ドラゴン、ポンコツなのにプライドが高くて可愛い。
1巻読了。 ドラゴンが公園でヒッチハイクみたいに『養ってください』(漢字は間違えている)と紙に書いて養ってくれる人を待っている。 思いっきりぶっ飛んだ設定ですが、このドラゴンがとても人懐っこくて可愛いのです。そして、何故か、プライドが高い。 ドラゴンにあこがれを持つ大学生の村上は、このドラゴンが気にかかりどうしたものかと悩んでいると、魔法で小さくなれることが分かり・・・。仕方なくドラゴンと生活を共にすることになる。 日々の生活の中に自然と溶け込んでいくドラゴン。 近くの商店街で、バイトも始めてしまう。 ツッコミどころは満載ですが、優しい気持ちになれるのと、プライドの高いドラゴンと村上のツッコミ具合がなんとも微笑ましい。 これから、きっと色々な人と出会い二人の絆も強くなっていき、最後には・・・。
今年は辰年なので、龍マンガやドラゴンマンガは積極的に推していきたいです。ということで、今日も良いドラゴンマンガが発売されました。
『スティアの魔女』の牧瀬初雲さんが元々は同人で描かれていた作品を、『しいちゃん、あのね』の東裏友希さんが作画を担当してリメイクした作品です。
皆さんも、一度はドラゴンと一緒に暮らしてみたいと思ったことはありませんか? 私はあります。とはいえ、大人になってから考えるとその大きな体を保つために必要な大量のカロリーを摂取するためにはどれくらいの餌が必要なのかとか、そもそも田舎の広い家でないと飼えないよなぁとか現実的なことを考えてしまうわけですが。
本作の主人公、村上もさまざまな苦労を抱えながらアパートの一室でドラゴンのイルセラと暮らしていくことになります。人外はしっかり人外であって欲しい、半端に人間に寄らないで欲しいと思う方は村上にとても共感できるのではないでしょうか。
上位種としてプライドは高いけれどチョロいところもあるイルセラとの掛け合いが面白く、ファンタジー設定を生かしながらコメディとしての楽しさが随所に溢れています。
「人間はホモ・サピエンス、賢い人という意味」
と伝えると
「思い上がってますね クソザコハダカザルとかで十分」
と返してくるシーンなど大好きです。
4話で描かれる人間の愚かしさを描いたエピソードなどはさもありなんという感じで、こちらもかなり笑えました。焼き氷屋さん、好きです。その前提となる、3話で焼きおにぎりを焼かされるドラゴンという構図も珍妙で良いです。
舞台となる辰居町は、読んで字のごとく竜神にも縁がありドラゴンと龍が共演していくのも辰年に読みたいドラゴンマンガとしてポイントが高いです。
商店街の皆さんやヒロインの犬飼さんも癖が強くて良いキャラしています。
たまに大きい設定が出てきつつも、概ねギャグに回収されていくので肩肘を張らずに気楽に読んで楽しめます。
おまけの番外編は、憧れが詰まったシーンが描かれています。私もドラゴンのお腹の上で午睡を楽しんでみたい!
見た目は高貴、中身は知的と見せかけて人間味溢れるドラゴンとの暮らしを楽しんでみたい方はぜひ。