施設育ちのロージィは実の父アントンに発見され、短い間だが親の愛を知る。が、彼が急死。悲しむロージィの前に父の養子コンスタンティンが現れた。遺言により彼が遺産を受け取る条件に、ロージィとの結婚が挙げられていたのだ。養父の愛人と信じ込み冷たい態度をとる彼と、ロージィは結婚せざるを得なくなり…。
フレディは事故死した従姉の代わりに、その息子ベンを愛情込めて育てていた。そんな彼女のもとに、クアマール王国の皇太子でベンの叔父だという男性が現れた!皇太子はフレディを男性経験豊富な従姉と誤解し、ベンと引き離そうとする。納得がいかないフレディは、皇太子にある提案を持ちかけるが…。
親戚の土地を相続し、アイルランドへやって来たハリエットは、ある朝逃げた馬を捕まえようと、隣の屋敷の庭に入りこんでしまう。そんな彼女を助けたのは、美しき隣人ラファエル。途方もない金持ちで、女なら自分に媚びを売って当然と思っていた彼は、飾り気のないハリエットに興味を抱いた。だが、婚約者に捨てられ、実の母にそれをなじられ自信をなくしていた彼女は、彼の誘いを断ることしかできなかった。まさかそれが、彼に火をつけるとは気づかずに。
大邸宅で住みこみの庭師をしているアンバーは、週末の客を見て驚いた。ロッコ…!彼は1年半前、アンバーがマスコミにふたりの関係を暴露したと勘違いし、彼女を一方的に捨てた男。当時アンバーは妊娠していたというのに…。そして今、ロッコは「金目当てに上流階級の生活をスパイしているのか?」などとアンバーをののしり、解雇するよう家主に忠告してしまう!(「届かなかったプロポーズ」)。「迷える婚約者」も同時収録。
屋敷の跡取りに大それた恋心を抱いたばかりに、汚名を着せられ屋敷を追われた執事の娘アンジー。あれから2年。幼い息子を育てながら住み込みの召使として働くアンジーのもとに、深夜ギリシアから珍客が訪れた。レオ・ディミートリオス。初恋に舞い上がる私のすべてを奪ったあげく、冷たい言葉で拒絶したあなたが、今目の前にいるなんて…。今も昔も変わらずに、私の愛したただひとりの男性――忘れたはずの愛の記憶が、あなたとともに押し寄せてくる!!
甘く美しいピアノの旋律に誘われ、シャヒール王子は美しいレディに出会った。一心にピアノに向かうその姿にみとれるうちに、王子に気づいた女性は逃げるように走り去ってしまった…。「僕の城にいる彼女はいったい誰なんだ!?」その答えはすぐに出た。彼女の名前はカーステン、城の清掃係のひとりだった。僕は王国の皇太子だ、雇人に手を出すような愚かなまねをするつもりはない。しかし、あんなに美しい彼女が清掃係とは…何か理由でもあるのだろうか?王子はたわむれにカーステンに接近して!?
ミスティの経営するケータリング会社は倒産の危機に瀕していた。そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、イタリア系大企業の重役レオーネ・アンドラッキ。しかし彼は支援の見返りとして、ミスティに恋人のふりをするように要求する。女性には不自由しないであろう彼がなぜ?ミスティが選ばれた裏には恐るべき計画があった…!!
最愛の妹を失い悲しみに暮れるセアラは目の前の信じられない人物に凍りついた。気が遠くなるほどの資産と権力をもつギリシア人実業家アレックス・ターザキス。生まれつき心臓が弱かった妹の妊娠を知りながらすべてを奪った憎い男は、妹が命とひき換えに産んだ子供まで取り上げるつもりなのだ。絶対彼の好きにはさせないわ!だが必死の抵抗は簡単に押さえつけられ、耳もとで囁かれた脅し文句にセアラの身体から力が抜ける。ああ、私にできることは何ひとつないんだわ…。
ヴィヴィアンはタブロイド紙の記事を見て愕然とした。夫ルカの2年前の浮気報道がでっち上げだったというのだ。当時、プレイボーイで億万長者の彼との結婚生活に、自分の居場所を見失っていた彼女は、記事を真に受けて家を出た。でも、彼は潔白だった!私が彼を信じられなかったばかりに――。いてもたってもいられず、ヴィヴィアンは過去の過ちを償うため、彼に会いに行った。だが久しぶりに再会した夫は、謝罪する彼女に軽蔑のまなざしを向けるだけだった!
グエンナの目の前で、父が横領の罪で逮捕されてしまった!愛人の娘である自分をひきとってくれた父をなんとか助けたい…その一心でグエンナは、父を告訴した会社の経営者を訪れた。すると現れたのは数日前に偶然出会い、密かに心ときめかせた男性アンジェロで、彼は告訴を取り下げる代わりに驚くべき条件を出してきた――「きみが僕の愛人になるんだ」、と。愛人だった母の苦しみを見て育った自分が、同じ運命をくり返すことになるの!?
挙式したまさにその夜、モリーの夫ショルト・クリスタルディは、花嫁を置いてパンドラという女性のもとに駆けつけた。国際金融市場の頂点に立ち、社交界のスターでもある彼のスキャンダルは新聞にスクープされ、大騒動となる。まだ19歳だったモリーは憧れの男性に裏切られた失意のまま逃げ去り、ふたりの婚姻は解消された。4年後、ショルトと再会した彼女は荒れ狂う嵐の屋敷に閉じこめられ、彼と一夜をともにしてしまう。彼の心は依然、パンドラのものなのに…。
結婚歴のある名門モンテイロ家の当主、デュアルテと電撃結婚した使用人のエミリー。彼女は身分の違いに戸惑いながらも、よき妻になろうと努力する。だが、彼はいまだに亡妻の肖像画を屋敷に飾り、どこか態度も冷たい。ある日、誤解から不倫を疑われ耐えきれなくなったエミリーは、幼い息子と家を出てしまい…!?
リリーは家族経営する旅行会社が配当金を払っていないとして、出資者ラウフ・カサビアンに訴えられていた。不正の覚えがないリリーは話をするため、イスタンブールへと飛ぶ。彼の経営する豪奢なホテルのラウンジでリリーの身体に戦慄が走る。ラウフ…黄金色の瞳にゴージャスな容姿。かつて愛し、純潔を捧げる寸前で計算高い悪女だと冷たく私を捨てた男性。リリーは知らなかった。彼は彼女を詐欺師と思いこみ、好きなように操ってやろうと目論んでいることを…!!
ギリシアの世界的海運会社ぺトラコス・インダストリーズ。その冷酷な敏腕経営者として名高いジャニス・ぺトラコスに、派遣社員のマディは密かな憧れを抱いていた。だが恋心が災いして大切な会議の場で大失敗を犯し、マディは彼の逆鱗に触れてしまう。謝罪のため社長室に向かうと、そこで待っていたのはシャワーの水滴が残る半裸のジャニスの姿だった!彼には上流階級の美しい婚約者が――でも憧れのジャニスからの強引な誘いを拒むことができなくて…!?
「おまえの婿を決めた。期限までに結婚しろ!」ギリシアの大財閥を率いる養父の言葉にイオーネは愕然とした。養父は彼女の気持ちなどおかまいなく、経営手腕をみこんだ名門一族のアレクシオを婿にして事業を継がせようというのだ。アレクシオと言えば2か月前、私をメイドと勘違いした傲慢な彼!これまでも令嬢とは名ばかりで養父に道具のように扱われても耐えてきたけれど、もう我慢できない。ハネムーンがチャンスよ。そのまま彼も家も捨てて逃げ出すわ!
5年前に死んだはずの夫が生きていた!?超名門の夫の家族になじめず、ベッドでも積極的になれなかったエデン。二人の結婚生活は元々破綻寸前だった。しかも夫の失踪後、エデンの浮気をでっちあげた記事がタブロイド紙に載ったのだ。再会を喜ぶ夫が、もしその事実を耳にしたら…。エデンの胸は恐怖で一杯だった。
5年前、大企業の御曹司ラファエロとの身分違いの恋に、苦い終止符を打った庭師の娘グローリー。まさか、こんな形で彼と再会することになるなんて…!弟がラファエロの屋敷でしでかした不始末を詫びるため、屋敷を訪れた彼女に、ラファエロは冷たく言い放つ。「君の体が欲しい。代価はそれだけだ」…“愛人契約”…!こんな残酷な要求を突きつけられてさえ、私の心はラファエロを求めてしまうなんて…!
高級車相手に事故を起こしてしまった、女流画家のベラ。車から降りてきたのは、彫刻のような美しさを誇る大富豪・リコだった。その魅力に息をのむベラだったが、リコは彼女の派手な身なりを見て、一方的にベラを娼婦だと決めつけてくる!『なんて嫌な男なの!?』怒りにふるえるベラをよそに、リコは多額の賠償金がわりに彼女を買うと言い出して!?
ケイティーは双子の赤ちゃんと暮らすシングルマザー。仕事も家も失って途方に暮れてしまった彼女は、プライドを捨てて双子の父親に助けを求める決心をする。その双子の父親・大銀行の頭取にして大富豪のアレクサンドロスは、彼を愛して身も心もすべてを捧げたケイティーをもてあそび、あっという間に捨てた男性だ。1年半ぶりに再会した彼はケイティーの言葉を信じず、「DNA検査を受けてもらう。僕の子とわかれば、責任を取ろう」と冷ややかに言い放った!!
昼は書店員、夜は清掃人として懸命に働くエリーは、最上階の清掃中、話し声を耳にする。彼女が立ち去ろうとした途端、目の前に長身の男性が現れた。この会社の社長であり、ギリシア人の大物実業家のディオだ。「しばらく僕のそばにいてもらう」彼はうろたえるエリーを産業スパイと非難し、彼女を連れギリシアへ飛び立った!
奔放な双子の姉に頼まれ、南米グァテマラを訪れたルーシー。そこで待っていたのはグリーンの瞳を持つ、謎めいた男性ホアキン。しかし彼はルーシーを詐欺師呼ばわりし、借金の全額返済を要求した。自らの正体を明かせば、再婚を控えた姉の身が心配だ。そうして彼女は誤解を解けぬまま、ホアキンの囚われの身になり…。
私がニックと結婚!?あり得ないわ。プレイボーイの彼が、小太りのみっともない私を選ぶなんて。だがニックは、傾きかけた会社を救うため、大富豪の相続人であるプルーデンスを妻にした。けれど新婚初夜から8年間、1度も夫は彼女を求めてこない。3つの国にそれぞれ愛人を作っているというのに。もう耐えられない!私も子供が欲しい、愛ある生活が欲しいと離婚を切り出した彼女にニックは意外な提案をしてきた。「君が望むなら…試してみよう。本物の結婚生活を」
空港で突然見知らぬ男性に腕をつかまれ、激しく責めたてられたフェイス。腕を振りほどこうとする彼女をブラウンの瞳でにらみつけ、彼はイタリアなまりのぞっとするほどセクシーな声で告げた。――どこに逃げてもみつけだしてやる、僕の“エンジェル”――その言葉は3年前の事故で記憶を失ったフェイスに衝撃を与えた。彼は以前の私を知っているの!?彼に対して感じる恐怖と不安、そしてどうしようもない胸の疼き――心が彼を覚えてる、彼は特別な人だったんだわ…!
元人気モデルのリディアは、児童救済の慈善団体のために開いたファッションショーにかかわった。ところが、その収益金が消えた。お金を着服したのはリディアの母親だったのだ!けれどリディアは、警察の取り調べを受けてもその事実を認めようとしなかった。母を不幸にしたのは自分だという罪悪感にとらわれていたから。窮地に追い込まれたリディアに救済の手をさしのべたのは、大富豪クリスティアーノ。彼の目的は、リディアとベッドをともにすることだった!