デビュー作からじゃりン子チエ連載後の読切まで収録されている短編集ですが、絵柄がまっっっっったく変わっていないことに驚いた。ユニークな猫キャラやいきいきとした子供などもすでに描かれていて、31歳でのデビューとはいえこれほど最初から作家性が完成してる人は珍しいのではないだろうか。巻末には作者本人の各話の解説もついてますが、Wikipediaなどもあわせて読むと「あの話も実体験が元になってるんだ」と分かって面白かったです。
令和になって、若者の間で人気が再燃しているらしい。 作者さんの子供時代の背景が含まれた漫画と考えると、「ちびまる子ちゃん」と似たような感じだろうか。 言葉が悪くても、子どもが働いて親を養っていても、よくみたら周りの大人で全うに働いている人が少なくても、身内に対する優しさが感じられる。 ちなみに私がじゃりン子チエを知ったきっかけは、ある日突然、父親が買ってきたゲーム。 なんじゃこりゃと尋ねたら、父親がこういう名前の漫画があるんだと説明してくれたと思う。 チエちゃん視点のゲームだったが、何をしたら良いかわからなくて、堂々めぐりを繰り返した。 小学校低学年には難しく、ほぼ進まなかった。 でもあのホルモン焼き屋の内装と外装、みんなチエちゃんに優しかったことと、小鉄は覚えている。 「じゃりン子チエ」についてはゲームくらいしか知識がないまま今にいたり、なんとなく読んでみたらおもしろかった。 関西弁と人情物というと「大阪ハムレット」も良かったけど、より元祖というべきこちらもとても良い。
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ この短編集は何回読んでもいいな。確か劇画村塾メンバーが描いていた THAT'Sコミックに掲載された「政・トラぶっとん音頭」やマンガ少年に掲載されたじゃりン子チエなどとは作風が違う「待つ戦士たち」が読める。表題作の力道山がやって来たは読むたびに面白く感じるし、個人的には俺が読んできた読切の中でも特に好きな「オッペラ甚太」だな ・特に好きなところは? 「オッペラ甚太」中学生ぐらいの時にビッグコミックで読んで無茶苦茶面白かった記憶しかない。あらすじとしては声があり得ないくらい大きい少年が出世して故郷に帰ってくるという派手さがほとんどないマンガですが無性に好きなんだよな。 マンガを好きになったきっかけの一作であることは間違いない ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! はるき悦巳の長編のじゃりン子チエは面白いですが、短編も面白いのでぜひ読んで欲しいところです。
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 最近たまたまはるき悦巳の話になり、「じゃりン子チエ」も良いけどそういや大傑作「日の出食堂の青春」もあったなと思い読み返した。なんというかボンクラ四人組のヒロインのミッちゃん、不良の迫丸の描き方がいいな。 ・特に好きなところは? 3つあって ・ボンクラ四人組がパチンコをしている最中に台を奪おうとするおっさんがどこかで見たことある男であること ・映画「働き蜂」を見て迫丸に見た方がいいという一言 ・最終回近くの働かない息子に対して嫌味 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 「じゃりン子チエ」の初期の名作回を濃縮したような無茶苦茶良いマンガです。
2023年の令和にじゃりン子チエ描き下ろし短編が!! ・「チエちゃん」以前のチエちゃんの巻 ・夜のヒラメの巻 ・チエちゃんの定休日の巻 の3本立て! はるき悦巳先生からのミニメッセージも! https://www.futabasha.co.jp/book/97845757283920000000?type=1
子供の頃アニメを観ていたが、決して好きではなかった。「好きじゃないなら観るなよ」というのは今だから言えることで、当時はそれほど娯楽の選択肢が多くなく、暇を潰すにはテレビを観ているのが一番だった。 父親は暴力的で賭け事大好き、母親は別居中というのが、子供の頃の自分には恐怖でしかなかった。お父さんがああなったらどうしよう、お母さんが出て行ってしまったらどうしよう…。父親がパチンコに行くことで夫婦喧嘩になった時など、不安になったものだ。 しかし大人になって読み返すと、それぞれ口は悪いがお互いに思い合っているし、保守的な価値観に対する疑問や清濁併せ呑む態度など、生きる上で大切なことがたくさん描かれている。一般的なアニメや漫画に出てくる「普通の幸せな家庭」ではないことも、近い境遇の人達には勇気になったかも知れない。 舞台は大阪の西成区周辺をモデルにしていると思われるが、それも大人になるまでは分からなかった。今なら何故当時の大人たち(アニメの監督は高畑勲)がこの作品を子供達に観せたかったのかというのがすごくよく分かる。そしてジェントリフィケーションや格差の拡大、ポリティカルコレクトネスや自己責任論が吹き荒れる今、また読まれて欲しい作品だと思う。
全巻読んだ 応援団との喧嘩あたりまではすごい好き。特に好きな回は ・ミツルの結婚式でのテツの挨拶 ・花井拳骨の賞授賞式でのテツとの相撲 ・ジュニアと小鉄の決闘 ・ヒラメの相撲 ・テツが主催の鑑別所同窓会 かな 小学生の時読んでも面白かったが、年取ってから読むとより面白いな。 応援団との喧嘩以降は同じような話は続いてあんまり記憶がない... 最終回の記念写真はよかった
背表紙のあらすじに「オレら肝心なことはなにもゆえんかったな」と書かれていて胸を鷲掴みにされ購入。読了して「そういうもんだよなぁ」としみじみした。 物語の筋としては、日の出食堂に集まる商店街のボンクラ息子ども4人組、彼らが想いを寄せるみんなのアイドルみっちゃんに彼氏ができた。どうにかこうにかして、みっちゃんの目を覚まさせてやろうとするのだが、みっちゃんと彼氏の迫丸の仲はどんどん進展していき焦る4人組…というもの。 どうにもならない初恋の行方が、古き良き時代の最後の思い出として彼らの中に残り続けるんだろう。若さと切なさが懐かしくて羨ましくもあった。折を見て読み返したい漫画。
デビュー作からじゃりン子チエ連載後の読切まで収録されている短編集ですが、絵柄がまっっっっったく変わっていないことに驚いた。ユニークな猫キャラやいきいきとした子供などもすでに描かれていて、31歳でのデビューとはいえこれほど最初から作家性が完成してる人は珍しいのではないだろうか。巻末には作者本人の各話の解説もついてますが、Wikipediaなどもあわせて読むと「あの話も実体験が元になってるんだ」と分かって面白かったです。