私が何も知らない無垢な子供だった頃、当時通っていたスイミングスクールで母親の迎えを待つ間にホビールームに置いてあったこの本を何気なく手にとってしまったのが運の尽き。 小学2年生の私の人生に初めてのトラウマを植え付けた作品でした。 今でもはっきりと憶えてしまっているぐらいの描写、悲惨さ、恐ろしさ。 日野日出志先生の特徴的なキャラの顔がまた忘れられない。 大人になって、言われてみればカフカだったなと思うし、振り返りたくないなー嫌だなーという気持ちなのについつい電子書籍版を買ってしまった。
1 「死肉の男」は日野日出志先生の作品です。もちろんホラー作品ですが,他のホラー作品とはちょっと違います 2 「目が覚めると死体になっていた」という男が主人公(記憶はない)。体は腐り,ウジがわいており,当然,心臓も動いてません。それなのに,動くことができて,話すこともできる。 港町にあらわれた主人公が,通報され,警察に連行されるところから物語は始まります。 他のホラー作品と異なるのは,死体である主人公の目線で物語が展開されるという点。自らがバケモノと化してしまったことによる恐怖,戸惑い,そして苦しみが描写されます。 尋常ならざる苦しみの果てに,主人公は記憶を取り戻しますが… 3 怪奇ホラー作品でありながら,強い悲しみが描かれる作品であり,日野日出志作品の中でもかなりの異彩を放ちます。未読の方は是非。 なお日野日出志作品を未読の方は,まずは他の日野日出志作品作品を是非。特に「地獄の子守唄」「蔵六の奇病」は必読なので,とりあえず https://manba.co.jp/boards/12272 を読んでみることをおススメします。アンリミで読めます
怪談で有名な小泉八雲の名前は知っていたのでどんなストーリーなのかと興味を持ち読み始めました。 あの有名な耳なし芳一や、初めて読む茶碗などオムニバス形式で怪談話が描かれていて、ワクワクしながらサクサク読むことができました。 絵のタッチは何となくですが、小学校の頃に図書館にあった歴史漫画を彷彿とさせる感じで、懐かしいです。 しかし、さすがは小泉八雲原作というべきか、ゾッとするようなものが多く怖い話に興味のある人にはすすめたい。
ぱっと見ではB級ホラーものっぽい感じですが、よくよく読んでみると、結構しっかりできています。特にキャラ設定の部分。主人公の生い立ちみたいな部分が、割と深く掘り下げられていて、妙に心を揺さぶられたりします。個人的には絵がもう少し生々しい(グロイ)感じだったら、よかったのになあ、なんて思うも、とても楽しめる作品です。
骨董品商の般若堂に置かれている品物にまつわる逸話の数々。そこにはさまざまな人のさまざまな思いがこもっています。店を訪れて品を買い取ろうとする客に、般若堂のご主人はその品の持つ逸話を淡々と話し始めます。少し古めかしくて、おどろおどろしいタッチの怪奇漫画的画風で、好き嫌いが分かれると思いますが、エピソードを読み進めていくうちに、その品にまつわる恐ろしかったり、悲しいお話の裏側に、愛情や良心が満ちていることがわかり、少し切ない気持ちになったり、温かい気持ちになったり、ほろりとしたりします。癖のあるホラーチックな画風とは裏腹に、読み終わった後に心地よいカタルシスを感じことのできる秀作です。
ブタと呼ばれることに反発しダイエットを試み、痩せたものの逆に骨と皮ばかりになってしまった少女。やがて髪が抜け、肉がこそげ落ち、少女は文字どおり骨だけになって死亡。少女をいじめていた級友たちは祟りを恐れ、恐怖の日々をおくり…。子供のころに読んでトラウマになったなー、ってことしか思い浮かばない著者の、比較的最近の短編集がこれです。表題作の絵柄は以前と比べやや丸くなったような印象を受けますが、あいかわらず視覚的にグイグイとくる描写は健在。少女が骨だけになってからがその真骨頂で、おどろおどろした胸が苦しくなるような描写で、読む者の心にストレートな恐怖を植え付けてくれます。それにしても、単調で柔らか味たっぷりのキャラが崩れていくさまが、なぜこれほどまでに気持ち悪く思えるのか不思議。本短編集にはかなり昔の絵柄の作品も収められていて、わりとシャープなそれと比べてもはるかに凄惨な印象。現在の画風に至るまでにはどんな紆余曲折があったのか…。この恐怖表現方法の確立って、意外にもの凄いことなのかもしれません。
これも地獄の子守唄と同じように、一部の人には大人気だけど、大部分の人には全く響きませんでしたね....
このTシャツのデザインは最高
読めばわかるけど、全く救いがない話だ...
母親が歌っている時の歌詞 お〜ちろよ お〜ちろよ 地獄の底へおちてこい 血の海 火の海 針の山 亡者のうめき 聞こえぬか
私が何も知らない無垢な子供だった頃、当時通っていたスイミングスクールで母親の迎えを待つ間にホビールームに置いてあったこの本を何気なく手にとってしまったのが運の尽き。 小学2年生の私の人生に初めてのトラウマを植え付けた作品でした。 今でもはっきりと憶えてしまっているぐらいの描写、悲惨さ、恐ろしさ。 日野日出志先生の特徴的なキャラの顔がまた忘れられない。 大人になって、言われてみればカフカだったなと思うし、振り返りたくないなー嫌だなーという気持ちなのについつい電子書籍版を買ってしまった。