『うしおととら』の短編エピソードが収録された外伝集。読めばキャラクターの魅力と本編の味わいがいやますこと間違いなしです! 家族を殺された鏢が仙界で仙術を身につけるまでを描く「桃影抄〜符咒師・鏢」や、紫暮と須磨子のなれそめを描いた「里に降る雨」、クリスマス嫌いの少年とうしおの交流が泣ける「プレゼント」など、本編人物を掘り下げるエピソードはどれも粒ぞろい。 最終巻のあとに外伝を読むケースが多いと思うのですが、もう一度1巻からキャラの活躍を読み直したくなっちゃうものばかりです。 なかでもとらの過去を取り上げたものが一番多く、平安時代の陰陽師との戦いをめぐる「妖今昔物語」、源氏の女武将巴御前ととらが出会う「雷の舞」、とらを封印した侍の物語を描いた「永夜黎明」と、時系列はそれぞれバラバラですが、外伝オリジナルのキャラクターが出てくるのが楽しいです。 なかでも「永夜黎明」の最終ページはあまりに美しく、これのおかげで読み終わると1巻にすぐ手が伸びるようになってるんですよね…。 個人的な一番のお気に入りは「雷の舞」です。女だからという理由で義仲とともに戦場に立てず、戦の終わりを「待つ」ことを強いられている巴御前。そんななか、尼僧とともに山に潜む物の怪の群れを退治することになるのですが、そこにとらが現れます(この登場シーンが最高!)。 「乗りてえ風に遅れたヤツは間抜けってんだ。」ととらに発破をかけられた巴御前は「待つ」ことをやめ義仲とともに決死の戦場に赴くのですが、この凛々しさにシビレます。 うしおだけでなく、様々な人のあり方をとらは変え続けてきたんだなというのが、なんかいいんですよね。 また、この『外伝』のコミックスには収録されていないですがうしおととらのコンビが外国の魔道士と対決する「ECLIPS」も超絶かっこいいです。 『原画集 月と太陽』や文庫版、完全版などで読めますのでぜひ。
※ネタバレを含むクチコミです。
本作の最大の魅力は、キャラクターがまさに生きている点です。「勝」と「鳴海」のダブル主人公が中心にいるわけですが、それぞれの歩む激動の展開に思わず読む手が止まらなくなります。藤田和日郎先生の絵から心をぶん殴られる衝撃を受けました。
以前から先輩に『うしおととら』は面白いから絶対読んでおけといわれていたのだが最近の無料公開キャンペーンのおかげではじめて読むきっかけができた。1話目からヤバくて槍強いし妖怪怖いしホラー?かと思ったら主人公は明るいし根性あるし、女の子かわいいしおもしれーわこれ。
うしおととらと うしおととらそして出てくる仲間達、妖怪達みんなすごく魅力的で単発エピソードも泣いちゃうくらいに良いです。 中盤戦に差し掛かるあたりで展開が重くなって中だるみかな?なんて思っちゃうかもしれませんがそれもラストに向けての壮大な伏線になるのには驚きました。 ラストは今までうしおととらに関わった人々、妖怪全てが繋がって漫画史上最高の総力戦の激アツ展開に二人と一緒に旅をしてきた読者なら共に燃上がって号泣すること必至です! おすすめというより、絶読(絶対に漫画好きならば読んだ方がいい漫画)ですよ!!
今でも理由はわからない。20年ほど昔、私がまだ大学生だったころ。読んだこともない「増刊少年サンデー」を買ってしまった。そしてある漫画わざわざ切り取ってファイリングしたのだ。人に見せたとか、レポートの参考にしたとかの記憶は一切なく、なぜそんなことをしたかは不明。しかしその作品で賞をとったその著者は、今では大人気作家として雑誌を支える存在になっている。その漫画とは『連絡船忌奇譚』であり、藤田和日郎のデビュー作だ。表題の短編集に収録されているこの作品を読むと、何が目にとまったのかはよくわかる。全体的に薄暗いトーンに目に見えない悪魔的な存在、そして魔を断ち切る妖刀。著者もインタビューで語っているが、当時私も傾倒していたスティーブン・キングの影響がありありとでている。それに漫画的な狂言回し役を放り込んで一丁上がりという、デビュー作ならでは荒削りな作品ではあるが、シンパシーを感じるところがあったのだろう。だが結局、短編集としてのコミックスは買わずにいた。なぜならいまだにファイルが手元に残っているから。不思議な話である。
スコットランドヤードの犯罪資料館「黒博物館(ブラック・ミュージアム)」に所蔵された「バネ足」にまつわる数奇な物語を回想形式で振り返る短編。 藤田マンガらしく回想と現在が繋がるクライマックスの快感はバツグンです。 『藤田和日郎短編集 暁の歌』に収録されている「空に羽が…」という作品にも世界を救う孤独な英雄の姿が描かれますが、 殺人鬼と疑われながらも譲れないもののためにひとり立ち上がる、今作の主人公ウォルターも紛れもなく藤田和日郎の描く漢…! 「バネ足ジャック」というヒーローが生まれる瞬間と、そのカッコよさをぜひ味わってほしいです。 後日談の「マザア・グウス」も本編とガラッと雰囲気が変わったボーイ・ミーツ・ガールで味わい深いですよ! あと物語のガイド役の「キュレーターさん」が鉄面皮美人にみえてめちゃくちゃ素直っていう最高のキャラ。 片目隠れカワイイ。
米空母から脱走した殺人フクロウと人類が壮絶な戦いを繰り広げるという マックスB級感あふれるあらすじから繰り出される今作のジジイは 盲目となった伝説のマタギスナイパー!!もうカッコイイぞ!! 見るだけで人を殺せるフクロウのカジュアルな強さに絶望しながらも、 つらい過去をそれぞれに抱えた主人公たちが腕を取り合い、立ち向かう姿に自然と目頭が熱くなります。 藤田和日郎の描くジジイにハズレ無しです。 あと個人的にはX-FILESとか好きな人に読んでほしい。
家を壊すという話なのだが、異星人やら超能力者が戦うアクションもので、メンバーの友情が育まれるという話でもあり、続きが読みたくなる続編が待ち遠しい。
『うしおととら』の短編エピソードが収録された外伝集。読めばキャラクターの魅力と本編の味わいがいやますこと間違いなしです! 家族を殺された鏢が仙界で仙術を身につけるまでを描く「桃影抄〜符咒師・鏢」や、紫暮と須磨子のなれそめを描いた「里に降る雨」、クリスマス嫌いの少年とうしおの交流が泣ける「プレゼント」など、本編人物を掘り下げるエピソードはどれも粒ぞろい。 最終巻のあとに外伝を読むケースが多いと思うのですが、もう一度1巻からキャラの活躍を読み直したくなっちゃうものばかりです。 なかでもとらの過去を取り上げたものが一番多く、平安時代の陰陽師との戦いをめぐる「妖今昔物語」、源氏の女武将巴御前ととらが出会う「雷の舞」、とらを封印した侍の物語を描いた「永夜黎明」と、時系列はそれぞれバラバラですが、外伝オリジナルのキャラクターが出てくるのが楽しいです。 なかでも「永夜黎明」の最終ページはあまりに美しく、これのおかげで読み終わると1巻にすぐ手が伸びるようになってるんですよね…。 個人的な一番のお気に入りは「雷の舞」です。女だからという理由で義仲とともに戦場に立てず、戦の終わりを「待つ」ことを強いられている巴御前。そんななか、尼僧とともに山に潜む物の怪の群れを退治することになるのですが、そこにとらが現れます(この登場シーンが最高!)。 「乗りてえ風に遅れたヤツは間抜けってんだ。」ととらに発破をかけられた巴御前は「待つ」ことをやめ義仲とともに決死の戦場に赴くのですが、この凛々しさにシビレます。 うしおだけでなく、様々な人のあり方をとらは変え続けてきたんだなというのが、なんかいいんですよね。 また、この『外伝』のコミックスには収録されていないですがうしおととらのコンビが外国の魔道士と対決する「ECLIPS」も超絶かっこいいです。 『原画集 月と太陽』や文庫版、完全版などで読めますのでぜひ。