王女ヘルミーネが育ったエーデルライヒは隣国ギュネシュイクからあらぬ言いがかりをつけられてしまい、後ろ盾もなく周りから疎まれていたヘルミーネは両国の間を取り持つため征服王の異名を持つギュネシュイクの王ヤシャールの現地妻として差し出されてしまう。祖国での不遇な扱いにも関わらず、ヘルミーネは不当な言いがかりをつけるヤシャールの心を宥めるため、生贄兼人質の役目を受け入れた。両国の緊迫した関係の中、「妻」とはいえどんな扱いを受けるのかと怯えていたヘルミーネだったが、言葉も通じない「夫」ヤシャールは意外にも優しかった。しかし、ヘルミーネがヤシャールに心を寄せても、閨で鳴かせられるばかりの日々は愛玩されて閉じ込められる小鳥のような切なさを彼女に感じさせる。一方、両国間では陰謀が渦巻いており、ヘルミーネも否応なく巻き込まれていく。「夫」と心と言葉を通わせたいと願うヘルミーネの思いの行方は──。
億万長者チャンス・モンゴメリーの双子の赤ん坊のナニーとして派遣されたトーリー。が、父親であるチャンスは「他人の手を借りるつもりはない」と冷たく言いはなつ。戸惑うトーリーだが4人で一緒に暮らすうち、子供たちに惜しみなく愛情をそそぐ彼に次第に心惹かれていく。一方チャンスも、誠実なトーリーに魅力を感じていた。互いに惹かれあうふたりだが、トーリーの悲しい過去がそれを許さなかった。彼に惹かれてはだめ。わたしは新しい恋なんてしてはいけない。
傲慢な父の遺言に、テスは愕然とした。英国人実業家のアレックと結婚しなければ、愛する妹と一緒に暮らすことは許されず、アレックもまた屋敷を所有できないという。仕方なくふたりは形だけ結ばれるが、当初テスは、アレックスの冷たい瞳に傷つけられた。でも、やがてふたりの距離は近づき――。愛されてないのに、なぜこんなに彼が気になるの? 彼に惹かれる気持ちを止められず、テスはある夜、抱きしめてきた彼を拒むことができなかった。
【最終ページにあとがきが付いて再登場!作品の登場人物や漫画家の素顔に迫れる1ページを最後までお楽しみください。】テーラーは途方に暮れていた。このままでは愛する弟の養育権を、跡継ぎが欲しいだけの横暴な継父に奪われてしまう。すると事情を知ったかつての上司ジャクソンが驚くべき提案をしてきた。自分と結婚して弟をひきとればいいと言うのだ。確かに世界的に有名な敏腕プロデューサーの彼なら、継父に対抗できるに違いない。でも。元秘書だからって、彼はなぜそんなに親切にしてくれるの? いぶかるテーラーに彼は告げた。「君には1年以内に僕の子を産んでほしいんだ」
愛を知らない不器用なふたりが求める、真の幸福11歳のクリスマス。一族の集う屋敷が火事になり、自分だけ生き残った少年マシューは幼くして莫大な遺産を相続し、人を信じない億万長者になった。一方、生まれた日に母を亡くした少女マリアは父の顔色を常にうかがい、愛を渇望する大人になった。そんなふたりがパーティーで出会い、強烈に惹かれあったのは運命だったのか? 一夜にして子を授かったことを告げたマリアにマシューは言った。「きみを…いや、誰も愛することはできないが結婚しよう」と。
浮気者の夫との結婚生活にケイトは疲れ果てていた。それでも今夜は、大物実業家アレックス・ダルトンを招いたパーティーがある。アレックスに気に入られれば、夫の事業は安泰だ。ワインや料理で家計は火の車でもやり遂げるしかない。だが、やって来たアレックスはなぜか初対面のケイトに静かな怒りを向けてきた。なのに、すぐに彼はささやいた。「僕と親しくすれば、ドレスでも宝石でもなんでも望みのままだ。どうする?」一体、彼は私をなんだと思っているの?
毎月厳選したタイトルをまとめてお得にお楽しみいただけるハーレクインコミックスのセットです。「育てられた花嫁」「魅惑のボディガード」の2話をまとめて収録。
リーヴァ・コレリ、28歳。フリーの写真報道家です。私は1年半前、ロンドンからミラノに取材対象を追いかけてきて、デミトリオ・コレリ(35歳)と出会いました。彼は大富豪で、控え目に言ってもイイ男。熱病のような恋に落ち、出会いから1週間で結婚したけど…。実はとんでもなく横暴で、結婚前は仕事に理解があったのに、結婚後は夫の都合を優先しろとかいっそ仕事やめろとか! 挙句、部屋に監禁されたので窓を破りそのまま別居生活に入りました。そして…?
親戚の土地を相続し、アイルランドへやって来たハリエットは、ある朝逃げた馬を捕まえようと、隣の屋敷の庭に入りこんでしまう。そんな彼女を助けたのは、美しき隣人ラファエル。途方もない金持ちで、女なら自分に媚びを売って当然と思っていた彼は、飾り気のないハリエットに興味を抱いた。だが、婚約者に捨てられ、実の母にそれをなじられ自信をなくしていた彼女は、彼の誘いを断ることしかできなかった。まさかそれが、彼に火をつけるとは気づかずに。
声をかければ男も女も足下にひれ伏すほどの大富豪ラファエル。そんな彼にアプローチされ、なかば押し切られる形で関係をもつようになったハリエット。彼は女に心まで求めないと言いながら、正反対の行動をとる。婚約者にふられて日の浅いハリエットが、まだ傷ついているようだと苛立ち、実の母親にハリエットが不当に貶められ落ち込めば慰めてくれる。これではまるで愛されていると信じてしまいそうよ…。ふたりはただの、彼が飽きるまでの身体だけの繋がりなのに。