、泣ける。 ちなみに、この作品は実写映画化されており、当時原作のことは何も知らずに観に行っている。まあ面白かったという記憶はあるが、キャストの顔とか名前、内容もほぼすべて覚えておらず、原作を読んでも何も思い起こされなかった。 同じく掲載されている、工場の息子が主役の話はまた雰囲気がガラッと変わって読み応えがあった。広島弁ていいな。
人生の不条理に晒されながらも必死に生きる人間の姿、心揺さぶる物語を心身・魂をも削るような筆致で描き続けて来た松田洋子さん。 「こんな作品群を描く松田洋子さんは一体どんな人生を歩んでこられたのだろう」と常々思っていたのですが、その答がこの自伝マンガに描かれていました。 タイトル通り中心として描かれるのは父。そして娘から見た父親を中心に、ひとつの家族のリアルな生き様が叙情性豊かに綴られています。 家族との関係性、仕事や対人関係のトラブル、生活の変化、家族に起こる異変……様々なパートのどこかしらは読者個々人の体験に重なり複雑な想いに駆られるのではないでしょうか。 端的に言って私は気付いたら涙していましたし、痛切なあとがきを読んで更にもう一度涙を流しました。深い深い想いの込められた作品で、読んだ後は大切な人を今まで以上に大切にしたくなります。 松田洋子さんはもっともっと読まれてもっともっと評価されるべき作家です。
「ママゴト」「私を連れて逃げて、お願い。」の作者の料理/グルメマンガ。 本編はあとがきを見れば納得いく感じの内容です 立ち食い蕎麦屋のおばさん/喫茶店のジジイ/結婚の誓いの時の背景が俺の好きな「薫の秘話」テイストでよかった
前にコミックビームに載っていた読切「父をなくす」がグッとくる素晴らしい話だったけど、あの一回で終わらずに、いつの間にか連載作品になってた。これはぜひ単行本になるまで描いてほしい。話の流れ的に、「父をなくす」が最終話に位置づけられる感じだろうか。
よかった点 ・絶妙にひねくれたブラックジョークとギャグが好き 総評 ・この漫画の主人公よりいい感じでひねくれた中年はあまり見たことがない。
さみしさ。 ごく普通のような、ノンフィクションな家庭の話。 読んでいたらわかる、お父さんの苦悩と寂しさ。 もっと不幸な人はいる!そんなの贅沢だ!と思うかもしれないけど、本作はそういう話じゃない。 ちなみに冒頭20Pぐらいで泣きそうになった。 「うおおおん」と泣く男の姿に、心奪われる。 生きとし生けるものは全て分け隔てなくいずれ死ぬ。 そのために生き、その間に葛藤があり、頑張って生きてきた証として誰かの思い出として残る。 それを実感することが出来た。