表紙の可愛い女の子の笑顔に一目惚れして、読んでみてエッセイだとわかりびっくりでした。それについて最初に書いておくと、エッセイとして作者の自画像そのままで描くよりも可愛い女の子で描いたほうがいいとアドバイスされ、このキャラクターになったそうなので、まんまと戦略にはまってしまったのでした。 それはそれとして内容は紀伊半島で出会う様々な食材とグルメ、優しい人たちに出会う様子がとても羨ましくて、様々な理由でから自分には実現できない分、他人事として最高に楽しめました。あと作者の料理のポテンシャルの高さがいちばん印象的でした。鶏を丸ごとさばくことはできないけど大抵のことは自分でこなしていました。 一方で、漫画家としての忙しい生活の様子も随所で描かれており、原稿中はほぼ引きこもりで食事にも気を使わないというギャップがリアリティがあってよかったです。 こういう人はどこに行っても変わらず生きていけるんだろうな。
これは田舎のご飯は実は高級メシなのでは!?と思ってしまう漫画ですね。 ご飯を食べる二人の顔も本当に美味しそうで良い… 奈良の田舎って本当こんな田舎なので農産物美味しいだろうな〜!
綺麗な空気を吸って、美味しいご飯を食べて、優しい人たちに囲まれて暮らせたら大抵のことは許せる気がします。 全部捨てて長閑なところでゆったり暮らしたい、癒やされたい……現実は厳しいのでせめて漫画で体験しましょう。 仕事も恋も捨てて東吉野にやってきた青年・祐。 お腹を空かせた彼が出会ったのは、料理上手な女子中学生・海青子。 亡き母のレシピ帳をもとに作る海青子の料理が祐の心を癒していきます。 東吉野の大自然が育む食材たちで作った料理を食べたら、辛いことなんて忘れられそうです。 何もかも捨てていきなり田舎に飛び込んで、こんなに優しくしたもらえるわけないじゃん。なんて野暮なことは言わずに、とにかく優しくてあたたかい世界に浸りましょう。 東吉野の新鮮食材とまではいかなくても、漫画読んだらあったかくて美味しいもの食べて寝ちゃえば結構幸せになれそうです。
紀伊半島の大自然と、新鮮な極上食材を堪能できる田舎暮らし。 現在の便利な暮らしを捨ててもいいとは思わないけれど、ほんの少しだけうらやましくなります。 都会育ちの蘭が、彼氏の転勤をきっかけに結婚&移住をするのですが、引っ越し先は紀伊半島の小さな小さな田舎町。 住み慣れた都会を離れ戸惑う蘭さんですが、新鮮な極上食材にテンション爆上がり! プロ並みの料理を手際よく作る姿が楽しそうで素敵です。 良くも悪くも昔ながらの風習や役割がある中、なんでも明るく楽しむ蘭さんのポジティブさは見習いたいなあと思います。 しかし、冒頭でサルに襲われた嫁を心配せず「バカすぎる」と蘭さんの旦那よお前だけは許せん。読み進めるうちにただの能天気なヤツというのはわかったけど、第一印象が最悪すぎていまだに好きになれない! 蘭さんはお料理好きな男の子や都会から転校してきた女の子に寄り添える優しさがあるのに、旦那はただのアホなんだよなあ。蘭さんが幸せならいいんだけども……。 ということまで心配しちゃうくらい夢中で読んでます。
2011年をきっかけに取り壊された神保町にかつて存在した九段下ビル。築80年の歴史ある建築物を舞台に、4人の作家が、それぞれの時代の人間ドラマを描いていく作品です。ビルの場所は神保町ということもあり、漫画家とも少なからず縁のあったビルだったことが伺えます。 執筆している4名の作家さんですが、一色登希彦さんがスピリッツで「日本沈没」を連載していた時のスタッフが、元町夏央さん(元夫婦)、大瑛ユキオさん、朱戸アオさん、という繋がりがあります。(私は勝手に日本沈没チームと呼んでますが) 収録作 『スクリュードライブ らせんですすむ』一色登希彦 『ごはんの匂い、帰り道』元町夏央 『此処へ』朱戸アオ 『ガール・ミーツ・ボーイズ』大瑛ユキオ いずれの作品もそれぞれの作家さんの持ち味が感じられる短編です。なんだかんだ一色節が好きなんですけど、やはり今オススメするとすれば朱戸アオ先生でしょうか。朱戸アオさん目当てで、この本を手に取る人も少なくないと思いますが、インハンドやFinal Phaseより以前の作品も読みたい、という方は読んで損はありません。この本の中で最も大きなドラマを描いてましたし、ひときわ記憶に残る作品でした。
【「ごはん日和」作品ピックアップ①】 ぶんか社から出ている、「食」がテーマの「ごはん日和」という雑誌をご存知ですか?漫画誌でありながら、表紙に作品名や作者名がほとんど無く、代わりに描かれている料理名がふんだんに散りばめられている、という徹底したテーマ性がすごいこの雑誌。 幾つか単行本化された連載があるので、面白いものをピックアップしてご紹介してみます。(ちなみに先週レビューした『釣りとごはんと、恋は凪』もこの雑誌連載) ※※※※※ 仕事も婚約者も捨てた30前の男は、東京から奈良県東吉野村の祖父の家に逃げて来る。疲れ果てた男は、隣人の中学生女子に「すき焼き」をご馳走になる。……なんだこれ、美味っ! ※※※※※ このすき焼きの肉、実は地元のブランド牛。「ここは自然いっぱい、美味しいものいっぱい!」という女子中学生・海青子に、その後も美味しいご飯をもらい、彼は元気を取り戻していきます。 三輪そうめんなど特産品あり、季節の野菜や竹の子もあり、クレソンやハーブもその辺で採れ、素材は豊富。更に人助けするとお礼に色々もらえる田舎の食生活は豊かで、羨ましい! 食材は海青子の手で見事な料理になり、二人で感動しながら食べているうち……辛いことってなんだっけ? 海青子の方にも重い過去がありながら、そんなことは全く感じさせない元気さ。 色々あっても、ごはんの間は棚上げして、そのうち時間が解決してくれる……そんな食による「精神の回復」の過程を見せ、穏やかな気持ちにさせてくれます。 気軽に読めて、奈良吉野の食知識とリラックス効果を得られる、疲れた人におすすめの作品。本当に恋愛要素も犯罪要素も、面倒なことは全くないので、安心して! ----- 【「ごはん日和」作品ピックアップ】として、以下の作品を取り上げています。 ①14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。 ② 笑とお兄ちゃんのなりゆきごはん ③ 午前4時の白パン 【描き下ろし漫画付】
表紙の可愛い女の子の笑顔に一目惚れして、読んでみてエッセイだとわかりびっくりでした。それについて最初に書いておくと、エッセイとして作者の自画像そのままで描くよりも可愛い女の子で描いたほうがいいとアドバイスされ、このキャラクターになったそうなので、まんまと戦略にはまってしまったのでした。 それはそれとして内容は紀伊半島で出会う様々な食材とグルメ、優しい人たちに出会う様子がとても羨ましくて、様々な理由でから自分には実現できない分、他人事として最高に楽しめました。あと作者の料理のポテンシャルの高さがいちばん印象的でした。鶏を丸ごとさばくことはできないけど大抵のことは自分でこなしていました。 一方で、漫画家としての忙しい生活の様子も随所で描かれており、原稿中はほぼ引きこもりで食事にも気を使わないというギャップがリアリティがあってよかったです。 こういう人はどこに行っても変わらず生きていけるんだろうな。